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教えてヨーコ部長! ~女子のお悩み相談室~<9>冬が来るのが怖い…サイクリング時の防寒対策を教えてください

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 数あるスポーツの中でもとくに男女差が大きいと言われるサイクルスポーツ。悩みや疑問が出てきても、身近に相談できる人がいなかったり、男性では聞きにくかったり…。そんな女性サイクリストのみなさんからの相談を、Facebookの大グループ『自転車女子部』を主宰している“ヨーコ部長”こと青木陽子さんがどーんと引き受けます。質問もどしどしお送りください!今回は、サイクリストの最大の敵、冬の寒さ対策について─。

テクニカルな中綿を使って保温性を高めつつ、吸汗速乾性を確保することで汗冷えも起こさないウエアがついに現実のものになってきています。暖かいアイテムを賢く選んで冬中走り続けよう! ©Rapha.cc

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 春にロードバイクに乗り始めたのですが、気づいたら秋も終わり、もう冬が始まろうとしています。指切りのグローブでは耐えられなくなりフルフィンガーのグローブを買いましたが、これからの冷え込みを考えると、サイクリング時の防寒をどうしたらいいのか途方に暮れています。普通のスポーツウェアでいいのでしょうか。アドバイスをお願いします!

ハンドルネーム:寒がり(31歳)

 ぐっと冷え込んできましたが、みなさんノッてますか〜? ヨーコ部長です。

 サイクリング時の防寒対策! よくぞ聞いてくださいました。自転車本体のテクノロジーほど注目されませんが、じつはこの過去10年ほどのサイクリングウエアの進歩にはめざましいものがあります。アイテムを正しく選べばもう寒さに震える心配はほぼ無用と言える時代になってきました。

 また、世界中で女性サイクリストが増えるとともに女性用ウエアも選択肢が急増中で、暖かくいられるだけでなく、プロポーションをきれいに見せられるようになってきているのも嬉しいところです。

ポイントは手・足・頭の末端対策

 とはいえ、冬用サイクリングウエアにはお値段が高いものが多いのは事実。上下揃えれば安いスポーツ自転車が買えてしまう……と怯む気持ちは部長もよくわかります。なので、費用対効果も考えつつご紹介していきたいと思います。

 あと、先にお断りをさせてください、わたしは「Rapha」(ラファ)のアンバサダーをしているので、機能の説明をするのに、自分がよく知っているラファアイテムを使うことをご容赦ください。カステリ、アソス、パールイズミを始めとした他ブランドからも近い機能を搭載した冬コンディション用の製品が多数出ていますので、参考になさってください。

真っ先に用意したいオーバーシューズ(シューズカバー)。ネオプレーン素材のものは多少の耐水作用もある。写真の「オーバーシューズ」のような蛍光色や反射素材を使ったものを選ぶと路上でも気づかれやすくなるのでオススメ ©Rapha.cc

 冬ライドの準備にあたり、まず真っ先に揃えたいのは、グローブとオーバーシューズ(シューズカバー)です。0℃前後の真冬に走るなら、少し余裕のある中綿入りのグローブの下に、薄手ウールのインナーグローブをつけるのも一案です。

 オーバーシューズは、ウェットスーツのようなネオプレーン素材のものが保温力が高くオススメ。冬用の厚手ソックスと合わせましょう。それでもつま先の冷えが厳しい人は、足首まであるブーツのようなウィンターシューズを検討してもいいかもしれません。わたしも真冬は愛用しています。

 そしてネックウォーマー(ウィンターカラー)と耳あてのついた冬用の帽子も、比較的安価で防寒効果が高いのでぜひ採り入れて欲しいアイテムです。どちらも、トップスを1枚重ねたくらいの暖かさをもたらしてくれます。

ヘルメットの下につける帽子は、冬は耳あてがついているものがオススメ。前面のみ防風素材、中綿入りなど、気温に合わせて選んで。つば付きは、雨はもちろん冬の斜めの日差しが目に入るのを防ぐのにも便利。ネックウォーマーもあるとないとでは大違い。冬の初めは薄手ウールのもの、真冬は厚手のものなど使い分けると尚◎。写真の「ブルベ・ウィンター・カラー」は、反射素材のテープがついていて、日没後にも走るような日にはとくに安心 ©Rapha.cc

投資すべきはベースレイヤーとジャケット

 ではいよいよボディ用ウエアの選び方です。ここは透湿性の高いストレッチ防水素材や薄手の中綿、高撥水加工など、過去数年でとくに進化が激しいジャンル。

 ボディウエアでまず最初に投資すべきは冬用のロングタイツです。春夏用のレーパン+レッグウォーマーでは、真冬はやっぱり厳しい。内側が起毛になっていて生地も目が詰んだ冬用タイツは暖かさが違います。前面のみに防風素材が入っているものやお腹周りも暖かい肩ひもつきのビブタイツなら、保温性はさらに高まります。

柔らかいメリノウールをたっぷりと配合した薄手のメッシュ地を使った「メリノメッシュ・ベースレイヤー」は汗抜けと保温性のバランスが極上。長袖で腕を暖めると手先も冷えにくい。肩紐つきの冬用ビブタイツ「コア・ウィンター・タイツ」は、春夏用のレーパンに比べると風を通しにくい素材で、内側が起毛になっているのが基本。パッドなしのタイプは、春夏用のレーパンの上から重ねて使用します ©Rapha.cc

 次が冬用ベースレイヤー。ラファの場合、どのくらいのペースで走るか、汗をたくさんかくかどうかによって冬用でも何種類もありますが、わたしがお気に入りなのは、メリノウール製の薄手メッシュ地の長袖。汗抜けが最高に良く暖かい肌触りが続き、上に厚めのアイテムを重ねても重たくなる心配が少ないのです。

 そしてアウター、冬用ジャケットやジレ(ベスト)です。これらも保温力や防水性、透湿性、軽さなどによってかなり種類が出てきているので、自分のライドスタイルや走るエリアの天候とよくよく相談して選びましょう。

身頃と腕の前面には3層構造の耐風耐水素材を、背面には通気性のいいストレッチ素材を使った、耐水・耐風・通気性・軽さのバランスがとれた「コア・ウィンター・ジャケット」 ©Rapha.cc
ポーラーテック製のアルファという中綿素材を前身頃と肩周りに配した「スープレス・インサレーティッド・ジレ」。前面は防風、背面はストレッチ素材で汗抜けがよく、非常に軽量 ©Rapha.cc

 注目したいのは、最近続々新しいものが登場している中綿入りの軽量なもの。ダウンと違って湿気に強い化学繊維の中綿がごく薄く入ったジレ(ベスト)やジャケットは驚くほど軽いのに暖かく、きっちりと畳んで後ろポケットに入れておくこともできます。晴れた冬のライドに、レインジャケットの下に重ねるなどとても使い手があり、部長の強力オススメアイテムです。

 あれ?ジャージが出てこない?とお気づきかもしれません。もちろんジャージも冬用の高性能なものがたくさん出ているのですが、予算が限られている中で費用対効果を考えるなら、いいベースレイヤーといいウィンタージャケットに投資するのが先かと思うので、ここは心を鬼にして割愛!

 またまたつい熱がこもり、長くなってしまいました。最新素材やテクノロジーを搭載した冬用アイテムはどうしてもお高くなりがちです。でも、着て走ってみれば、ウエアにもこんなにも「性能の違い」があるのかと舌を巻く世界でもあります。辛い思いをせずに冬場もライドを楽しめるなら、ふだん用の冬物コートを諦めてでもウエアに投資する価値は大いにあると、部長は思います。

◇         ◇

※ヨーコ部長にあなたの自転車に関する悩みを相談してみませんか? ml.sd-cyclist-info@sankei.co.jpまで、タイトルを「教えてヨーコ部長!」としてお寄せください。

青木陽子回答者 青木陽子(あおき・ようこ)

当サイトで『“自転車革命都市”ロンドン便り』も連載中のフリー編集者・ジャーナリスト。雑誌編集者を経て独立起業、日本の女性サイトの草分けである「cafeglobe.com」を創設し、編集長をつとめた。スポーツ自転車歴は17年目、11台の自転車を所有。Facebookで1000人近い女性メンバーが集う「自転車女子部」を主宰するほか、サイクルアパレル「Rapha」のアンバサダーでもある。ブログ「yokoaoki.com」を更新中

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