ストーク集中レポート<前編>ドイツ人気質あふれる孤高のブランド「STORCK」 鬼才マーカス・ストークのこだわりと感性を体現

by 中村浩一郎 / Koichiro NAKAMURA
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ブランド・キャンプには代表的なモデルが多数登場。創始者の解説を聞きながら試乗できたブランド・キャンプには代表的なモデルが多数登場。創始者の解説を聞きながら試乗できた

 ドイツの高性能バイクブランド「STORCK(ストーク)」の製品発表会「ブランドキャンプ」が9月25、26日、富士山麓で開催され、ブランドの創始者であるマーカス・ストーク氏が来場した。マーカス自身がプレゼンテーションに立ち、ブランドのコンセプトや技術を解説。主力モデルの試乗会も行われた。フレームのデザイナーでもあるマーカスの解説を聞きながらの試乗は、大変興味深い体験となった。(レポート 中村浩一郎)

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 マーカス・ストーク率いるストークは、機能美を突き詰めた思想と高い技術力を誇る、ドイツ人気質にあふれたバイクブランドだ。走り、デザイン、技術などを独自の姿勢で追求し続ける姿勢は、いわゆる通好み。日本にも熱心なファンは少なくない。評価が厳しいことで知られるドイツの自転車専門誌「TOUR マガジン」によるバイクテストでは、2007年から2012年に渡って最高評価を獲得。特に、ロードバイクの名機「Fascenario(ファシナリオ)」は、同誌に“ベストバイク オブ ザ ワールド”と言わしめたほどだ。

ストーク アエロナリオ ディスク G1

「ストーク アエロナリオ ディスク G1」 535,500円(フレーム/フォークのみ)「ストーク アエロナリオ ディスク G1」 535,500円(フレーム/フォークのみ)
ハブには、剛性の高いスルーアクスルを採用ハブには、剛性の高いスルーアクスルを採用

 ストークの代表的なモデル「AERONARIO(アエロナリオ)」にディスクブレーキモデルが登場した。実はマーカス本人は、ディスクブレーキには懐疑的だったというが、世界の潮流を見ると、今後の発展を期待させられるシステムだったため導入したという。マーカスは、その合理性を選んだのだ。

 ブレーキシステムに加え、もう一つのポイントは、前後のハブが共に軸の太いスルーアクスル方式になっていることだ。ホイールとフレームを太いシャフトで留めるこのシステムは、ホイールの回転中心付近の剛性が大幅に向上し、その結果、フレーム本来の特性がより分かりやすくライダーのカラダに伝わるようになる。

 通常のキャリパーブレーキのモデルと乗り比べたところ、荒れた路面におけるフォークの振動吸収性は、ディスクブレーキモデルの方がしなやかだなと感じられた。

リアハブもクイック方式ではなくアクスルにリアハブもクイック方式ではなくアクスルに
滑らかなBB部。BB86のプレスフィット方式滑らかなBB部。BB86のプレスフィット方式

 2013年の初頭に発表されたオリジナルのアエロナリオは、徹底的にエアロフォルムを研究して開発された。基本的な考え方は、風はいつも地面と平行に吹くので、チューブの形状も地面に平行な断面でエアロ形状をしているべきというものだ。

 その効果か、確かに速い。速くて硬い。ただ、その硬さはもちろん、適度な振動吸収に裏付けされている。トップスピードに乗っていても、さらに踏み込んでみたくなる、限界を超えさせてくれるようなフレームだ。レースで使えば、その性能を存分に発揮させられ、気持ちよく走ることだろう。

ストーク フェノマリスト DI2

「ストーク フェノマリスト DI2」 346,500円(フレーム/フォーク)「ストーク フェノマリスト DI2」 346,500円(フレーム/フォーク)

 「FENOMALIST(フェノマリスト)」は、楽しい自転車だ。振動吸収性と路面の追従性に優れ、ちょっと荒れたダートでも、凸凹をなめるようにスルスルと走る。

 しばらく走って気持ちよくなったところで、「スピードをもう少し上げよう」と考えるよりも、「もう少し遠回りしてみたい」と思わせる。そんなロングライド向けの一台だ。

DI2モデルはワイヤーケーブルを内蔵DI2モデルはワイヤーケーブルを内蔵
ストークはハンドルセットなどのアクセサリーも揃えているストークはハンドルセットなどのアクセサリーも揃えている

ストーク シネロ G2

「ストーク シネロ G2」 231,000円(フレーム・フォーク)「ストーク シネロ G2」 231,000円(フレーム・フォーク)

 エントリーレベルのライダーのために開発されたカーボン・エントリーモデル。特筆すべきは、その振動吸収性。上位モデルと比べれば平均スピードが劣るように感じるものの、巡航速度域でペダルは快適に回っていく。硬くなく、もっさりとせず、楽しい乗り味を凝縮しているかのようだ。

 高性能ホイールに変えたら、このユルい感じのまま平均スピードが上がるんじゃないかと思うと、さらに楽しくなる。

ストーク レベルセブン

「ストーク レベルセブン」 283,500円(フレーム価格)「ストーク レベルセブン」 283,500円(フレーム価格)

 マウンテンバイクは2014年の主流に合わせ、27.5サイズをリリース。マーカスいわく「29インチは、身長180cm以下であるボクらには、すこし大きすぎる。ホイールの押さえ込みが利かなくて、マウンテンバイクの楽しみがスポイルされていると思うんだ。だから、27.5インチがベストだと思うし、これからはこのサイズが主流になると思う」

ダイレクトクランプの前変速機のため、BBまわりは美しいままダイレクトクランプの前変速機のため、BBまわりは美しいまま
ディスクブレーキのクランプ部もステーに一体化。スルーアクスルはもう標準かディスクブレーキのクランプ部もステーに一体化。スルーアクスルはもう標準か
タイヤに記された、27.5の数値タイヤに記された、27.5の数値

 乗ってみると、26インチの軽快さを失わないまま、ホイール径の拡大によって巡行性能が上がっている。ジャンプや、空中でのライン変更なども問題なく行えた。26インチのコントロール性を、27.5インチでも獲得できるジオメトリーであることがよくわかる。

スペシャルエディションスペシャルエディション

 試乗会場には、ユーロバイクで展示された、限定70台のスペシャルエディションも用意されていた。こちらは、軽量のカーボンを使用し、フロント変速なしの11段。ストークの特徴的なBBまわりが、よりすっきりと見える。

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ストークのリアエンドは、とても特徴的。その話は、マーカスのインタビューでストークのリアエンドは、とても特徴的。その話は、マーカスのインタビューで

 今回のブランドキャンプで、ストークの数々のモデルを乗り比べてみた結果、味付けは異なっていても「ストークというひとつの乗り味」が貫かれていることがよくわかった。それは、マーカス・ストークという鬼才の、繊細なまでのこだわりによるものなのだ。


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