国府田正司の「もう1つのツール」 stage4人力で長距離を移動するって素晴らしい! 忘れ癖は継続中…

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 ※日本縦断自転車旅行「ツール ド ネットカフェ2012」に挑戦している“コーチャン”こと国府田正司さんによる連載です。
「ツール ド ネットカフェ2012」公式サイト

前回のステージからつづく)

 ツール・ド・ネットカフェ第3ステージ2日目の朝。

 朝食を食べながら、大切な忘れ物に気づく。Ustream配信用のソフトが入ったUSBメモリだ。

「おこし屋」=岐阜・各務原市。B級グルメ「各務原塩やきそば」がウリ「おこし屋」=岐阜・各務原市。B級グルメ「各務原塩やきそば」がウリ
「各務原塩やきそば」。パサパサしがちな塩やきそばも、甘塩っぱく煮こまれた豚バラ肉のしっとり感で、美味!!「各務原塩やきそば」。パサパサしがちな塩やきそばも、甘塩っぱく煮こまれた豚バラ肉のしっとり感で、美味!!

 自分の不注意さにうんざりしながらも、前日最後に立ち寄った「WAVE岡崎レスパ店」に連絡。USBメモリは、無事保管していただいているとのことだった。引き取りにうかがった後、気を取り直して国道1号線を名古屋方面へ向かう。

 アイシングとマッサージのおかげか、膝と足首の痛みは引いた。大抵のビジネスホテルには、アイスディスペンサーが設置されている。仕事で疲れてホテルに戻った人がおいしいお酒を氷入りのグラスに一杯――というシチュエーション以外に、炎症を鎮めたいサイクリストが即席の氷嚢を作ることもできるのだ。何にせよ、油断は禁物なので、大きな負荷をかけ過ぎないように走る。

 知立市に入ったあたりで北上し、東郷町へ。「プラスカフェ東郷店」が、この日最初の目的地だ。非常にノリの良いスタッフやユーザーとゲームで盛り上がった後、帰りがけにお土産までいただいてしまう。名古屋名物「ういろう」だった。

 「なんともありがたい、これはいい補給食になります!」と謝意を伝えたが、サイクリスト以外にはいまいちピンとこない言い方だったかもしれない。

 ういろうをかじりながら名古屋市へ。名古屋城に近い店では、駆けつけてくれたユーザーからお土産をいただいてしまう。首に巻く冷却用スカーフとベルギー産のビールである。嬉しさのあまり、「ベルギーは実は自転車大国なんですよ!」とまたしても自転車話で興奮してしまった。

◇      ◇

 小牧市で1泊し、3日目を迎える。東海・近畿地方の天気は、この日から悪くなる予報であったが、大外れ。照りつける日差しの中、岐阜県入り。美濃加茂市から木曽川沿いに西へ向かい、本巣市、大垣市と走る。お土産にいただいたスカーフが大変役に立った。

視界一面に広がる琵琶湖。日本一は伊達じゃない視界一面に広がる琵琶湖。日本一は伊達じゃない

 4日目は100kmを超える道のり。中山道で滋賀県へ入り、関が原を越え、琵琶の海へ出る。「急がば回れ」を合言葉に、琵琶湖をグルっと時計回りに南下して守山市と草津市の店を訪問した。

 2件目の「ガオラネット」は、なんと、社長が熱心なサイクリストであった!

「ガオラネット」中野龍夫社長の愛車はピナレロ。ショップで一目惚れし、購入したそうだ「ガオラネット」中野龍夫社長の愛車はピナレロ。ショップで一目惚れし、購入したそうだ

 中野龍夫社長は、還暦を過ぎてから自転車にハマったとのことであったが、乗り始めて半年で鈴鹿のエンデューロレースに出場してしまうなど、パワフルな方。この日も、琵琶湖を半周して戻ってきたということで、お互いサイクルジャージ姿のまま、ゲームやビジネスの話はそっちのけで自転車談義に花を咲かせた。

 晩御飯でも話が盛り上がり、「そろそろお暇を」というところで、私の携帯が鳴った。発信元の表示には、本日1件目の店名…ピーンと来た。

 「國府田さん、バッグ忘れませんでした?」

 やはり…。

 小さいUSBメモリならまだしも、容量35リットルの大きなザックを忘れてしまうとは…。結局、忘れ物を受け取りに、20km余計に走ったのであった。仏の顔も三度。仏様に愛想を尽かされないよう、気をつけねば。

◇      ◇

 最終日となる6月30日。忘れ物がないかしっかり確認し宿を出る。向かうは京都。ネットカフェに向かう前に寄らなければいけない場所があった。東海道の終着地である三条大橋である。

弥次さん喜多さんと記念撮影=京都・三条大橋弥次さん喜多さんと記念撮影=京都・三条大橋

 『東海道中膝栗毛』(十返舎一九)の主人公、弥次さん喜多さんの銅像を見ながら、先人の健脚ぶりに感嘆する。現代では、関東から“自転車で”京都へ、というだけで半ば変人扱いされてしまうが、150年ほど前までは“歩いて”京都に行くのが一般的だったのだ。

 弥次さん喜多さんは、他に選択肢がなかったから、徒歩で京都へ向かった。私たちは、様々な選択肢がある中、自転車で移動する。サイクリストであれば、何かしら理由を見つけて、自転車に乗ろうとする。これってやはり、“変人”なのだろうか。

 交通機関が発達した今だからこそ、人力で長距離を移動することに面白みがある。1カ月で3,000kmを走破するツール・ド・フランスしかり、体力を擦り減らすことと引き換えに得られるこの充足感には、清々しさがある。そんな素晴らしいことをできるのが、自転車というスポーツなのだ。
「ツール ド ネットカフェ2012」公式サイト



国府田正司国府田正司(こうだ まさし)
2008年よりダイエットのためロードバイクに乗り始め、現在では実業団レースなどへ積極的に出場。オンラインゲーム会社「NC Japan」社員。日本全国のインターネット・カフェを巡る企画を思いつき、単身、自転車旅に出る。好きなゲームは「タワー オブ アイオン」、好きな補給食はアンパン。特技は愛娘と特訓した「スマイルプリキュア!」ダンス。1977年生まれ、栃木県在住。

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