RENの益田INAKA行き・輪行鉄道旅<上>青春18きっぷで島根行き輪行の旅 線路は続くよどこまでよ?(汗)

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 僕はREN(本名:小林廉)。20歳からモデルを始め、テレビ、雑誌、WEBなど様々な媒体に登場してきた。自転車好きでもあり、毎月発売される自転車雑誌には、どこかに必ず僕の姿が載っているほどの、自他共に認めるサイクリストだ。

 そして一部の人には知られているけれど、鉄道マニアでもある…。

2013/08/30 朝6:00 東京駅

朝6時過ぎ、東京駅をスタート!朝6時過ぎ、東京駅をスタート!

 眠い眼をこすりながら、JR東京駅の真正面に僕はいた。

 東京から島根への旅。まぁ普通は羽田空港に行って、ANAの飛行機に乗ってバビューンと楽々目的地ですよね?

“鉄人”にはおなじみ、「青春18きっぷ」“鉄人”にはおなじみ、「青春18きっぷ」

 ですが、Cyclist編集部の米山一輝さんから差し出されたチケットは、『青春18きっぷ』。皆さんこの聞き慣れない切符をご存知でしょうか? 「旅客鉄道会社全線(JR線)の普通列車(快速列車も含む)が1日乗り放題となる」という切符なのです。

 今回、鉄道好きを公言している僕・RENが、この切符を使って島根県益田市を目指します。そう、『第2回益田INAKAライド』に参加するために!

 …と簡単に書いていますが、益田市まで全行程在来線の旅。この日の宿泊場所となる山口県・岩国駅への到着予定時刻は22:20。

 線路は続くよどこまでよ?(汗)という気持ちです。

東京~沼津 06:34~08:39

最初に乗ったのはE233系。現行のJR東日本の4扉標準電車だ最初に乗ったのはE233系。現行のJR東日本の4扉標準電車だ

 まずは06:34発「沼津行き 325M」に乗車。車両はE233系5000番台。中央線や京浜東北線を走る車両と兄弟関係にあります。

 ボックスシート(向かい合わせ)とロングシート(線路と平行の長椅子)が混在する一番後ろの車両をチョイス。

 長旅の基本は「端っこ」。輪行袋を担いでの旅は、先頭か最後尾の車両に乗ることをお勧めします。やはり他のお客様に迷惑を掛けてはいけませんからね。

 沼津行きの車内はやや混雑。運よく進行方向の壁にもたれられる場所を確保できました。

 “鉄”な僕からは、あまり多くの人に教えたくはないのですが…ロングシートの場合、このもたれられる位置が一番オススメです。なぜかというと、ブレーキの慣性を壁が支えてくれるから。ここだけの話ですよ!

 普段から見慣れている景色の中を、電車は西へ西へと向かいます。

“壁”にもたれスヤスヤ…“壁”にもたれスヤスヤ…

 停止時の「カックン」を壁に支えてもらってウトウトすると…。あれれれ? 皆降りていく…。気がついたら終点の沼津に到着していました。

 今回は、自転車と共に移動しているので、スムースに乗り降りできません。手すりに自転車を括り付けているので、急に扉が開くと焦ります。寝ぼけまなこで下車の準備です。

 「青春18きっぷ」的な正しい旅の進めかたは、下車駅の一駅前に準備を整えておき、発車番線を伝えてくれる車内放送に全神経を傾けましょう(笑)。スムースな乗り換えが、旅の生命線です。

沼津~島田 08:55~10:19

 お隣のホームで無情にも発車ベルが鳴り響いています。そして乗ろうとしていた「浜松行き 745M」が発車。予定の列車に乗れませんでした…。焦って列車案内の掲示板を見落とし、ホームを間違えてしまったのです。

 でも慌てません。東海道線は運転本数が多いので、次の列車に乗ればいいだけのこと。まだ旅は始まったばかりです。

 お次の列車は「島田行き 747M」。島田で「浜松行き 749M」に乗り換えます。サクサクと先を急ぎましょう!

島田~浜松 10:28~11:14

 あぁああぁ、きてしまった…。

 211系3両編成…。

 車端から車端までロングシートで構成された客車は、運転席後ろのパネルに自転車を括り付けて使うことができない座席配置! 輪行野郎殺しです。

 やや混んでいることもあり、車いすスペースまで移動するには気が引ける…。どうやっても自転車を自立させることが不可能な状態なので、ここは手で保持するしかない。

 これは辛い…。白目を剥いてゾンビになるしかありません。

 ゾンビタイム46分。次の乗り換え駅・浜松に到着です。

浜松~豊橋 11:20~11:54

 車両は変わってもまたロングシート…。延々と通勤電車に揺られている状態です。お弁当とお茶を広げて…なんて旅情は一切ありません。走っている路線は、花の東海道線。太平洋ベルト地帯の背骨を支える、日本の大動脈なのです。

JR東海313系電車。普通列車から特別快速まで幅広く活躍する東海の標準車。写真はロングシートの普通車バージョンJR東海313系電車。普通列車から特別快速まで幅広く活躍する東海の標準車。写真はロングシートの普通車バージョン
浜名湖のそばを通る。長かった静岡県とも、ようやくサヨナラ浜名湖のそばを通る。長かった静岡県とも、ようやくサヨナラ
輪行袋はトイレ横の車椅子スペースに輪行袋はトイレ横の車椅子スペースに

 それにしても静岡県は長い…。高速で突っ走る東海道新幹線の線路の脇をを、在来線は左右へ蛇行しながら進みます。鮮やかに抜き去っていく「のぞみ号」を見ると、カッコいいと思うと同時に、自分が止まっているかのようです。

 ゾンビタイム34分(笑)。ようやく愛知県に入り、豊橋で乗り換えです。

豊橋~大垣 12:03~13:31

同じ313系でも快速バージョンは、待ちわびた転換クロスシート!同じ313系でも快速バージョンは、待ちわびた転換クロスシート!

 快速電車「大垣行き 2523F」キターーーーーー!

 この瞬間を待ち望んでいました。ついに転換クロスシートをゲットです。電車の椅子をゲットするのがこんなに嬉しいことだったなんて(泣)。

 早速、自分のお店でもある「ミックちゃんrestaurant」のお弁当を広げます。が、中身が盛大に片寄っています…。料理長ゴメン、そして、ありがとう…。

313系5000番台は、車体間ダンパーやセミアクティブサスペンション、全転換クロスシートなどを装備する313系5000番台は、車体間ダンパーやセミアクティブサスペンション、全転換クロスシートなどを装備する
持参したお弁当は、ここまでの旅で見た目残念な感じに…持参したお弁当は、ここまでの旅で見た目残念な感じに…

 ここで大きなサプライズ! 大府駅で、なんと愛三工業レーシングのナカジーこと、中島康晴選手が駆けつけてくれました!

 ナカジーはスポーツマッサージを受けにいく途中だったらしく、メールを送ってきてくれたのでした。ありがたいことに、お茶とお菓子を差し入れてくれました。嬉しい! 泣けるぜ!

愛三ナカジー選手がサプライズ登場! 差し入れも『鉄』分たっぷり!愛三ナカジー選手がサプライズ登場! 差し入れも『鉄』分たっぷり!

 中島選手は自転車業界でも有数の鉄道マニアなのです。

 ナカジー「自転車と電車を絡めたイベント、やりたいですね〜」

 REN「そうだね〜。寝台列車とかで移動できたら最高だよね〜」

 いつもはサイクルジャージを身にまとっている2人ですが、今日は普段着。話の内容を聞けば、ただの鉄道オタク2人旅です。

中京圏は快速列車が充実。ハイスピードで飛ばしていく中京圏は快速列車が充実。ハイスピードで飛ばしていく

 そんなこんなで夢を膨らませつつ、快速電車は快調に飛ばします。一緒に乗ったのは短い時間だったけれど、再会の約束をして、中島選手はマッサージを受けるために途中下車。そして電車はついに大垣駅へ到着! かの有名な「大垣夜行」の終着駅です。

 東京駅を出発して約7時間。名古屋都市圏の西端に到着です。エスカレーターの立つ位置が変わる境界の駅としても有名ですよね。でも休む暇はありません。

大垣~米原 13:42~14:17

 13:42発「米原行き 229F」各駅停車に乗車。これまでの住宅街が連続していた車窓がガラッと変わり、木々の中を電車は登っていきます。

 そう、ここは関ヶ原。そして、冬には東海道新幹線にたびたび運行障害が発生する“東海道の豪雪地帯”を駆け抜けます。次の終着駅・米原では、新快速が待っています。

米原~野洲 14:20~14:45

 新快速「姫路行き 3475M」は、JR西日本の223系車両。関西圏ではお馴染みの俊足列車ですね。在来線特急と同じ130km/hでビュンビュンと走ります。

 ですがこの列車は姫路止まり。その先の相生まで行くために、野洲駅で後続の新快速「播州赤穂行き 3477M」に乗り換えます。

野洲~相生 15:00~17:26

JR西日本225系。衝突安全性能を重視しているため、“顔”は少々味気なくなってしまったJR西日本225系。衝突安全性能を重視しているため、“顔”は少々味気なくなってしまった

 おっと! 最新車両の225系だ。

 最新車両はどの鉄道会社も味気ないデザインだったりしますが、乗り心地は確実に進化していきます。ちょっとマニアックな話をすると、ボルスター台車のほうが何となく心地よい揺れです。

 長い時間乗車することがわかっているので、邪魔にならないうちはバイクを車椅子スペースへ置かせてもらうことに。野洲駅を15:00に出発、ここから約2時間半で相生へ到着です。

 新快速電車はビルの間を、そして郊外の住宅街を通って、都市圏を結びます。市街地の通過駅のホームを高速で駆け抜ける興奮はジェットコースター以上? 関西の新快速の醍醐味です。

 そして主要ターミナルに滑り込む! 大きな屋根が掛かった大阪駅の近未来感は、特筆すべきものがありますね。

225系の車内。私鉄と競争の激しい京阪神区間を走るため、クオリティは高い225系の車内。私鉄と競争の激しい京阪神区間を走るため、クオリティは高い

 関西圏に入って俄然、車窓の景色を見るのが楽しくなってきました。並ぶ建物の雰囲気が明らかに違うのです。建築物がとなり同士で密接している、何とも言えない関西風味が心地よかったりします。

 新快速は定刻通りに疾走。神戸からは東海道本線に別れを告げ、山陽本線へ突入です。右側の窓にどんどんと山が近づいてきます。須磨駅を越えると、景色が急にガラッと変わり、ダイナミックな海岸線を楽しめます。

 そして見えてきたのは「明石海峡大橋」。世界最長の吊り橋の存在感は、やはり別格です。

 そろそろ夜の足音が近づき、周りの乗降客は家路へと向かう時間です。

 転換クロスシートは、やはり長距離移動に適していますね。乗り心地が良いので少しウトウトと…。そして相生駅に到着。乗っていた列車は、赤穂線播州赤穂行きとなるので、さぁ降りましょう(今度は寝過ごさずに)。

相生~岡山 17:28~18:39

JR西日本115系。西日本では国鉄時代からの車両も、まだまだ本線系で活躍中。車両は外装・車内ともバージョンアップされているJR西日本115系。西日本では国鉄時代からの車両も、まだまだ本線系で活躍中。車両は外装・車内ともバージョンアップされている

 お次は「岡山行き 1331M」普通列車。昭和ノスタルジー全開の115系だ。直流直巻電動機MT54(モーター)の唸りが、高校生時代を思い出させます。

 相生駅を18:39に発車。ここまで、ちょうど12時間を列車内で過ごしたことになります。

 国鉄時代から聞き慣れた、かなり大きめのモーター音。そして抵抗制御(モーターに掛かる電圧を変える機械。今はインバーターが主流)独特の、カクカクとした段つきのある加速―。それまでの疲れもあり、また眠りの中へと落ちていきました。あぁ、旧型の車両で寝る喜び…。

 …。

 そう言えば、お腹が減ってきましたよ。どの駅で乗り換えても、列車は3分ほどで出発。自転車を抱えての移動なので、駅の売店に寄ることもできず、食料を調達できません。

 さっそく、中島康晴選手が持ってきてくれたお菓子とお茶に手を伸ばします。あぁなんて美味しいのだ…。

 空腹はなかなか満たされず、パクパクと調子に乗って3袋目へ。しかしお菓子の味は濃いめの設定なので、最初は心地よいけれど、そのうち盛大に飽きてしまった…(ナカジーゴメンw)。食べかけのお菓子をそそくさとバックに戻しました。青春18切符で輪行するときには、食料を大量に買い込んでおくことをオススメします(汗)。

岡山~岩国 18:40~22:20

 辺りは真っ暗。遠くに見える明かりをぼんやりと眺めていると、岡山駅に到着。

 さぁ、この日最後の列車「岩国行き 381M」です。こちらの車両も115系。この列車にあと3時間40分乗車します。“鉄”分過多で血が濃くなってきました。暗闇の中を淡々と進みます。

扉横、クロスシートの端に輪行袋を括り付ける。車内は転換クロスシートに更新されている扉横、クロスシートの端に輪行袋を括り付ける。車内は転換クロスシートに更新されている

 115系と言えど、国鉄時代からそのまま走り続けていた訳ではなく、窓が開かないものに変更されたり、シートが新しくなったりと変更が加えられ、少しだけ快適になっています。

 あ、でも乗降ドアは改造前と一緒。すれ違う列車の風圧で「バコン!」と音をたて、寝ている人を起こしてしまうのはご愛嬌です。

 列車は山陽本線最大の難所といわれる瀬野駅―八本松駅間の峠、通称「セノハチ」に差し掛かりました。峠の西側、つまり広島側から岡山方面へ向かう上り坂は急勾配で、貨物列車は補機(助っ人機関車)を使用しないと上れません。しかしこの日乗車していた115系は反対方向へ走っているので、約10kmの急勾配を駆け下りていきます。

岩国駅に到着

 そして、22:20に岩国駅へ到着。本当に長旅でした。

ついに岩国駅に到着。およそ16時間の旅でしたついに岩国駅に到着。およそ16時間の旅でした

 腹が減って震えています。電車に乗っていてハンガーノックになったのは初めてです!(笑)

 駅近の閉店間際の居酒屋に滑り込み、冷えたビールで、今日の旅に乾杯です。少し飲んだだけで、気持ちがいい…。

 ベッドに横になっても電車で揺られている感覚…。でも、鉄にはこの揺れが心地よかったりします(笑)。

小林廉小林 廉(こばやし・れん)/REN
数々のCM・雑誌・ファッションショーで活躍するトップモデル。08年より本格的にスポーツサイクルに乗り始める。雑誌の連載でMTBの乗り方・楽しみ方を教わり、MTBに魅了される。12年より日本マウンテンバイク協会公認インストラクターとしての活動を開始。身長188cm、体重74kg。東京都在住。オフィシャルブログ「RENのすすめ

 

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