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つれづれイタリア~ノ<11>世界選手権だ、全員集合! 学校は休校、自転車競技の祭典を迎えるフィレンツェの取り組み

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 9月27日現在、ロード世界選手権の真っただ中です。2013年は21日から29日までイタリアで開催され、今週の日曜日には、自転車ロードレース競技におけるチャンピオンの中のチャンピオン――アルカンシェルジャージを着ることのできる最強の選手が選ばれます。

 パオロ・ベッティーニ、マリオ・チポッリーニ、カデル・エヴァンス、マーク・カヴェンディッシュ…多くの名選手はこの日のためにワンシーズンの参戦カレンダーを変えるぐらい、重要なイベントです。

 

世界選手権の最多開催国、イタリア

直前の世界選手権イタリア開催は2008年のヴァレーゼ直前の世界選手権イタリア開催は2008年のヴァレーゼ

 自転車競技世界選手権は1921年に始まり、そのうち11回はイタリアで開催されました。今年12回目を迎えるイタリアは、その他の開催国の中で最多の数です。自転車競技はイタリアの文化やイタリア人のマインドにおいて大きな意味を持ち、全国民は世界選手権開催のためには惜しみなく協力すると言って過言ではありません。

■イタリアでの世界選手権開催年

1932年 ローマ
1951年 ヴァレーゼ
1955年 フラスカーティ
1962年 サロ
1968年 イモラ
1972年 オストゥーニ
1985年 ジャヴェラ・デル・モンテッロ
1994年 アグリジェント
1999年 ヴェローナ
2004年 ヴェローナ
2008年 ヴァレーゼ
2013年 フィレンツェ

■他の主な国での開催回数

スイス: 10回
フランス: 9回
ベルギー: 9回
ドイツ: 8回
オランダ: 8回
デンマーク: 6回
スペイン:6回
日本(栃木県宇都宮市、1990年):1回

 今年の世界選手権はトスカーナ州の5つの都市にまたがって行われています。多くの自転車プロが多く滞在するルッカ市、生地の街プラート市、鉄道産業のピストイア市、温泉地のモンテカティーニ市、そして花の都フィレンツェ市。7日間にわたって150万人の来場者が見込まれています。

 

市民が一丸となって取り組む経済振興

世界選手権の垂れ幕の前に立つマルコ・ファヴァロさん世界選手権の垂れ幕の前に立つマルコ・ファヴァロさん

 経済効果は絶大で、経済危機に苦しんでいるイタリアにとっては、「空から降ってきた大きなビジネスチャンス」のようにもとらえられているんですよ。

 フィレンツェ副市長は、「世界選手権は大きな祭りです。我々はある程度、不便に耐えることで、フィレンツェ市に大きな利点をもたらすことができると信じています」と市民に向けて呼びかけました。その結果、多くの方々は賛同し、ボランティアの定員数が5倍を超えるほどの募集がありました。

 もちろん、道路を1週間にわたって占拠する大きなイベントが与える影響も少なくありません。レース開催と試走時間に合わせて大規模な通行止めが行われる上、駐車禁止地域が増えるので、市民に大きな負担を与えます。バス路線は変更され、ゴミ出しも制限されます。誰でも知っているイタリアが誇るイベントにも関わらず、市の関係者が定期的に説明会を開き、市民たちに理解を求め続けていたのは印象的でした。また通行止め区間・期間などの詳細な情報が、まとめて市のウェブサイトにきちんと掲載されています。

 

フィレンツェ市が公開しているPRムービー

開催期間中の市民生活~フィレンツェと周辺都市

 世界選手権が行われる1週間前からは、各地で市民向け関連自転車競技レースや特売市が開催されています。多くのレースがスタートするルッカ市では、メイン広場のひとつであるピアッツァ・デル・ジリオにて大きな自転車関連グッズ市が設けられています。

ドイツからアルプスを越えフィレンツェまでやってきたドイツ人サイクリストドイツからアルプスを越えフィレンツェまでやってきたドイツ人サイクリスト
フィレンツェのショップに並んだ“非公式”応援Tシャツフィレンツェのショップに並んだ“非公式”応援Tシャツ

 フィレンツェにおいては、ゴール付近とその近隣の商業施設ではフリーのWi-Fiスポットが設置され、誰でも無料でインターネットを使うことができます。また多くのボランティアのために、ホテルやユースホステルが用意され、街は一気に賑やかになっています。

世界選手権男子エリートの応援も白熱するイタリアの観客(2008年)世界選手権男子エリートの応援も白熱するイタリアの観客(2008年)

 ジロ・デ・イタリアでもなかった画期的なことは、フィレンツェ市副市長スポーツ担当のステファニア・サッカルディの提案により、23日~26日の授業は午前で切り上げ、27日と28日はレース観戦のため学校を臨時休校とするとした決定です。コース沿いにある全小・中・高等学校が対象で、全生徒がレース観戦を可能にした前人未到の取り組みとなりました。

 気が早いですが、来年の開催国はスペイン、2015年は米国、2016年はカタール! 2017年は日本に来るでしょうか? そうなるように、おおいに期待したいですね。

マルコ・ファヴァロMarco FAVARO(マルコ・ファヴァロ)
イタリア語講師。イタリア外務省のサポートの下、イタリアの言語や文化を世界に普及するダンテ・アリギエーリ協会で、自転車にまつわるイタリア語講座「In Bici」(インビーチ)を担当する。サイクルジャージブランド「カペルミュール」のモデルや、Jスポーツへ「ジロ・デ・イタリア」の情報提供なども行なう。東京都在住。ブログ「チクリスタ・イン・ジャッポーネ

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