ブエルタ・ア・エスパーニャ2013 第21ステージ41歳ホーナーが史上最年長でグランツール総合優勝 マドリード市街地スプリントはマシューズが制す

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 ブエルタ・ア・エスパーニャは15日、最終の第21ステージが行われ、ゴールスプリントを制したマイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)がステージ優勝。今大会2勝目を挙げた。総合首位のクリストファー・ホーナー(アメリカ、レイディオシャック・レオパード)は、集団内でゴール。自身初めての3大ツール総合優勝を成し遂げた。

総合表彰台(左から)2位のニバリ、総合優勝のホーナー、3位のバルベルデ総合表彰台(左から)2位のニバリ、総合優勝のホーナー、3位のバルベルデ

 8月24日にイベリア半島北東部の街、ビラノーバ・デ・アロウサで開幕したブエルタは、途中でアンドラ公国やフランスへと入国しながら、おおよそ反時計回りでスペイン本土を巡った。そして、3週間を締めくくるのは、恒例のマドリード市街地でのスプリントバトルだ。

 開幕時から53選手が大会を去り、この日レガネスをスタートしたのは144選手。マドリード郊外を一周したのち市内に入る109.6kmの道のりのうち、半分ほどがパレード走行状態で過ぎていった。総合首位の証であるマイヨロホを確定的にしたホーナーや、ポイント賞のプントスを着るアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム)などが、バイクカメラに愛嬌をふりまくなど、前日までの壮絶な戦いから一転し、充実感のあるリラックスした表情を見せた。

マドリードの市内を走るプロトンマドリードの市内を走るプロトン

 マドリード市街地の周回コースは、1周5.7kmを8周する。まずは、ホーナー擁するレイディオシャック・レオパードが隊列をなして先頭で入っていく。その後、集団の先頭はエウスカルテル・エウスカディに交代。バスク自治州の自転車基金が立ち上げたバスク人のためのチームは今年、19年の歴史に幕を閉じる。これまでの活躍と功績に対してプロトン全体が敬意を表した。来年は、F1ドライバーのフェルナンド・アロンソがオーナーを務める新チームとなって、ブエルタに戻ってくる予定だ。

 レースが“本格スタート”を切ったのは、2周目から。今大会たびたび逃げに乗ったフランシスコハビエル・アラメンディア(スペイン、カハ ルラル)が飛び出した。その後、アレッサンドロ・ヴァノッティ(イタリア、アスタナ プロチーム)が合流し、2選手がしばらく先行した。

周回コースで逃げたアラメンディアとヴァノッティの2選手周回コースで逃げたアラメンディアとヴァノッティの2選手

 最大で40秒程度までリードした2人だが、メーン集団も徐々にペースを上げて追撃態勢を整え始める。残り15kmを切ってヴァノッティが踏み直して集団との差を広げようと試みるも、ラスト1周となって逃げていた2人は吸収されてしまった。

 いよいよスプリント態勢へと突入。スカイ プロサイクリングのトレインが前方へ上がると、集団のペースが一気に上がる。ガーミン・シャープやオリカ・グリーンエッジ、チーム アルゴス・シマノなども人数を揃えて前方へ。結局、どのチームも主導権を握ることができないまま、混沌とした状態でラスト1kmのフラムルージュを通過する。

 ここからもバルトス・フザルスキー(ポーランド、ネットアップ・エンデューラ)や、フアンアントニオ・フレチャ(スペイン、ヴァカンソレイユ・DCM)がアタックを見せたが、スピードの上がる集団に太刀打ちすることができない。そして、チーム アルゴス・シマノトレインを先頭に最終コーナーを抜け、スプリントを開始。

 真っ先に仕掛けたのは、4番手につけていたタイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・シャープ)。しかし、混戦のスプリントを圧倒的な力でねじ伏せたのは、ここのところ絶好調のマシューズだった。ファラーの前に位置取り、ライバルたちの動きを計りながら加速を開始。1人、格の違いを見せての勝利は、第5ステージ以来の2勝目。この日、9月下旬に行われる世界選手権のオーストラリア代表入りが発表され、モチベーションが上がっていたようだ。

最終ステージ、マドリードの集団ゴールを制したのはマシューズ最終ステージ、マドリードの集団ゴールを制したのはマシューズ

 そして、総合優勝はホーナーの手中に収まった。41歳と326日での総合優勝は、1994年に33歳でブエルタを制したトニー・ロミンゲル(スイス)の最年長記録を更新しただけでなく、1922年に36歳でツール・ド・フランスを制したフィルマン・ランボー(ベルギー)をも大きく上回る3大ツール史上最年長記録となった。1995年にプロキャリアをスタートさせたホーナーは、スペインを拠点としていた時期が長かったこともあり、表彰式でのスピーチはスペイン語で感謝の言葉を述べた。沖縄県生まれと、日本にゆかりがあることから、日本人ファンも多い。10月開催のジャパンカップサイクルロードレースにも来日参戦が予定されている。

 総合表彰台は、最後までホーナーとマイヨロホを争ったヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、アスタナ プロチーム)が37秒差の2位。バルベルデが1分36秒遅れの3位に入り、同時にポイント賞のプントスも獲得した。その他各賞は、山岳賞のモンターニャをニコラ・エデ(フランス、コフィディス ソリューションズクレジッツ)が初受賞。複合賞のコンビナダはホーナーが獲得。チーム総合は、エウスカルテル・エウスカディが受賞し、有終の美を飾った。

 2013年の3大ツールはすべて終了。ベテランから若手まで、それぞれに持ち味を発揮したブエルタとなった。そして、残りのシーズンは秋のクラシックなどワンデーレースが中心に。特に、開幕が1週間後に迫った世界選手権ロードレースには、ブエルタ参戦組の出場が多数見込まれており、スペインでの勢いをそのままに、マイヨ・アルカンシエルをかけた戦いへと向かう。

(文 福光俊介/写真 砂田弓弦)

第21ステージ結果
1 マイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) 2時間44分0秒
2 タイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・シャープ) +0秒
3 ニキアス・アルント(ドイツ、チーム アルゴス・シマノ) +0秒
4 ジャンニ・メールスマン(ベルギー、オメガファルマ・クイックステップ) +0秒
5 マクシミリアーノ・リケーゼ(アルゼンチン、ランプレ・メリダ) +0秒
6 グレガ・ボレ(スロベニア、ヴァカンソレイユ・DCM) +0秒
7 アドリアン・プティ(フランス、コフィディス ソリューションズクレジッツ) +0秒
8 レイナールト・イョンスファンレンスブルフ(南アフリカ、チーム アルゴス・シマノ) +0秒
9 フランチェスコ・ラスカ(イタリア、カハ ルラル) +0秒
10 ロベルト・ヴァーグナー(ドイツ、ベルキン プロサイクリングチーム) +0秒

個人総合(マイヨロホ)
1 クリストファー・ホーナー(アメリカ、レイディオシャック・レオパード) 84時間36分4秒
2 ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、アスタナ プロチーム) +37秒
3 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) +1分36秒
4 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ チーム) +3分22秒
5 ニコラ・ロッシュ(アイルランド、チーム サクソ・ティンコフ) +7分11秒
6 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、アージェードゥーゼル ラモンディアル ) +8分0秒
7 ティボー・ピノ(フランス、FDJ.FR) +8分41秒
8 サムエル・サンチェス(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ) +9分51秒
9 レオポルド・ケニッグ(チェコ、ネットアップ・エンデューラ) +10分11秒
10 ダニエル・モレーノ(スペイン、カチューシャ チーム) +13分11秒

ポイント賞(プントス)
1 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) 152 pts
2 クリストファー・ホーナー(アメリカ、レイディオシャック・レオパード) 126 pts
3 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ チーム) 125 pts

山岳賞(モンターニャ)
1 ニコラ・エデ(フランス、コフィディス ソリューションズクレジッツ) 46 pts
2 クリストファー・ホーナー(アメリカ、レイディオシャック・レオパード) 32 pts
3 ダニエーレ・ラット(イタリア、キャノンデール プロサイクリング) 30 pts

複合賞(コンビナーダ)
1 クリストファー・ホーナー(アメリカ、レイディオシャック・レオパード) 5 pts
2 ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、アスタナ プロチーム) 13 pts
3 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) 17 pts

チーム総合
1 エウスカルテル・エウスカディ 253時間29分35秒
2 モビスター チーム +1分02秒
3 アスタナ プロチーム +1分30秒

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