ツール・ド・北海道2013 第1ステージゴール手前、小集団から飛び出したチームNIPPO・デローザのピニツォットがステージ勝利

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 秋の北海道が舞台の3日間のステージレース、「ツール・ド・北海道」(UCI2.2)が9月14日開幕した。第1ステージは、ゴール手前で10人の集団から飛び出したレオナルド・ピニツォット(イタリア、チームNIPPO・デローザ)が、チーム全員を集団に送り込んだブリヂストンアンカーを抑えて勝利を遂げた。

ゴールスプリントを仕掛けるレオナルド・ピニツォット(チームNIPPO・デローザ)ゴールスプリントを仕掛けるレオナルド・ピニツォット(チームNIPPO・デローザ)

 第1ステージのコースは、スキー場「ニセコグラン・ヒラフ」をスタート・ゴール地点として、アップダウンに富んだ羊蹄山の周りを大きく回る180km。近年はウィンタースポーツだけでなく、サイクリングや登山ポイントとしても人気の高いニセコ・倶知安(くっちゃん)エリアだ。今大会の最長距離、獲得標高は約2800mとあって、参加選手100人中、25人がタイムアウトで失格という初日から厳しいレースとなった。

序盤からアタックをしかけ、レースを動かした阿部嵩之(チームUKYO)。山岳賞ジャージを獲得した序盤からアタックをしかけ、レースを動かした阿部嵩之(チームUKYO)。山岳賞ジャージを獲得した

 今にも降り出しそうな灰色の空の下でスタートすると、序盤に地元北海道出身の阿部嵩之(チームUKYO)が単独でアタック。そこにカール・エヴァンス(オーストラリア、バジェット・フォークリフト)が合流し、2選手が先行する。阿部はレース後に「早めに動いて展開を見たかったけど、他のチームが付いてこなかった。2人でゴールまで逃げるのは厳しいと思ったが、飛び出したからには山岳賞を狙った」と話したとおり、2つの山岳ポイントをともにトップで通過し、山岳賞ジャージを獲得した。

 メーン集団から追走がかかり、レース中盤では13人の大きな先頭グループが形成。清水都貴(ブリヂストンアンカー)、西村大輝(シマノレーシング)、福島晋一(チームNIPPO・デローザ)、西谷泰治(愛三工業レーシング)ら、有力なメンバーが揃っていたため、この逃げが決まったように思われた。最大で1分50秒程度のタイム差は、チームUKYOが牽く集団に吸収され、レースは振り出しに戻った。

 そこから清水都貴、鈴木譲(シマノレーシング)が逃げるも、やがて吸収。ゴールまで約20km、長い上りの後に続いた横風区間で、集団の分裂を図ったブリヂストンアンカーが先頭を固める形で加速を開始した。これにより先頭集団は10人に絞られ、ブリヂストンアンカーはチーム全員が残る好条件となった。

 ところが、ゆるい上りが続くゴール前で、グングンと伸びるスプリントを披露したのは、ピニツォット。逃げ集団に食い込んだピニツォットが嬉しいステージ優勝を挙げ、リーダージャージも獲得した。

 ステージ優勝を挙げたレオナルド・ピニツォットと、ステージ4位でゴールした中根英登(チームNIPPO・デローザ)が喜びを分かち合った ステージ優勝を挙げたレオナルド・ピニツォットと、ステージ4位でゴールした中根英登(チームNIPPO・デローザ)が喜びを分かち合った
先頭集団後方でゴールするブリヂストンアンカーの選手たち先頭集団後方でゴールするブリヂストンアンカーの選手たち

 ピニツォットはレース後、「今日はお腹を壊していて大変だったんだ。だから勝てたことはサプライズだし、とても嬉しく思う。コースを試走していたこと、あと監督がよく勝負どころを説明してくれていたおかげで勝てた。明日からのステージも厳しいコースなので、ジャージを守るのは大変だけど、チームのキャプテンである福島晋一を中心にして、みんなで力を合わせて頑張りたいと思う。明日のために今すぐにでも寝たいよ!」とコメントした。

左から2位のヴィセンテ・ガルシア、ステージ優勝を挙げたレオナルド・ピニツォット、3位のホセ・ヴィセンテ左から2位のヴィセンテ・ガルシア、ステージ優勝を挙げたレオナルド・ピニツォット、3位のホセ・ヴィセンテ

 ステージ優勝はならなかったものの、10人の先頭グループに全選手が乗ったブリヂストンアンカーは、明日からのステージで有利な展開になる。総合最高位は清水都貴が12秒差の5位。チーム総合順位はもちろん1位だ。チームの水谷監督は「コースを試走していて、あの場所で横風が吹くのはわかっていたので、それを使って攻撃し、自分たちの作戦どおりになった。ミヤタカの脚を使ってしまい、最後でステージを取れなかったことは残念だけれど、明日からのコースもよく熟知しているので状況が悪くなればなるほど、自分たちに有利な展開になると思う。いろいろなことを考えて、1つずつ自分たちのコマを進めていきたいと思う」と初日ステージを振り返った。

 ブリヂストンアンカーの作戦が決まり、鋭い勝負勘をもつピニツォットがステージ優勝を挙げた第1ステージ。10人の先頭グループに入れなかったチームにとっては、約1分ほどのタイム差がつき、総合優勝するのは少し厳しい展開となってしまった。明日の第2ステージは風が想定される海沿いの道を北上して南下する。途中にアップダウンもあるが、距離は132kmと長くはない。「失敗したら、それを取り返せないコース」「じつは最も難しいステージになるかも」といった声が聞かれているが、いずれにしても、動きのある展開になるだろう。

ベルギー籍のコンチネンタルチーム、コルバ・スペラーノハムに所属する竹之内悠がチームメイトを引き連れて参戦。8月から研修生として走る小石祐馬も出場しているベルギー籍のコンチネンタルチーム、コルバ・スペラーノハムに所属する竹之内悠がチームメイトを引き連れて参戦。8月から研修生として走る小石祐馬も出場している
シンガポールから参戦するOCBCシンガポール。若い選手とスタッフでアジアのサーキットを転戦している。曇り空でも日焼け対策は怠らないシンガポールから参戦するOCBCシンガポール。若い選手とスタッフでアジアのサーキットを転戦している。曇り空でも日焼け対策は怠らない
会場に集まった子どもたちがピニツォットと記念撮影する。海外からの観光客も多いニセコで、子どもたちは流暢な英語を話した会場に集まった子どもたちがピニツォットと記念撮影する。海外からの観光客も多いニセコで、子どもたちは流暢な英語を話した

 なお、大会趣旨のひとつである「青少年育成」を受けて、各チームには可能なかぎり25歳以下の選手を中心としたチーム編成がリクエストされた点。またこれによって、これまで23歳未満の選手に与えられていた新人賞は廃止となった。

(レポート・写真 田中苑子)

第1ステージ結果
1 ピ二ツォット・レオナルド(チームNIPPO・デローザ) 4:36’27”
2 ガルシア・ヴィセンテ(マトリックスパワータグ) +0
3 ヴィセンテ・ホセ(チームUKYO) +0
4 中根英登(チームNIPPO・デローザ) +0
5 アンダーソン・ジョン(バジェット・フォークリフト) +0
6 清水都貴(ブリヂストンアンカー) +5″

個人総合成績
1 ピ二ツォット・レオナルド(チームNIPPO・デローザ) 4:36’17”
2 ガルシア・ヴィセンテ(マトリックスパワータグ) +4″
3 ヴィセンテ・ホセ(チームUKYO) +6″
4 中根英登(チームNIPPO・デローザ)) +10″
5 清水都貴(ブリヂストンアンカー) +12″
6 アンダーソン・ジョン(バジェット・フォークリフト) +15″

個人総合ポイント賞
1 ピ二ツォット・レオナルド(チームNIPPO・デローザ) 25 pts

個人総合山岳賞
1 阿部嵩之(チームUKYO) 15 pts

チーム総合
1 ブリヂストンアンカー 13:49’56”
2 チームNIPPO・デローザ +33″
3 マトリックスパワータグ +1:31″

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