ブエルタ・ア・エスパーニャ2013 第18ステージキリエンカが残り45kmからの独走で逃げ切り優勝 総合争いはホーナーが首位ニバリに3秒差へ肉薄

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 ブエルタ・ア・エスパーニャは12日、第18ステージが行われ、逃げ集団から抜け出し残り45kmから独走したヴァシル・キリエンカ(ベラルーシ、スカイ プロサイクリング)がステージ優勝。総合争いでは、クリストファー・ホーナー(アメリカ、レイディオシャック・レオパード)がライバルに対して20秒以上の差をつけ、マイヨロホのヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、アスタナ プロチーム)とのタイムを3秒差まで縮めた。

最後の上りで苦しむニバリ最後の上りで苦しむニバリ
2009年のジロで崖から70m落下し、選手生命を絶たれたオリリョ(右)とフレチャ2009年のジロで崖から70m落下し、選手生命を絶たれたオリリョ(右)とフレチャ

 今大会の雌雄を決する難関山岳3連戦の初日は、ブルゴスからペーニャ・カバルガまでの186.5km。3つの3級山岳、続いて2級の山岳を越え、最後に登坂距離5.9km、平均勾配9.2%、最大勾配20%という1級山岳の山頂ゴールが待っている、難易度の高いステージだ。

 レース序盤に15人が逃げを形成。メーン集団は、総合3位のアレハンドロ・バルベルデ(スペイン)を擁するモビスター チームがコントロールした。一時はトップとメーン集団の間に最大で約10分のタイム差がついたが、90km地点を過ぎた頃から徐々に縮まり始める。3つの3級山岳では、アメツ・チュルカ(スペイン、カハ ルラル)がトップで通過し、山岳賞争いで3位タイにまで浮上した。

単独でゴールを目指すキリエンカ単独でゴールを目指すキリエンカ

 逃げ集団が2級に入ると、残り45kmからキリエンカがペースアップし、複数の選手がちぎれ始めた。一度はサイモン・クラーク(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)やアダム・ハンセン(オーストラリア、ロット・ベリソル)がチェックに入ったものの、すぐに離されてしまう。次に、2人に代わって、エゴイ・マルティネス(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ)、アンヘル・ビシオソ(スペイン、カチューシャ チーム)、クリスアンカー・ソレンセン(デンマーク、チーム サクソ・ティンコフ)といった面々が追走を試みるが、差は縮まるどころか広がるばかり。逃げ集団のなかでも実力のある選手たちが、後ろに付くことも追い上げることもできず、キリエンカが独走に入った。

 キリエンカは、メーン集団に約6分差をつけて、残り35km地点の2級山岳を1位通過。その後は30km近い下り基調が続くとはいえ、単独走であること、最後が頂上ゴールであることを考えると、追走やメーン集団に追いつかれる可能性のあるタイム差だ。しかし、追走集団よりも速く下り、メーン集団も無理に追わなかったため、6分の差を保ったまま1級山岳の上り口に到達。この時点で逃げ切りが濃厚になった。

ニバリとの差を3秒にまで詰めたホーナーニバリとの差を3秒にまで詰めたホーナー

 メーン集団が1級に入ると、2人のアシストを受けてホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ チーム)が最初に仕掛けた。これにはホーナーとニバリが付いていくが、アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム)、ニコラ・ロッシュ(アイルランド、チーム サクソ・ティンコフ)らは、やや離された。ロドリゲスのアタックを潰すと、今度はホーナーがペースアップ。ロドリゲスが遅れ、食い下がるニバリも次第に離されていく。ホーナーにチャンスが訪れた。

 単独先頭のキリエンカは、20%の勾配も力強く上りきり、見事なステージ優勝。ツール・ド・フランスでは第9ステージでリタイアという不本意な結果に終わったが、他を圧倒するような勝利で、スカイのアシスト陣がもつ実力を改めて見せ付けた。これで、ジロ・デ・イタリアでの2勝に加えてグランツール3勝目。スカイにとっても、エースが総合争いから脱落し、ステージ未勝利という状況において、起死回生の勝ち星となった。

表彰台に立つ区間優勝者キリエンカ表彰台に立つ区間優勝者キリエンカ

 キリエンカから遅れて追走の選手がゴールしていくなか、ホーナーが1分53秒遅れの6位でゴール。苦しむニバリは、ゴール目前でロドリゲスとバルベルデにも抜き去られ、2分18秒遅れでのゴールとなった。ホーナーとは25秒の差がついたため、総合ではついに3秒差にまで縮まった。山岳ステージを2つ残し、優勝争いはさらに白熱してきた。

(文 平澤尚威/写真 砂田弓弦)

第18ステージ結果
1 ヴァシル・キリエンカ(ベラルーシ、スカイ プロサイクリング) 4時間46分48秒
2 クリスアンカー・ソレンセン(デンマーク、チーム サクソ・ティンコフ) +28秒
3 アダム・ハンセン(オーストラリア、ロット・ベリソル) +1分18秒
4 マルティン・コーラー(スイス、BMCレーシングチーム) +1分34秒
5 エゴイ・マルティネス(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ) +1分42秒
6 クリストファー・ホーナー(アメリカ、レイディオシャック・レオパード) +1分53秒
7 アメツ・チュルカ(スペイン、カハ ルラル) +2分2秒
8 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ チーム) +2分13秒
9 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) +2分13秒
10 ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、アスタナ プロチーム) +2分18秒

個人総合(マイヨロホ)
1 ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、アスタナ プロチーム) 73時間39分35秒
2 クリストファー・ホーナー(アメリカ、レイディオシャック・レオパード) +3秒
3 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) +1分9秒
4 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ チーム) +2分24秒
5 ニコラ・ロッシュ(アイルランド、チーム サクソ・ティンコフ) +3分43秒
6 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、アージェードゥーゼル ラモンディアル ) +5分44秒
7 ティボー・ピノ(フランス、FDJ.FR) +6分14秒
8 レオポルド・ケニッグ(チェコ、ネットアップ・エンデューラ) +6分35秒
9 サムエル・サンチェス(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ) +7分51秒
10 タネル・カンゲルト(エストニア、アスタナ プロチーム) +11分10秒

ポイント賞(プントス)
1 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) 126 pts
2 ニコラ・ロッシュ(アイルランド、チーム サクソ・ティンコフ) 116 pts
3 ダニエル・モレーノ(スペイン、カチューシャ チーム) 100 pts

山岳賞(モンターニャ)
1 ニコラ・エデ(フランス、コフィディス ソリューションズクレジッツ) 37 pts
2 ダニエーレ・ラット(イタリア、キャノンデール プロサイクリング) 30 pts
3 クリストファー・ホーナー(アメリカ、レイディオシャック・レオパード) 22 pts

複合賞(コンビナーダ)
1 クリストファー・ホーナー(アメリカ、レイディオシャック・レオパード) 9 pts
2 ニコラ・ロッシュ(アイルランド、チーム サクソ・ティンコフ) 13 pts
3 ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、アスタナ プロチーム) 14 pts

チーム総合
1 エウスカルテル・エウスカディ 220時間27分11秒
2 モビスター チーム +4分35秒
3 アスタナ プロチーム +6分1秒

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