ブエルタ・ア・エスパーニャ2013 第17ステージ残り700mからのロングスプリントを決めたモレマが勝利 横風による集団分断がレースを動かす

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 ブエルタ・ア・エスパーニャは11日、第17ステージが行われ、約30人に絞られた集団を置き去りにしたバウケ・モレマ(オランダ、ベルキン プロサイクリングチーム)が制した。ステージ後半には横風による集団分断が起こったが、総合首位のマイヨロホを着用するヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、アスタナ プロチーム)は先頭集団でゴールしている。

第17ステージ区間優勝を飾ったモレマ第17ステージ区間優勝を飾ったモレマ

 スペイン北西部で開幕し、南部の暑さ、ピレネーでの悪天候を乗り越えたプロトンは、2度目の休息日を経て最終週の戦いへと繰り出した。まずは、ラ・リオハ州第2の都市カラオラをスタートし、ブエルタではおなじみのブルゴスにゴールする189kmの道のり。スタートからしばらくは若干上り、中盤の3級山岳2カ所を越えると、あとはゴールまで下り基調。ほぼ同じルートが採用された2010年の第13ステージでは、マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、当時チーム HTC・コロンビア)が制しており、スプリンターにとっては数少ないチャンスステージだ。

 レースは3km地点でアタックを成功させた、フランシスコハビエル・アラメンディア(スペイン、カハ ルラル)とアダム・ハンセン(オーストラリア、ロット・ベリソル)が長い間先行した。最大で8分10秒のリードを築いたが、中盤以降ランプレ・メリダやオリカ・グリーンエッジがコントロールするメーン集団が2人との差を徐々に減らしていった。

第17ステージも山岳リーダーの座を守ったエデ第17ステージも山岳リーダーの座を守ったエデ

 中盤の3級山岳では、3位通過の1ポイントをかけて山岳賞ジャージを着るニコラ・エデ(フランス、コフィディス ソリューションズクレジッツ)と、2位のダニエーレ・ラット(イタリア、キャノンデール プロサイクリング)が激しいつばぜり合い。1つ目のポイントは2人が牽制を繰り返している間に、先行していたニコ・セイメンス(ベルギー、コフィディス ソリューションズクレジッツ)がエデに代わってポイントを獲得したが、2つ目のポイントではエデが上手く抜け出して3位通過した。

 静かに流れていたレースが大きく動き出したのは、残り28km。横風区間に入り、チーム サクソ・ティンコフがアシスト総出でペースアップすると、そこにレイディオシャック・レオパードが加勢。この動きで総合上位陣のうち、総合5位のドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、アージェードゥーゼル ラモンディアル)と総合7位のティボー・ピノ(フランス、FDJ.FR)が後方に取り残されてしまった。

 残り21kmで逃げていた2人を吸収した後も、メーン集団はハイペースを維持。アスタナ プロチーム、モビスター チーム、カチューシャ チームも牽引にアシストを送り込み、後方集団との差をみるみるうちに広げていった。

 残り9km、小さな丘の上りを利用してディエーゴ・ウリッシ(イタリア、ランプレ・メリダ)がアタック、さらにエゴイ・マルティネス(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ)が合流したが、残り4.5kmで吸収。その直後にタネル・カンゲルト(エストニア、アスタナ プロチーム)がカウンターアタックを仕掛けるも、これも失敗に終わった。レースは先頭集団に残った約30人でのスプリント勝負になると思われた。

 スプリントで勝利を狙うチームが前方に位置取り、残り1kmのフラムルージュを通過。ところが、残り700mで集団全体が牽制状態になってしまう。その隙を突いてロングスプリントに出たのはモレマ。絶妙な飛び出しで集団との差を広げると、最後までペースは落ちず、スプリンターたちの追い込みを振り切ってトップでゴールした。

ゴール直後のモレマゴール直後のモレマ
リーダーの座をキープするニバリリーダーの座をキープするニバリ
ポイント賞リーダーのバルベルデポイント賞リーダーのバルベルデ

 モレマは今年のツール・ド・フランス総合6位、2011年にはブエルタで総合4位に入った、プロトンを代表するオールラウンダー。また、総合4位に入った際にはスプリントにも積極的に加わり、最終的にポイント賞のプントスを獲得するなど、ゴール前のスピードも持ち合わせる。今回の勝利についても、「ラスト1km以内の攻撃は1日中考えていた」とコメントしているように、狙い通りの走りだったようだ。今大会は総合争いからは遅れたが、今月下旬に控える世界選手権ではオランダチームのエースに選ばれており、調整が順調なことを証明した。

 最後の山岳3連戦を前に、総合上位陣にも動きがあった。ポッツォヴィーヴォ、ピノがともに1分31秒遅れたことにより、先頭集団でゴールしたニコラ・ロッシュ(アイルランド、チーム サクソ・ティンコフ)が総合5位に浮上。ポッツォヴィーヴォは総合6位に。ピノは総合7位のままだが、総合8位のレオポルド・ケニッグ(チェコ、ネットアップ・エンデューラ)との差が9秒と縮まった。

 第18ステージからは、いよいよカンタブリア山脈へ。頂上ゴールの1級山岳ペーニャ・カバルガは、登坂距離5.9km、平均勾配9.2%。ラスト1kmが最大勾配20%と、ゴールでは数秒の開きが発生しそうだ。総合上位陣がシャッフルされる可能性も大いにあるだろう。

(文 福光俊介/写真 砂田弓弦)

第17ステージ結果
1 バウケ・モレマ(オランダ、ベルキン プロサイクリングチーム) 4時間44分28秒
2 エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、スカイ プロサイクリング) +0秒
3 マクシミリアーノ・リチェセ(アルゼンチン、ランプレ・メリダ) +0秒
4 タイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・シャープ) +0秒
5 ファビアン・カンチェッラーラ(スイス、レイディオシャック・レオパード) +0秒
6 グレガ・ボレ(スロベニア、ヴァカンソレイユ・DCM) +0秒
7 ルーカ・パオリーニ(イタリア、カチューシャ チーム) +0秒
8 ポール・ヴォス(ドイツ、ネットアップ・エンデューラ) +0秒
9 ホセ・エラダ(スペイン、モビスター チーム) +0秒
10 ニコラ・ロッシュ(アイルランド、チーム サクソ・ティンコフ) +0秒

個人総合(マイヨロホ)
1 ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、アスタナ プロチーム) 68時間50分29秒
2 クリストファー・ホーナー(アメリカ、レイディオシャック・レオパード) +28秒
3 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) +1分14秒
4 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ チーム) +2分29秒
5 ニコラ・ロッシュ(アイルランド、チーム サクソ・ティンコフ) +3分43秒
6 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、アージェードゥーゼル ラモンディアル ) +5分9秒
7 ティボー・ピノ(フランス、FDJ.FR) +6分8秒
8 レオポルド・ケニッグ(チェコ、ネットアップ・エンデューラ) +6分17秒
9 サムエル・サンチェス(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ) +7分33秒
10 タネル・カンゲルト(エストニア、アスタナ プロチーム) +10分52秒

ポイント賞(プントス)
1 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) 119 pts
2 ニコラ・ロッシュ(アイルランド、チーム サクソ・ティンコフ) 111 pts
3 ダニエル・モレーノ(スペイン、カチューシャ チーム) 98 pts

山岳賞(モンターニャ)
1 ニコラ・エデ(フランス、コフィディス ソリューションズクレジッツ) 37 pts
2 ダニエーレ・ラット(イタリア、キャノンデール プロサイクリング) 30 pts
3 クリストファー・ホーナー(アメリカ、レイディオシャック・レオパード) 22 pts

複合賞(コンビナーダ)
1 クリストファー・ホーナー(アメリカ、レイディオシャック・レオパード) 9 pts
2 ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、アスタナ プロチーム) 12 pts
3 ニコラ・ロッシュ(アイルランド、チーム サクソ・ティンコフ) 12 pts

チーム総合
1 エウスカルテル・エウスカディ 205時間59分40秒
2 アスタナ プロチーム +1分07秒
3 モビスター チーム +1分26秒

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