フジサンケイビジネスアイ【企業探訪 学生記者が行く】より自転車事故から子供を守る製品 オージーケー技研の木村泰治専務インタビュー

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 今年で創業65周年を迎えるオージーケー技研(大阪府東大阪市)は、自転車の子供用座席「ヘッドレスト付き子供のせ」やグリップなどを主力とする自転車部品メーカーだ。木村泰治専務に、安全を追求するものづくりの考え方や今後の展望を聞いた。

「品質ではどこにも負けたくない」と話す木村泰治専務=大阪府東大阪市「品質ではどこにも負けたくない」と話す木村泰治専務=大阪府東大阪市

 ――ヘッドレスト付き子供のせを開発した経緯から

 「私が入社する前の2001年、事故が起こったときは『子供の頭部を守ることが第一』という木村秀元社長の主導のもと、衝撃吸収率90%以上のヘッドレストが完成した。当時の自転車の平均価格1万円を超える『子供のせ』を販売することについては社内から反対の声があった」

 「しかし、子供の安全を最優先に考え、必要だと判断する親は必ずいると、発売に踏み切った。自転車事故の際、ヘッドレストのおかげで子供が無傷だったという報告があり、社長はものづくりに携わる人間として最大の喜びを感じたという」

 ――入社後の苦労は

 「子供のせのシェアが伸びてきた時期、多くの新卒採用者とともに入社し、将来的に自分がこの会社を引っ張っていくことへのプレッシャーを感じた。生まれたときから従業員に囲まれて育ち、学生時代には社内の飲み会にも参加していた。このため、専務になってからは慣れ親しんできた社員を先導することへの戸惑いもあった。現在は先々代から続く品質への思いを引き継ぎ、自分の責務を全うすることを胸に業務に取り組んでいる」

 ――製品開発におけるこだわりは

 「入社後は開発部に所属し、他社にはない製品の提案に心血を注いだ。高校生は紙パックの飲み物をよく利用することに着目し、紙パックサイズでも使用できるドリンクホルダーを開発した。品質にも妥協せず、製品安全協会が定める安全基準『SG基準』よりも数段厳しい基準を設け、耐久試験を何度も行うことで品質の向上を目指している」

 「子供のせには、いずれ雨でさびてしまう金属を使用せず、ほぼすべてのパーツを軽くて丈夫な樹脂でつくっており、安心して子供を乗せられるという声が多く寄せられている」

 ――ニーズの変化への対応について

 「近年、安全だけでなく、デザインも重視した自転車に人気が集まっている。ヘッドレスト付き子供のせから買い物かごとしても使用できる機能を削除し、カラーバリエーションをさらに増やした新モデルは、デザイン性が評価され、人気商品のひとつになった。一方で輸入製品の子供のせは子供の足を支える部分が見た目を重視した簡単なつくりになっているのに対し、当社の製品は安全のため大きく幅を取ったつくりにしている。ニーズに合わせ、デザインと安全のバランスをうまく調整するようにしている」

 ――今後の展望を

 「社員が誇りを持って働ける会社にするためにも、ブランディングに力を入れていきたい。今や国内シェア6割を誇る子供のせだが、当社の製品だと知らずに使っている人が多い。まずは他社と協力して子供のせ付き自転車の乗り方講習などのイベントを行い、製品を安全に使ってもらう工夫をしていく。参加した母親から『普段使っていた子供のせはよく見るとオージーケーの製品だった』と声を掛けてもらうことも少なくない」

 「いずれ世界一のチャイルドシートメーカーになり、スポーツとして自転車をよく利用する欧州で当社の製品を使ってもらうことが夢だ」

(学生通信社 甲南大学 吉本早希)

フジサンケイビジネスアイより)

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