ブエルタ・ア・エスパーニャ2013 第16ステージ大ブレイクのバルギルが山頂ゴールを制す ニバリが遅れる波乱で総合争いが混戦に

  • 一覧

 ブエルタ・ア・エスパーニャは9日、第16ステージが行われ、1級山岳頂上でのスプリントを制したワレン・バルギル(フランス、チーム アルゴス・シマノ)が第13ステージに続く今大会2勝目を挙げた。総合首位のマイヨロホ着用のヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、アスタナ プロチーム)は終盤失速したものの、何とかジャージを守り2週目を終えた。

脅威の新人バルギルがステージ2勝目を挙げた脅威の新人バルギルがステージ2勝目を挙げた

 ピレネー山岳ステージ3連戦の最終日は、グラウスからサリェント・デ・ガリェ/アラモン・フォルミガルまでの146.8km。舞台はスペイン国内に戻り、ピレネー山脈南側を西に向かって横断するルートだ。序盤に3級山岳、後半に入り2級山岳を越えると、ゴール地でもある1級山岳アラモン・フォルミガルを上る。翌日に2度目の休息日を控え、チャンスを掴もうとスタートから多くの選手が逃げを試みた。

 しばらくはアタックと吸収の繰り返し。50km付近では、ニバリやアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム)ら総合上位陣が入った29人の先頭集団が形成され、ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ チーム)が後方集団に取り残される場面もあった。レースが落ち着きを見せ始めたのは、62km地点で9選手が逃げを成功させたあたりから。それでも、2級山岳の上りでメーン集団から逃げグループへのブリッジを狙う選手が出るなど、細かい動きは続いた。残り25kmを切った段階で23選手が先行し、メーン集団はようやく逃げを完全に容認するムードに。

最後の上りを行くメーン集団最後の上りを行くメーン集団

 前を行くメンバーでのステージ優勝争いは、この日最後の上りであるアラモン・フォルミガルでの走りに委ねられることに。バルギルやリゴベルト・ウラン(コロンビア、スカイ プロサイクリング)が積極的に牽引し、間隙を縫ってフアンマヌエル・ガラテ(スペイン、ベルキン プロサイクリングチーム)が抜け出しを図るシーンも。状況が大きく動いたのは残り10km。集団のペースが緩んだのを見たバルギルが一気にペースアップし、見る見るうちにライバルとの差を広げることに成功。快調に上るバルギルに対し、追走の協調が保たれず、残り3kmでタイム差は30秒に。

区間2位に入ったウラン区間2位に入ったウラン

 しかし、ゴールを目前にバルギルのペースが落ち始める。すると、人数を減らしながら前を追っていたメンバーから、ウランが猛プッシュ。残り1kmのフラムルージュを目の前にバルギルに合流。2人によるマッチスプリントの様相を呈してきた。

 残り300mまで牽制する2人、先に仕掛けたのはウランだった。経験、実績に勝るだけに勝利は固いかと思われたが、勢いに乗るバルギルがゴール手前でハンドルを投げ出し、数センチ差で先着。肉眼では判別しにくいほどの差だったが、当の本人は勝利を確信しガッツポーズ。

 劇的な勝利を収めた第13ステージに続く、今大会2勝目。苦しんだ最終局面については、「ウランは偉大な選手だが、絶対に勝つと強い気持ちを持ってスプリントをした」とレース後にコメント。21歳にして、クレバーさと勝負強さを兼ね備えた大物ぶりを披露した。

 優勝争いを繰り広げた2人を猛追したバルトス・フザルスキー(ポーランド、ネットアップ・エンデューラ)が3位、ドミニク・ネルツ(ドイツ、BMCレーシングチーム)が4位。その後も逃げていた選手たちが続々とゴールし、上位16位までを占めた。

首位との差を縮めたホーナー首位との差を縮めたホーナー

 メーン集団は一時エウスカルテル・エウスカディが先頭を牽いたが、その後はカチューシャ チーム、アスタナ プロチームがペースメイク。そして、残り5kmを過ぎたあたりでバルベルデがアタック。これは失敗に終わるが、ニコラ・ロッシュ(アイルランド、チーム サクソ・ティンコフ)、ロドリゲスが立て続けにカウンターアタック。

 ロドリゲスは苦しい走りが続いたここ数日分を取り戻すかのような激走。単独で集団を引き離してゴールに到達した。3秒遅れでバルベルデ、さらに3秒遅れてティボー・ピノ(フランス、FDJ.FR)とクリストファー・ホーナー(アメリカ、レイディオシャック・レオパード)が続いた。

総合争いの選手たちから遅れてしまったニバリ。マイヨロホは何とかキープした総合争いの選手たちから遅れてしまったニバリ。マイヨロホは何とかキープした

 一方でニバリは「バッド・デイ」とも言える苦戦を強いられた。ロドリゲスの動きに反応できなかったばかりか、追走にも加わることができず、当面のライバルであるホーナーに対し22秒を失った。レース後には、「最後の3kmが非常に苦しかった。ピレネーの3日間は、チームは素晴らしい働きだった。休息日はしっかりと回復したい」と語った。

 これにより、総合優勝争いはニバリとホーナーとの差が28秒、ニバリとバルベルデとの差が1分14秒で第3週を迎えることとなった。休息日を経て、決戦の舞台はカスティーリャ・イ・レオン州、アストゥリアス州へ。険しい山々が勝負の時を待つ。

(文 福光俊介/写真 砂田弓弦)

第16ステージ結果
1 ワレン・バルギル(フランス、チーム アルゴス・シマノ) 3時間43分31秒
2 リゴベルト・ウラン(コロンビア、スカイ プロサイクリング) +0秒
3 バルトス・フザルスキー(ポーランド、ネットアップ・エンデューラ) +3秒
4 ドミニク・ネルツ(ドイツ、BMCレーシングチーム) +8秒
5 ホセ・エラダ(スペイン、モビスター チーム) +20秒
6 ミカエル・シュレル(フランス、アージェードゥーゼル ラモンディアル ) +37秒
7 マチェイ・パテルスキー(ポーランド、キャノンデール プロサイクリング) +37秒
8 アンドレ・カルドソ(ポルトガル、カハ ルラル) +40秒
9 アメツ・チュルカ(スペイン、カハ ルラル) +42秒
10 クリスアンカー・ソレンセン(デンマーク、チーム サクソ・ティンコフ) +45秒

個人総合(マイヨロホ)
1 ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、アスタナ プロチーム) 64時間6分1秒
2 クリストファー・ホーナー(アメリカ、レイディオシャック・レオパード) +28秒
3 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) +1分14秒
4 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ チーム) +2分29秒
5 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、アージェードゥーゼル ラモンディアル ) +3分38秒
6 ニコラ・ロッシュ(アイルランド、チーム サクソ・ティンコフ) +3分43秒
7 ティボー・ピノ(フランス、FDJ.FR) +4分37秒
8 レオポルド・ケニッグ(チェコ、ネットアップ・エンデューラ) +6分17秒
9 サムエル・サンチェス(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ) +7分33秒
10 タネル・カンゲルト(エストニア、アスタナ プロチーム) +9分21秒

ポイント賞(プントス)
1 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) 118 pts
2 ニコラ・ロッシュ(アイルランド、チーム サクソ・ティンコフ) 105 pts
3 ダニエル・モレーノ(スペイン、カチューシャ チーム) 98 pts

山岳賞(モンターニャ)
1 ニコラ・エデ(フランス、コフィディス ソリューションズクレジッツ) 36 pts
2 ダニエーレ・ラット(イタリア、キャノンデール プロサイクリング) 30 pts
3 クリストファー・ホーナー(アメリカ、レイディオシャック・レオパード) 22 pts

複合賞(コンビナーダ)
1 クリストファー・ホーナー(アメリカ、レイディオシャック・レオパード) 9 pts
2 ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、アスタナ プロチーム) 13 pts
3 ニコラ・ロッシュ(アイルランド、チーム サクソ・ティンコフ) 13 pts

チーム総合
1 エウスカルテル・エウスカディ 191時間46分16秒
2 アスタナ プロチーム +1分07秒
3 モビスター チーム +1分26秒

この記事のコメント

利用規約順守の上ご投稿ください。

関連記事

この記事のタグ

ブエルタ・ア・エスパーニャ2013

  • 一覧

新着ニュース

もっと見る

ピックアップ

e-BIKE最新特集

スペシャル

自転車協会バナー

ソーシャルランキング

インプレッション

インプレッション一覧へ

連載