ブエルタ・ア・エスパーニャ2013 第15ステージフレンチクライマーのジェニエスが10年ぶりのフランスステージを制覇 ジルベール、マルティンはリタイア

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 ブエルタ・ア・エスパーニャは8日、第15ステージが行われ、終盤の1級山岳で抜け出したアレクサンドル・ジェニエス(フランス、FDJ.FR)がプロ通算2勝目、グランツール初優勝を挙げた。積極的な走りを繰り広げた総合上位勢は結果的に大きな動きは起こらず、ステージ4位に入ったヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、アスタナ チーム)が総合首位のマイヨロホを守っている。

最後の上りでゴールを目指すジェニエス。後続には3分以上の差をつけた最後の上りでゴールを目指すジェニエス。後続には3分以上の差をつけた

 ピレネー山岳ステージ3連戦の2日目は、アンドラからペイラギュドまでの224.9km。今大会最長距離にして、標高2000m前後の1級山岳を4つこなす高難易度。そして、今年第100回の記念大会が行われたツール・ド・フランスへの敬意を表し、ブエルタが10年ぶりにフランスへと足を踏み入れる。

スタートするポイント賞のリーダー、バルベルデスタートするポイント賞のリーダー、バルベルデ

 レースは序盤からアタックの応酬。1つ目の1級山岳プエルト・デル・カント(登坂距離24.4km、平均勾配4.2%、最大勾配10%)の中腹でバルトス・フザルスキー(ポーランド、ネットアップ・エンデューラ)が抜け出したことをきっかけに、28選手の逃げ集団が形成された。メーン集団では、リーダーチームのアスタナがコントロール。逃げの人数が多いこともあり、差を2分半以内に抑えながらレースを進めた。

 2つ目の1級山岳プエルト・デ・ラ・ボナイガ(登坂距離20km、平均勾配5.5%、最大勾配12.5%)に入ると、逃げグループが分解。ジェニエス、第13ステージ優勝のワレン・バルギル(フランス、チーム アルゴス・シマノ)、フランシス・デグレーフ(ベルギー、ロット・ベリソル)が先行。さらにミカエル・シュレル(フランス、アージェードゥーゼル ラモンディアル)、アンドレ・カルドソ(ポルトガル、カハ ルラル)、ニコラ・エデ(フランス、コフィディス ソリューションズクレジッツ)が合流し、6人が逃げる格好に。

 プエルト・デ・ラ・ボナイガの頂上を迎えると、約67kmにわたるダウンヒル。逃げグループ6人の後ろに、約2分30秒差で19人の追走グループが続き、メーン集団はさらに約3分後方で終盤へと向かった。

 3つ目の1級山岳コル・ドゥ・ポール・ド・バレス(登坂距離19.2km、平均勾配6.2%、最大勾配10.5%)に入ると、逃げていたメンバーからジェニエスとカルドソが先行。下りに入ると、ジェニエスが独走を開始。メーン集団では、総合6位のニコラ・ロッシュ(アイルランド、チーム サクソ・ティンコフ)がアタック。追走グループから下がったオリヴァー・ツァウグ(スイス、チーム サクソ・ティンコフ)を牽引役に、ライバルから約1分のリードを築いた。

この日の最後の上り、ペイラギュド峠この日の最後の上り、ペイラギュド峠

 いよいよペイラギュドへ向かう最後の上り。登坂距離16.7km、平均勾配4.7%、最大勾配13.3%ではあるが、上り始めの約10kmは平均勾配7%程度。順調にリードを広げるジェニエスは、この難しい上りでも力強い走りを見せた。メーン集団とは約5分の差を保ち、ステージ優勝が徐々に近づいてきた。約3kmの下りを経て、ゴール前にそびえる約3.5kmの上りも順調にクリア。最後は何度も感激を表してゴールラインを通過した。

 ジェニエスは、フランスの名門ラ・ポム・マルセイユでアマチュア時代を過ごし、2010年にスキル・シマノ(現チーム アルゴス・シマノ)でプロデビュー。3シーズンを過ごし、今年現チームに加入している。2011年のツアー・オブ・オーストリア第4ステージ以来の勝利だが、早くからその登坂力を期待する声が多かった。ブエルタには今回を含め3回、ツール・ド・フランスには1回出場しているが、グランツールでのステージ最高順位は3位。10年ぶりのフランスステージを制したばかりか、自身の故郷であるロデーズに近いペイラギュドでキャリア最高の勝利を果たした。

総合争いの選手たちのペイラギュド峠での攻防総合争いの選手たちのペイラギュド峠での攻防

 後続は、追走集団で走り続けたミケーレ・スカルポーニ(イタリア、ランプレ・メリダ)が、ジェニエスから3分3秒遅れの2位でゴール。さらに4秒差の3位でロッシュが続いた。

 メーン集団では、ペイラギュドの上りに入って、総合7位のティボー・ピノ(フランス、FDJ.FR)が再三アタック。総合4位のホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ チーム)や、サムエル・サンチェス(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ)も仕掛けたが、いずれも決定打にはならず。その後はロベルト・キセルロウスキー(クロアチア、レイディオシャック・レオパード)の強力なペースメイクもあり、集団はニバリ、ロドリゲス、アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム)、クリストファー・ホーナー(アメリカ、レイディオシャック・レオパード)、ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、アージェードゥーゼル ラモンディアル)の5人に絞られた。最後はニバリを先頭に、ジェニエスから3分20秒遅れでゴールをした。

 ステージを終えて、ロッシュが総合上位陣に対しボーナスタイムを含め17秒を稼ぐことに成功。総合6位は変わらないが、5位のポッツォヴィーヴォとは6秒差。また、この日12位でゴールしたサンチェスが総合9位に浮上している。各賞ジャージは、山岳賞のモンターニャのみ移動があり、中盤まで逃げグループで走ったエデが袖を通している。

スタートで友人と談笑する世界チャンピオンのジルベール。この日、途中でリタイアしたスタートで友人と談笑する世界チャンピオンのジルベール。この日、途中でリタイアした

 また、前日に続く悪天候、さらには今月下旬に控えた世界選手権を見据え、この日だけで10選手がリタイア。その中にはフィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシングチーム)、トニー・マルティン(ドイツ、オメガファルマ・クイックステップ)らも含まれる。これで47選手が大会を去った。

 ピレネー3連戦の最後となる第16ステージはスペインへと戻る。1級山岳アラモン・フォルミガルの山頂を目指すコースは、ゴールに近付くにつれて道が細くなり、コーナーが多いのが特徴。2度目の休息日を前に、チャンスをうかがう選手たちの走りに注目だ。

(文 福光俊介/写真 砂田弓弦)

第15ステージ結果
1 アレクサンドル・ジェニエス(フランス、FDJ.FR) 6時間20分12秒
2 ミケーレ・スカルポーニ(イタリア、ランプレ・メリダ) +3分3秒
3 ニコラ・ロッシュ(アイルランド、チーム サクソ・ティンコフ) +3分7秒
4 ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、アスタナ プロチーム) +3分20秒
5 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) +3分20秒
6 クリストファー・ホーナー(アメリカ、レイディオシャック・レオパード) +3分20秒
7 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ チーム) +3分20秒
8 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、アージェードゥーゼル ラモンディアル ) +3分20秒
9 ホセ・エラダ(スペイン、モビスター チーム) +3分23秒
10 ダビ・アロヨ(スペイン、カハ ルラル) +3分23秒

個人総合(マイヨロホ)
1 ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、アスタナ プロチーム) 60時間20分21秒
2 クリストファー・ホーナー(アメリカ、レイディオシャック・レオパード) +50秒
3 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) +1分42秒
4 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ チーム) +2分57秒
5 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、アージェードゥーゼル ラモンディアル ) +3分43秒
6 ニコラ・ロッシュ(アイルランド、チーム サクソ・ティンコフ) +3分49秒
7 ティボー・ピノ(フランス、FDJ.FR) +4分59秒
8 レオポルド・ケニッグ(チェコ、ネットアップ・エンデューラ) +6分18秒
9 サムエル・サンチェス(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ) +7分46秒
10 タネル・カンゲルト(エストニア、アスタナ プロチーム) +9分11秒

ポイント賞(プントス)
1 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) 114 pts
2 ニコラ・ロッシュ(アイルランド、チーム サクソ・ティンコフ) 105 pts
3 ダニエル・モレーノ(スペイン、カチューシャ チーム) 98 pts

山岳賞(モンターニャ)
1 ニコラ・エデ(フランス、コフィディス ソリューションズクレジッツ) 33 pts
2 ダニエーレ・ラット(イタリア、キャノンデール プロサイクリング) 30 pts
3 クリストファー・ホーナー(アメリカ、レイディオシャック・レオパード) 22 pts

複合賞(コンビナーダ)
1 クリストファー・ホーナー(アメリカ、レイディオシャック・レオパード) 9 pts
2 ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、アスタナ プロチーム) 13 pts
3 ニコラ・ロッシュ(アイルランド、チーム サクソ・ティンコフ) 13 pts

チーム総合
1 アスタナ プロチーム 180時間26分37秒
2 エウスカルテル・エウスカディ +3分53秒
3 モビスター チーム +4分20秒

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