ブエルタ・ア・エスパーニャ2013 第13ステージ21歳の新星バルギルがプロ初勝利 強力な逃げ集団から抜け出し歓喜のゴール

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 ブエルタ・ア・エスパーニャは6日、第13ステージが行われ、強力なメンバーを揃えた逃げ集団が逃げ切りに成功。プロ1年目、21歳のワレン・バルギル(フランス、チーム アルゴス・シマノ)がタイミングよく抜け出し、歓喜のプロ初勝利を挙げた。総合上位に大きな変動はなく、ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、アスタナ プロチーム)がマイヨロホをキープしている。

第13ステージを制したプロ1年目のバルギル第13ステージを制したプロ1年目のバルギル

 バルスからカステルデフェルスまでの169kmで行われた山岳ステージ。コース中盤に、海抜25mから485mまでを一気に駆け上がる平均勾配10.6%の1級山岳を上りきると、ゴールまでは残り50km。そこから下り基調が続き、残り10kmは平坦路になる。しかし、最後の400mには再び勾配10%の上りが登場。コースプロフィールを見ただけでは勝ちパターンが想像しにくいようなレイアウトになっている。

 レース展開も混沌としていた。序盤から有力選手を含む逃げが発生し、ハイペースな展開に。メーン集団と逃げ集団のタイム差は大きく広がらないまま推移し、一度は吸収。70kmを過ぎて再び19名の逃げが形成されたことで、展開は一旦安定する。それでもメーン集団との距離は近く、タイム差は2分台で1級山岳に入っていった。

スタート前にイタリアのテレビからインタビューを受けるバッソスタート前にイタリアのテレビからインタビューを受けるバッソ

 逃げ集団のなかでは、ミケーレ・スカルポーニ(イタリア、ランプレ・メリダ)が上りで強さを発揮した。今大会は、ここまでいい成績を残せていないが、調子が上がってきていることを示すかのように、単独先頭で山頂を通過。2位以下を大きく離していたが、ゴールまで残り50kmということもあり、下りで後続の選手と合流。上りで人数が絞られていたため、10人の逃げ集団となった。

 メーン集団では、ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ チーム)がアシストとともにアタック。しばらくして吸収されたが、今後も総合での挽回を図って動きそうな姿勢を見せた。スカルポーニから1分47秒遅れでの山頂通過となった。

 10人の逃げ集団は、スカルポーニをはじめ、ベニャト・インチャウスティ(スペイン、モビスター チーム)、リナルド・ノチェンティーニ(イタリア、アージェードゥーゼル ラモンディアル )、バウケ・モレマ(オランダ、ベルキン プロサイクリングチーム)、イヴァン・サンタロミータ(イタリア、BMCレーシングチーム)、アメツ・チュルカ(スペイン、カハ ルラル)、ジェローム・コッペル(フランス、コフィディス ソリューションズクレジッツ)、エゴイ・マルティネス(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ)、ハビエル・サンディオ(スペイン、スカイ プロサイクリング)、そしてバルギルというメンバー。チームのエース、グランツールでのステージ優勝経験者、逃げやアシストで名を馳せる選手、今大会で好走を見せている選手と、豪華な顔ぶれが揃った。

区間2位となったノチェンティーニ区間2位となったノチェンティーニ

 アスタナがコントロールするメーン集団と逃げ集団の差は、下りで徐々に広がり始めた。これを受けて、スカルポーニとの総合タイム差を気にしてか、7位のイヴァン・バッソ(イタリア)擁するキャノンデール プロサイクリング、ティボー・ピノ(フランス)が8位につけるFDJ.FRが集団前方に上がって牽引を開始し、差を縮めていく。しかし、しばらくするとFDJ.FRが断念。これで、逃げ切りが確実となった。

 お互いに逃げ切り勝利を意識するなか、インサウスティがトンネルの入り口で曲がり切れず落車。優勝争いから脱落してしまう。トンネルを抜けて残り8km、マルティネスとコッペルがアタックをかけると、これにスカルポーニがブリッジして合流。前の3人を2、3秒差で6人が追う展開になった。

 前の3人をようやく捉えたのは残り2km。すかさず、コッペルが再びアタックを試みるが、これにはノチェンティーニ、サンディオ、バルギルがチェックに入る。前も後ろも、9人がお互いに牽制し合うなか、残り1.2km、バルギルが抜け出した。残された全員はお見合い状態。最後の上りで慌てて追い上げようとするが、時すでに遅し。バルギルは力強く400mの坂を上りきり、歓喜のゴール。今大会初めてとなる、逃げ集団の逃げ切りゴールを飾った。

ゴールで同僚と勝利を喜ぶバルギルゴールで同僚と勝利を喜ぶバルギル

 プロ1年目、21歳のバルギルにとって、これがプロ初勝利。優勝インタビューには涙を浮かべながら応えた。今大会では、第10ステージで大きく遅れるまでは総合上位につけ、山岳ではアタックを仕掛けるなど、初めてのグランツールで存在感のある走りを披露してきた。突如として頭角を表したように見えるが、若手のツール・ド・フランスと位置づけられるツール・ド・ラブニールにおいて、昨年は総合優勝、ポイント賞、山岳賞を独占した逸材。有望な若手が揃いながら大きな勝利のないフランス勢、そしてスプリンターチームであるアルゴス・シマノにとって、期待の新星となりそうだ。

リーダーの座を守ったニバリリーダーの座を守ったニバリ

 2分43秒遅れでゴールしたメーン集団には総合上位勢が揃っており、ニバリは総合首位をキープ。そのほかの総合では、逃げ切ったことでタイムを稼いだスカルポーニが16位に浮上。また、17位につけていたローレンス・テンダム(オランダ、ベルキン プロサイクリングチーム)が、レース序盤に落車でリタイアしている。

(文 平澤尚威/写真 砂田弓弦)

第13ステージ結果
1 ワレン・バルギル(フランス、チーム アルゴス・シマノ) 4時間0分13秒
2 リナルド・ノチェンティーニ(イタリア、アージェードゥーゼル ラモンディアル ) +7秒
3 バウケ・モレマ(オランダ、ベルキン プロサイクリングチーム) +7秒
4 イヴァン・サンタロミータ(イタリア、BMCレーシングチーム) +7秒
5 ハビエル・サンディオ(スペイン、スカイ プロサイクリング) +7秒
6 アメツ・チュルカ(スペイン、カハ ルラル) +7秒
7 ミケーレ・スカルポーニ(イタリア、ランプレ・メリダ) +7秒
8 エゴイ・マルティネス(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ) +7秒
9 ジェローム・コッペル(フランス、コフィディス ソリューションズクレジッツ) +24秒
10 ベニャト・インチャウスティ(スペイン、モビスター チーム) +2分34秒

個人総合(マイヨロホ)
1 ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、アスタナ プロチーム) 49時間29分2秒
2 ニコラ・ロッシュ(アイルランド、チーム サクソ・ティンコフ) +31秒
3 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) +46秒
4 クリストファー・ホーナー(アメリカ、レイディオシャック・レオパード) +46秒
5 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ チーム) +2分33秒
6 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、アージェードゥーゼル ラモンディアル ) +2分44秒
7 イヴァン・バッソ(イタリア、キャノンデール プロサイクリング) +2分52秒
8 ティボー・ピノ(フランス、FDJ.FR) +3分35秒
9 ラファル・マイカ(ポーランド、チーム サクソ・ティンコフ) +3分46秒
10 ダニエル・モレーノ(スペイン、カチューシャ チーム) +3分56秒

ポイント賞(プントス)
1 ダニエル・モレーノ(スペイン、カチューシャ チーム) 98 pts
2 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) 92 pts
3 ニコラ・ロッシュ(アイルランド、チーム サクソ・ティンコフ) 89 pts

山岳賞(モンターニャ)
1 クリストファー・ホーナー(アメリカ、レイディオシャック・レオパード) 18 pts
2 ニコラ・ロッシュ(アイルランド、チーム サクソ・ティンコフ) 15 pts
3 ディエーゴ・ウリッシ(イタリア、ランプレ・メリダ) 13 pts

複合賞(コンビナーダ)
1 ニコラ・ロッシュ(アイルランド、チーム サクソ・ティンコフ) 7 pts
2 クリストファー・ホーナー(アメリカ、レイディオシャック・レオパード) 12 pts
3 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) 14 pts

チーム総合
1 アスタナ プロチーム 147時間40分2秒
2 チーム サクソ・ティンコフ +4秒
3 モビスター チーム +2分29秒

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