工具はともだち<30>自転車メンテナンスのための工具にも、定期的なメンテナンスを 計測機器類の扱い方

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樹脂ケースに収納されたトルクレンチ樹脂ケースに収納されたトルクレンチ

 世の中のデジタル化に伴い、工具の世界でもデジタル化。前回はKTCの「メモルク」を紹介しました。

 ただ、放っておいた工具がいつまでも高性能を維持できるかというと、そうではないんですね。要は、自転車のメンテナンスに必要な工具も、定期的なメンテナンスが必要なのです。

 そもそも、トルクレンチをはじめとするボルトナットを確実に締め緩めしてくれる工具類は、どのような素材で構成されているのでしょう? 工具は金属部品、もしくは、金属と樹脂などその他パーツと組み合わさってできています。製品によっては、金属同士が常に駆動し、接触しているものもあります。

 みなさんの中にはいらっしゃらないと思いますが、開発段階で想定できない過剰・過酷な条件で利用されてしまう場合もあります。例えば、JISなどに基づき社内で決めた強度を超える過剰な力を加えて締めつけたり、錆ついてしまったボルトを無理やり回したり、ハンマーでたたいたり…といったイレギュラーな使用方法です。

 そういった使用をすると、工具を構成するパーツ類が必要以上に摩耗してしまいます。最悪の場合、変形や破損に至るケースも。表面をメッキなどでコーティングされていない商品は、雨ざらしなどの放置プレイ状態では、錆びてしまうこともありますね。

 特に、トルクレンチを中心とする「計測機器類」と呼ばれるカテゴリーの商品は、落下などの激しい衝撃や摩耗により、本来の性能が著しく低下する場合があります。精密機器であるということなんです。

 実際に店頭などで販売されている商品を見ると、それがよくわかります。衝撃を回避するために、必ず樹脂ケースに収納されて陳列してあると思います。

◇      ◇

 さて、計測機器類をメンテナンスするには、製造メーカーへ送りましょう。工具の点検のほか、本来の状態から著しく機能低下している場合は、修理することが可能です。

KTC「トルクレンチのアフターサービスについて」KTC「トルクレンチのアフターサービスについて」

 計測機器類の納品時には、書面確認いただけるように「検査成績書」とよばれる書類が添付されています。これは“工具の通信簿”のようなもので、「きちんと機能してますよ」というような内容が記載されています。その基準から、使用や摩耗などによる機能低下が見受けられた場合はメンテナンスして機能回復してくださいというわけです。

 目安としては、購入後おおむね1年程度でのメンテナンスをお勧めしています。あくまでも目安なので、強制ではありません。

 彼女の機嫌が悪くなる前に、プレゼントや旅行を…って気持ちで、トルクレンチとふれあってくださいね。

~工具屋さんのひとり言~
最近、朝や夜は少しすごしやすくなりましたかね? 猛暑はひと段落ですが、各地でゲリラ豪雨の被害や、桜島の噴火など、地球が悲鳴をあげているような気がします。ガソリン車を原動機とした乗り物が大好物であった私にも、責任が…“サイクリスト化”で、地球に少しでも優しい生活をしていけたらいいと思います。

小池覚(こいけ・さとる)
KTC(京都機械工具)へ入社後、販売企画や商品開発に携わる。学生時代から二輪、四輪が趣味で、整備経験が豊富。自転車は実は始めたばかりだが、工具のプロとして、サイクリストにも整備の“いろは”を伝えることに燃えている。

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