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栗村修の“輪”生相談<5>30代女性「ショップ難民です…」

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 ショップ難民です。

 以前バイクを買った場所は、担当してもらったスタッフや店長が代わり、今ではセールス色も強くまったく違う雰囲気になってしまいました。メンテナンスもしたいですし、安心して集える場所はありませんか?(東京都、30代女性)

 スポーツバイクブームもけっこう長くなりますが、スポーツバイクって、毎年買い替えることはあまりないですよね。つまり、一回のブームにつき1台購入ということになります。もちろんもっと買う人もいますが…。

 ブームはいまだ続いていますが、始まってからだいぶ経ちますから、完成車の売り上げはピークを越えた感があるんです。その完成車の売り上げで利益を得ていたショップにとっては、実は淘汰の時代に入った可能性があります。質問者さんのショップもそうかもしれません。したがって当然、セールス色は強くなりますよね。しかし、実はショップには大きく分けて2種類あるんです。このいずれかに属するかで、セールス色は変わってきます。

 ひとつは、人の集まる大都市の一等地に大きな店舗を持っている大型店舗。多店舗展開している場合も多いですね。誰でも入りやすいですし、お店のスタッフも変わったとのことなので、質問者さんがバイクを買ったのはこちらではないでしょうか。

 こういうお店は、たいがいビルなどに店舗を借りています。また、従業員を多く雇っています。ということは、何もしなくても賃貸代+人件費+αの固定費が発生するということです。最低でも、その固定費のぶんは利益を上げないと赤字になってしまいます。毎月の売り上げノルマもけっこうな額になるでしょう。その額は基本的に変わりませんから、冒頭でお伝えしたように完成車の売り上げが下がったら、たとえばパーツの売り上げやメンテナンス費用で稼がないといけません。多店舗展開していたら、スタッフの横の異動も多いでしょう。

 もうひとつ、家族とこじんまりとやっているようなオーナー店があります。住居併設型で、お店には店主自ら出ます。あとは手伝いの奥さんと、せいぜいアルバイトが1、2人でしょうか。

 こういうお店は賃貸の費用や人件費がかかりませんから、固定費をかなり抑えることができます。よって、毎月の売り上げノルマも小さい。セールス色は薄いですし、当然、人事異動でスタッフがいなくなってしまうことはありません。サイクリングの帰りに立ち寄っておしゃべりしたり、長くじっくりつきあうならば、こちらのほうがよいのではないでしょうか。

 ただし、こういう店には通常、濃ゆーいコミュニティがあります。ひとクセある店主のまわりにふたクセある常連さんたちが集まっていたりしますから、合わなかった場合は30秒で退散しなければいけません。逆に雰囲気が合えば、30年でも付き合えるでしょう(お店が潰れなければ)。そのへんの見極めですね。ライトな付き合いだけを求めるなら大型店舗でいいと思いますが、質問者さんのようなリスクがあります。

 一長一短ですが、長くバイクの世話をしてほしいとか、集まる場所を作りたいなどであれば、自分に合うオーナー店を探すのがベストかもしれません。独特の「濃さ」を味わってみてください。相性がよければ病みつきになりますよ。

(編集 佐藤喬/写真 砂田弓弦)

回答者 栗村修(くりむら おさむ)
プロ・ロードレースチーム「宇都宮ブリッツェン」監督。レース解説者。選手時代はポーランドのチームと契約するなど国内外で活躍。引退後はTV解説者として、ユニークな語り口でサイクルロードレースの魅力を多くの人に伝え続けている。著書に『栗村修のかなり本気のロードバイクトレーニング』『栗村修の100倍楽しむ! サイクルロードレース観戦術』(いずれも洋泉社)など。

※栗村さんにあなたの自転車に関する悩みを相談してみませんか?
ml.sd-cyclist-info@sankei.co.jpまでお寄せください。

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