ブエルタ・ア・エスパーニャ2013 第11ステージTTスペシャリストの競演はカンチェッラーラに軍配 アクシデントを乗り越えたニバリがマイヨロホ奪還

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 ブエルタ・ア・エスパーニャは4日、第11ステージが個人タイムトライアルで争われ、ファビアン・カンチェッラーラ(スイス、レイディオシャック・レオパード)が最速タイムをマークしてステージ優勝。今大会初勝利を挙げると同時に、ブエルタでは4年ぶりの勝利を挙げた。総合順位が大きく変動し、ステージ4位にまとめたヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、アスタナ チーム)が総合首位のマイヨロホに袖を通した。

貫禄の1位となったカンチェッラーラ貫禄の1位となったカンチェッラーラ

 1回目の休息日を終え、舞台はスペイン北部へ。この日はアラゴン州のタラソナ市街地を発着点とする38.8kmの個人タイムトライアル。スタートから標高差にして600mを上り、18km地点にあるアルト・デル・モンカヨの3級山岳ポイントを通過すると、ゴールまでは下り。パワー系のTTスペシャリストより、クライマー有利というのがもっぱらの戦前予想。

TT世界チャンピオンのジャージを着るマルティンが好タイムをマークTT世界チャンピオンのジャージを着るマルティンが好タイムをマーク

 しかし、前半に出走したTTマイスターがその予想をあっけなく覆した。まず、圧倒的なタイムをマークしたのは、世界チャンピオンのトニー・マルティン(ドイツ、オメガファルマ・クイックステップ)。11km地点の第1計測ポイントから、前走者たちを大きくリード。51分37秒で走破し、続く選手たちを待つ。

 そしてこの日、走りが冴えわたったのは、前世界チャンピオンのカンチェッラーラ。第1計測でマルティンのタイムを14秒上回ると、26km地点に設けられた第2計測ポイントで34秒のリード。得意の下りも攻めに攻めて、51分0秒でゴール。文句なしのタイムをマークすると、その後このタイムを上回る選手が現れず、ステージ優勝が決定した。

 今後待ち受ける難関山岳ステージに向け、少しでも良いポジションに位置したい総合上位勢にとっては、このステージは大きなポイントに。

驚きの区間3位はポッツヴィーヴォ驚きの区間3位はポッツヴィーヴォ

 総合トップ10の中で、先陣を切って飛び出したドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、アージェードゥーゼル ラモンディアル)が快走。第1計測をカンチェラーラから5秒遅れで通過すると、18km地点の3級山岳ポイントをトップタイムで通過。下りでタイムを落としたものの、1分24秒遅れの3位に食い込んだ。

 総合8位のティボー・ピノ(フランス、FDJ.FR)は、前半ハイペースで進めたものの、2分32秒遅れの15位。総合7位のイヴァン・バッソ(イタリア、キャノンデール プロサイクリング)は2分43秒遅れの18位と苦戦。総合6位のダニエル・モレーノ(スペイン、カチューシャ チーム)にいたっては4分遅れの34位、総合5位のホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ チーム)も3分1秒遅れの21位と振るわない。

区間4位で総合リーダーとなったニバリ区間4位で総合リーダーとなったニバリ

 いよいよ、今大会好調のトップ4がスタート。総合4位のアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム)は、前半の上りで前輪がパンクするアクシデントがありながらも、下り区間で持ち直し1分52秒遅れの7位。総合3位のニコラ・ロッシュ(アイルランド、チーム サクソ・ティンコフ)も、前半からハイペースで攻め、1分48秒遅れの6位と健闘した。

 総合上位陣では、最もTTの力があるとされる総合2位、ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、アスタナ プロチーム)。第1計測を17秒遅れ、第2計測を50秒遅れで通過すると、最後も無難に走り1分25秒遅れの4位。先にスタートしたライバルたちからアドバンテージを築くことに成功した。

 そして、マイヨロホのクリストファー・ホーナー(アメリカ、レイディオシャック・レオパード)。アップダウンの多いコースや山岳でのTTは得意とするところだが、この日は大苦戦。第1計測を42秒遅れで通過すると、第2計測ではさらにタイムを落とし1分47秒遅れに。結局、2分54秒遅れの20位に沈み、リーダージャージを再び明け渡す格好となった。

 レイディオシャック・レオパードにとって明暗が分かれた1日となったが、カンチェッラーラは久々に個人TTでビッグレースを勝利。「トップタイムをマークしてから長いこと待たされた。ヒルクライマー向きのレイアウトだったが、克服して勝つことができた」と喜びのコメント。今大会は、スプリントで勝利を狙うシーンや、山岳アシストをこなすなど、目標とする世界選手権に向けて調整は上々のようだ。

区間優勝を挙げたカンチェッラーラ区間優勝を挙げたカンチェッラーラ
ニバリがマイヨロホを奪還。ツール5連勝のスペインの英雄、インドゥラインから祝福されるニバリがマイヨロホを奪還。ツール5連勝のスペインの英雄、インドゥラインから祝福される

 マイヨロホを奪還したニバリは、休息日に目の周囲をスズメバチに刺されるハプニングがありながらも、それを感じさせない走り。今後のステージに向けては、「バルベルデが最大のライバルになりそうだ」と語る。この日を終えて、総合上位4名が46秒以内に並ぶ一方、総合5位以下がニバリから2分30秒以上の差に。徐々に総合争いの形勢が見えつつある。

 第12ステージは、マエリャからタラゴナまでの164.2km。中盤の3級山岳を越えると、地中海に向かって進んでいく平坦ステージ。スプリンターにとっては狙いどころとなるが、逃げが強力なメンバーで形成されれば、そのまま大逃げが決まる可能性もあるだろう。

(文 福光俊介/写真 砂田弓弦)

第11ステージ結果
1 ファビアン・カンチェッラーラ(スイス、レイディオシャック・レオパード) 51分0秒
2 トニー・マルティン(ドイツ、オメガファルマ・クイックステップ) +37秒
3 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、アージェードゥーゼル ラモンディアル ) +1分24秒
4 ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、アスタナ プロチーム) +1分25秒
5 ダリオ・カタルド(イタリア、スカイ プロサイクリング) +1分41秒
6 ニコラ・ロッシュ(アイルランド、チーム サクソ・ティンコフ) +1分48秒
7 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) +1分52秒
8 ジェローム・コッペル(フランス、コフィディス ソリューションズクレジッツ) +1分52秒
9 ヤネズ・ブライコヴィッチ(スロベニア、アスタナ プロチーム) +1分53秒
10 サムエル・サンチェス(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ) +2分13秒

個人総合(マイヨロホ)
1 ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、アスタナ プロチーム) 41時間22分22秒
2 ニコラ・ロッシュ(アイルランド、チーム サクソ・ティンコフ) +33秒
3 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) +46秒
4 クリストファー・ホーナー(アメリカ、レイディオシャック・レオパード) +46秒
5 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ チーム) +2分33秒
6 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、アージェードゥーゼル ラモンディアル ) +2分44秒
7 イヴァン・バッソ(イタリア、キャノンデール プロサイクリング) +2分55秒
8 ティボー・ピノ(フランス、FDJ.FR) +3分35秒
9 ラファル・マイカ(ポーランド、チーム サクソ・ティンコフ) +3分46秒
10 ダニエル・モレーノ(スペイン、カチューシャ チーム) +3分56秒

ポイント賞(プントス)
1 ダニエル・モレーノ(スペイン、カチューシャ チーム) 97 pts
2 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) 90 pts
3 ニコラ・ロッシュ(アイルランド、チーム サクソ・ティンコフ) 87 pts

山岳賞(モンターニャ)
1 クリストファー・ホーナー(アメリカ、レイディオシャック・レオパード) 18 pts
2 ニコラ・ロッシュ(アイルランド、チーム サクソ・ティンコフ) 15 pts
3 レオポルド・ケニッグ(チェコ、ネットアップ・エンデューラ) 12 pts

複合賞(コンビナーダ)
1 ニコラ・ロッシュ(アイルランド、チーム サクソ・ティンコフ) 7 pts
2 クリストファー・ホーナー(アメリカ、レイディオシャック・レオパード) 11 pts
3 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) 13 pts

チーム総合
1 アスタナ プロチーム 123時間19分33秒
2 チーム サクソ・ティンコフ +33秒
3 モビスター チーム +2分57秒

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