ブエルタ・ア・エスパーニャ2013 第7ステージ元シクロクロス王者のシュティバルがグランツール初勝利 ロード王者のジルベールをスプリントで下す

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 ブエルタ・ア・エスパーニャは30日、第7ステージが行われ、残り10kmでフィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシングチーム)とともに集団から飛び出したズデニェック・シュティバル(チェコ、オメガファルマ・クイックステップ)が、1対1となったスプリント勝負を制し、初出場のグランツールでステージ初勝利を挙げた。チームにも、嬉しい今大会初勝利をもたらした。

第7ステージのゴールでジルベールを下したシュティバル第7ステージのゴールでジルベールを下したシュティバル

 この日はアルメンドラレホから、スペイン南西のアンダルシア地方の街マイレナ・デ・アリハラフェまで、今大会で2番目に長い205.9kmで争われた。山岳ステージが目白押しの今年のブエルタにあって、前日の第6ステージに続きスプリンターが活躍できる貴重なステージだ。

 序盤に形成されたエスケープグループは、マルコ・ピノッティ(イタリア、BMCレーシングチーム)、フランシスコハビエル・アラメンディア(スペイン、カハルラル)、クリスティアン・クネース(ドイツ、スカイ プロサイクリング)の3人。この中で最年長37歳のピノッティは、タイムトライアルで5度目のイタリアチャンピオンを獲得した実力者だ。この日も終始キレのある牽きを見せたが、敢闘賞はスペイン人のアラメンディアが獲得している。

逃げ続けるピノッティ、アラメンディア、クネース逃げ続けるピノッティ、アラメンディア、クネース

 117km地点の第1スプリントポイントはクネース、174.4km地点の第2ポイントはピノッティと、競う様子もなく通過。集団との差を一時は最大5分14秒にまで広げたが、残り67kmを過ぎてその差は3分弱に縮まった。

 平均速度44km程度で巡航する集団内では、選手たちが会話をしながらリラックスした様子。この日のコースは、残り31.5kmで一度フィニッシュラインを通過し、その後さらに周回して再びゴールへと向かう変則的な設定だ。プロトンでは、オリカ・グリーンエッジの選手たちが頭を寄せ合い、ラスト5kmのコースマップを広げてコーナーなどの危険箇所を確認し合う場面もあった。

 1回目のフィニッシュラインを通過すると、逃げを吸収すべく集団が時速60kmを超えるペースへと高速化。カーブを繰り返すコースに集団が長く伸びていく。残り27kmでは、逃げる3人まで1分差に迫った。

ダウンヒルでは現在世界の最高峰にあるサムエル・サンチェスダウンヒルでは現在世界の最高峰にあるサムエル・サンチェス

 集団は、前方にポジションを取りたいチーム同士の争いを展開しながら、残り16.5kmでアラメンディアとクネースを、15kmでピノッティを吸収。チーム総合首位のレイディオシャック・レオパードがそのまま集団をペースアップさせていった。

 残り10kmにさしかかったあたりで、総合上位をうかがうガーミン・シャープのダニエル・マーティン(アイルランド)が落車。このトラブルで複数のアシスト選手がマーティンを集団に戻そうと動いたため、チームメイトでスプリンターのタイラー・ファラー(アメリカ)はアシストを得られず、この日の勝負から脱落することとなった。

 その間に前方ではジルベールとシュティバルが抜けだした。オリカ・グリーンエッジがマイケル・マシューズ(オーストラリア)を率いて追い上げるも、10秒~17秒の差が縮まらない。

 残り4kmを切ると、ロット・ベリソルやモビスターチームも集団前方に出て、逃げる2人を追走。しかし、コース終盤は道幅が狭く、トレインの隊列が整わない集団よりも、逃げる2人の方が優勢となった。ラスト1km、混沌とした集団から数人の選手がスプリント体勢に入る中、前方の2人は逃げ続けた。

 ラストは、2011年にロードへ転向した元シクロクロス世界王者シュティバルと、ロード世界選手権の王者の証、マイヨ・アルカンシェルを着たジルベールの一騎打ちに。結果は、迫り来る集団を意識して飛び出すタイミングを図ったジルベールに対し、残り250mで腰を上げて一気に加速したシュティバルがわずかの差でゴールを制する形となった。

第7ステージを制したシュティバル第7ステージを制したシュティバル
第6ステージで素晴らしいレースを見せたマルティン第6ステージで素晴らしいレースを見せたマルティン
スタート前にテレビのインタビューに応じるニバリスタート前にテレビのインタビューに応じるニバリ

 ブエルタの直前に開かれたエネコ・ツアー(ベルギー、オランダ)で総合優勝を遂げたシュティバルは、今大会スタート時にはまだ完全にリカバリーできていなかったという。しかし徐々にコンディションを上げ、この日のステージでは快心のレース運びをみせた。ゴール後のインタビューでは、「ラストにアタックがあればそれに乗りたいと(チーム内で)話していた。テクニカルなコースだったことも含め、チームにとって完璧なシナリオだった」と喜びを表した。

 また、前日の第6ステージで、チームメートのトニー・マルティン(ドイツ)が大逃げをするもゴール直前に吸収されたことについては、「(チーム全員が)マルティンを誇りに思っている。おかげできょうはチームの士気が上がり、絶好調だったよ」とコメントした。総合首位はヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、アスタナ プロチーム)がキープしている。

 

第7ステージ結果
1 ズデニェック・シュティバル(チェコ、オメガファルマ・クイックステップ) 4時間51分27秒
2 フィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシングチーム) +0秒
3 ロベルト・ヴァーグナー(ドイツ、ベルキン プロサイクリングチーム) +1秒
4 アドリアン・プティ(フランス、コフィディス ソリューションズクレジッツ) +1秒
5 フアンアントニオ・フレチャ(スペイン、ヴァカンソレイユ・DCM) +1秒
6 アンドルー・フェン(イギリス、オメガファルマ・クイックステップ) +1秒
7 エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、スカイ プロサイクリング) +1秒
8 ダニロ・ヴィス(スイス、BMCレーシングチーム) +1秒
9 クラース・ロードヴェーク(ベルギー、BMCレーシングチーム) +1秒
10 レイナールト・イョンスファンレンスブルフ(南アフリカ、チーム アルゴス・シマノ) +1秒

個人総合(マイヨロホ)
1 ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、アスタナ プロチーム) 27時間29分35秒
2 クリストファー・ホーナー(アメリカ、レイディオシャック・レオパード) +3秒
3 ニコラ・ロッシュ(アイルランド、チーム サクソ・ティンコフ) +8秒
4 アイマル・スベルディア(スペイン、レイディオシャック・レオパード) +16秒
5 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) +21秒
6 ロベルト・キセルロウスキー(クロアチア、レイディオシャック・レオパード) +26秒
7 リゴベルト・ウラン(コロンビア、スカイ プロサイクリング) +28秒
8 ダニエル・モレーノ(スペイン、カチューシャ チーム) +31秒
9 ラファル・マイカ(ポーランド、チーム サクソ・ティンコフ) +38秒
10 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、チーム サクソ・ティンコフ) +42秒

ポイント賞(プントス)
1 マイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) 53 pts
2 ダニエル・モレーノ(スペイン、カチューシャ チーム) 48 pts
3 マクシミリアーノ・リケーゼ(アルゼンチン、ランプレ・メリダ) 40 pts

山岳賞(モンターニャ)
1 ニコラ・ロッシュ(アイルランド、チーム サクソ・ティンコフ) 11 pts
2 ニコラ・エデ(フランス、コフィディス ソリューションズクレジッツ)
8 pts
3 ダニエル・モレーノ(スペイン、カチューシャ チーム) 6 pts

複合賞(コンビナーダ)
1 ニコラ・ロッシュ(アイルランド、チーム サクソ・ティンコフ) 8 pts
2 ダニエル・モレーノ(スペイン、カチューシャ チーム) 13 pts
3 クリストファー・ホーナー(アメリカ、レイディオシャック・レオパード) 19 pts

チーム総合
1 レイディオシャック・レオパード 81時間29分16秒
2 チーム サクソ・ティンコフ +5秒
3 ベルキン プロサイクリングチーム +1分10秒

(文 柄沢亜希/写真 砂田弓弦)

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