ブエルタ・ア・エスパーニャ2013 第6ステージ混戦のスプリントをミカエル・モルコフが制す トニー・マルティンが驚異の175km独走であわや逃げ切り

  • 一覧

 ブエルタ・ア・エスパーニャは29日、第6ステージが行われ、ミカエル・モルコフ(デンマーク、チーム サクソ・ティンコフ)がゴールスプリントを制し、劇的な勝利を飾った。ステージ7位でゴールしたトニー・マルティン(ドイツ、オメガファルマ・クイックステップ)は、スタート直後に単独でファーストアタックを決め、175kmのコースを独走。奇跡的な逃げ切り勝利なるかという展開だったが、ゴールのわずか50m前で吸収された。

シャンパンを抜くモルコフシャンパンを抜くモルコフ

 グイフエロからカセレスまでの175kmで行われた第6ステージは、山岳が1つも設定されていない平坦ステージ。細かい起伏が続くレイアウトにはなっているものの、大会6日目にして、純粋なスプリンター向けコースがようやく登場した形だ。ゴール前で勝負を左右するポイントは、ラスト5kmがわずかに上りになっていることと、最後の直線が600m程度と比較的短いこと、そして立て続けに登場する鋭角のカーブだ。

炎天下を走るプロトン炎天下を走るプロトン

 レース開始後、マルティンがメーン集団から飛び出し、ファーストアタックを決めた。ここから、タイムトライアル世界王者による独走が始まった。30.4km地点、111.6km地点のスプリントポイントを当然1位で通過。メーン集団では、今大会屈指のスプリンター、タイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・シャープ)がいずれも2位通過。第1スプリントではバウケ・モレマ(オランダ、ベルキン プロサイクリングチーム)が3位通過してボーナスタイムを獲得している。

 最大7分以上のリードを広げたマーティンだったが、残り30kmで2分強、残り20kmで約1分と、差は明らかに縮まっていった。メーン集団は、スプリントを狙うチーム、総合エースを守るチームがまとまって牽引し、残り15kmでついに10秒台に突入。メーン集団に吸収されるのは時間の問題かと思われた。

スタート直後から逃げ続けるマルティンスタート直後から逃げ続けるマルティン

 しかし、マルティンはここから驚異的な粘りを見せる。タイム差がひと桁になっても巡航速度を上げ、再び差を広げる。そうしているうちにメーン集団の統率が乱れ始め、残り5kmに突入。鋭角カーブの連続でさらに差が縮まりにくくなり、ファーストアタックからの独走逃げ切りが現実味を帯びてきた。

ゴールスプリントを制したモルコフゴールスプリントを制したモルコフ

 逃げ切りを許すわけにいかないメーン集団は、少しずつ差を詰めるが、捕まえられないまま残り1kmへ。最終コーナーを曲がり、勝利が見えてきたマルティンはスプリントを開始。しかしここで、マルティンと同じくタイムトライアルを得意とするファビアン・カンチェッラーラ(スイス、レイディオシャック・レオパード)が追い上げてきた。そして、マルティンを射程圏内に捉えたところで、カンチェッラーラの後方から飛び出したのがモルコフだった。きわどいスプリント勝負にはなったが、力強いガッツポーズとともにゴールラインを駆け抜けた。

 モルコフと言えば、2012年のツール・ド・フランスで連日のように逃げに乗り、序盤に山岳ジャージを着用していた印象が強い選手だ。トラックなどで勝ち星を挙げてきたモルコフだが、ロードレースではなかなか結果を残せなかった。しかし、6月のデンマーク選手権を制し、ナショナルチャンピオンジャージを着用して臨んだ今回のブエルタ。逃げではなく混戦のスプリントを制し、グランツールのステージ優勝というキャリア最大の結果を残した。

手堅くリーダーの座をキープしたニバリ手堅くリーダーの座をキープしたニバリ

 175kmのエスケープの末にゴールの50m手前で捕まったマルティンは7位に沈んだが、当然、敢闘賞を獲得。集団ゴールとなったため総合順位に目立った変動はなく、ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、アスタナ チーム)がマイヨロホを守っている。

第6ステージ結果
1 ミカエル・モルコフ(デンマーク、チーム サクソ・ティンコフ) 3時間54分15秒
2 マクシミリアーノ・リケーゼ(アルゼンチン、ランプレ・メリダ) + 0”
3 ファビアン・カンチェッラーラ(スイス、レイディオシャック・レオパード) + 0”
4 タイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・シャープ) + 0”
5 フアンアントニオ・フレチャ(スペイン、ヴァカンソレイユ・DCM) + 0”
6 マイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) + 0”
7 トニー・マルティン(ドイツ、オメガファルマ・クイックステップ) + 0”
8 ジャンニ・メールスマン(ベルギー、オメガファルマ・クイックステップ) + 0”
9 フィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシングチーム) + 0”
10 グレーム・ブラウン(オーストラリア、ベルキン プロサイクリングチーム) + 0”

個人総合(マイヨロホ)
1 ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、アスタナ プロチーム) 22時間38分7秒
2 クリストファー・ホーナー(アメリカ、レイディオシャック・レオパード) + 3”
3 ニコラ・ロッシュ(アイルランド、チーム サクソ・ティンコフ) + 8”
4 アイマル・スベルディア(スペイン、レイディオシャック・レオパード) + 16”
5 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) + 21”
6 ロベルト・キセルロウスキー(クロアチア、レイディオシャック・レオパード) + 26”
7 リゴベルト・ウラン(コロンビア、スカイ プロサイクリング) + 28”
8 ダニエル・モレーノ(スペイン、カチューシャ チーム) + 31”
9 チーム サクソ・ティンコフ + 38”
10 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、チーム サクソ・ティンコフ) + 42”

ポイント賞(プントス)
1 マイケル・マシューズ(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) 51 pts
2 ダニエル・モレーノ(スペイン、カチューシャ チーム) 48 pts
3 マクシミリアーノ・リケーゼ(アルゼンチン、ランプレ・メリダ) 40 pts

山岳賞(モンターニャ)
1 ニコラ・ロッシュ(アイルランド、チーム サクソ・ティンコフ) 11 pts
2 ニコラ・エデ(フランス、コフィディス ソリューションズクレジッツ) 8 pts
3 ダニエル・モレーノ(スペイン、カチューシャ チーム) 6 pts

複合賞(コンビナーダ)
1 ニコラ・ロッシュ(アイルランド、チーム サクソ・ティンコフ) 8 pts
2 ダニエル・モレーノ(スペイン、カチューシャ チーム) 13 pts
3 クリストファー・ホーナー(アメリカ、レイディオシャック・レオパード) 18 pts

チーム総合
1 レイディオシャック・レオパード 66時間54分52秒
2 チーム サクソ・ティンコフ +5秒
3 ベルキン プロサイクリングチーム +1分10秒

(文 平澤尚威/写真 砂田弓弦)

この記事のコメント

利用規約順守の上ご投稿ください。

関連記事

この記事のタグ

ブエルタ・ア・エスパーニャ2013

  • 一覧

新着ニュース

もっと見る

ピックアップ

e-BIKE最新特集

スペシャル

自転車協会バナー

ソーシャルランキング

インプレッション

インプレッション一覧へ

連載