見て、感じてほしい 復興のいま走ることが、被災地へ心寄り添うきっかけに 日向涼子さんの「ツール・ド・三陸」試走レポート<後編>

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 モデルの日向涼子さんによる「ツール・ド・三陸 サイクリング チャレンジ 2013 in りくぜんたかた・おおふなと」試走レポートの後編です。10月5、6日に開催を控え、大会事務局はシティサイクルとスポーツバイクの貸し出しを決定。より幅広い方々に参加していただくための準備が着々と進んでいます。今回は、「三陸に足を運んでもらいたい」という日向さんの願いがこもったレポートをお伝えします。

◇           ◇

黒崎仙峡温泉の展望台。雄大なパノラマに大喜びの日向涼子さん黒崎仙峡温泉の展望台。雄大なパノラマに大喜びの日向涼子さん

ふたつめのエイドステーション「黒崎温泉」へ

 大船渡市から陸前高田市へ戻ってきた私たち4人は、ふたつめのエイドステーションとなる黒崎温泉へ向かいました。黒崎温泉は、太平洋へ突き出した広田半島の東端にあり、この辺りにも絶景が広がっています。

 でも、その前にどうしても立ち寄りたいところがありました。それは「工房めぐ海(み)」。昨年のエイドステーションで大人気だった「めぐ海焼き」というおやきを作っている施設です。

工房めぐ海の調理場の様子工房めぐ海の調理場の様子

 「今年も開催が決まりました!」

 私たちがあいさつすると、笑顔が素敵な工房のオネエサマ方は、アポなし訪問だったにも関わらず温かく迎えてくださり、しかも「がんづき」という地元のスイーツでもてなしてくれました。

 「がんづき」は、岩手県産の小麦を使用した蒸しパンのような郷土料理です。ほんのり甘い生地にトッピングされた香ばしいクルミがベストマッチ。「こんなに食べられないよ~!」と言う私たちのおなかの中へ、あっという間に吸い込まれました(どっちやねん?!)。

工房めぐ海「めぐ海焼き」工房めぐ海「めぐ海焼き」
「がんづき」と一緒にお茶を振る舞っていただきました「がんづき」と一緒にお茶を振る舞っていただきました

少年のようにはしゃぎ、少女のように興奮した展望台

 また、“補給食”として冷凍の「めぐ海焼き」を購入。ジャージの背中のポケットに入れて、再び走り始めました。「これから黒崎温泉へ行ってきます!」という出発のあいさつには、「今年もあそこで食べたいなあ、めぐ海やき」という思いが込められていた事、笑顔で見送ってくれたオネエサマ方に伝わったかな?

遊歩道の先にある黒崎展望台遊歩道の先にある黒崎展望台

 寄り道が多かったせいか、黒崎温泉に到着した頃にはすいぶん日が傾いてきました。みんなの頭の中には帰りの新幹線の心配が…と思いきや、「こっちに遊歩道があるよ!」とIさんが少年のようにはしゃいでいます。そ、そんなキラキラした目で見られたら…行くしかないでしょ。

 ひと回りほど年上の人生の先輩に対して、「仕方ないわねぇ」とお姉さんのような態度で同伴をする私。“自転車って、年齢に関係なく対等な立場で仲良くなれるところがいいですよね!”ということにしておきましょう。

 クリートがついたシューズで5分ほど歩くと、展望台に到着。そこにはまた、言葉で言い表せないほどの絶景が広がっていたのです。

 「キャー、すごーい!」「来てよかったー!」「これは見なきゃ損だねー!」

 さっきまで渋々ついて来たことを忘れて、展望台で一番興奮していたのは、この私です(どっちやねん?! Part2)。 

意外にハードな後半戦

 黒崎温泉を過ぎると、コースは残り半分もありません。昨年参加された方の多くは、「これで終わりだなんて、少し寂しいな」と感じたことでしょう。

富来旗(大漁旗)を飾って参加者を応援してくれた「民宿 志田」のご主人と富来旗(大漁旗)を飾って参加者を応援してくれた「民宿 志田」のご主人と

 しかし、言っておきますが、コースとしての醍醐味はここからです! 前編でも書いた通り、あの片山右京さんをして「走りごたえがある」と言わしめたコースですよ?

 リアス式海岸に沿ってアップダウンが延々と続き、本気で走るとかなりの心拍トレーニングになります。でも、のんびり走れば、この日寝不足でお疲れMAXだったHさんでも完走できました。そんな風に、幅広い層を受け入れてくれる懐の深いコースでもあります。

 1年前は怖いもの知らずだった私。試走では油断していた右京さんに、またイベント当日には、のんびり楽しそうに走っていたTeam UKYOの狩野智也選手にアタックを仕掛け、撃沈しました(隙あり、と思ったのにな~)。

広田半島の海岸線広田半島の海岸線
広田湾に浮かぶ、牡蠣の養殖いかだ広田湾に浮かぶ、牡蠣の養殖いかだ

 養殖いかだが浮かぶ広田湾。清流・気仙川が注ぎ込み栄養豊富なこの湾で育まれた牡蠣(かき)は、「身がふっくらしていて味が濃い」と高い評価を受けていました。しかし、東日本大震災で養殖業は壊滅的な被害を受けてしまいました。

 現在、養殖は再開されているものの、出荷までにはまだ数年かかるそうです。でも、1年前よりいかだの数が増えているところを見ると、広田湾の牡蠣が私たちの食卓に上る日は遠くないかもしれません。ツール・ド・三陸を走った方々が、「あの時の牡蠣かなあ」なんて話をしながら食卓を囲めたら素敵ですね。

「被災地へ行ってみる」という復興支援

 今回はグルメを中心にコースをご紹介しましたが、いかがでしたか。復興支援には様々な形があり、被災地へ行ってみる、というのもそのひとつだと思います。NHK連続テレビ小説がきっかけでもいいと思います。

コース終盤。周りには何もありませんコース終盤。周りには何もありません
JR大船渡線の踏切だった場所。線路跡を利用したバス高速輸送システムが、9月末に供用開始JR大船渡線の踏切だった場所。線路跡を利用したバス高速輸送システムが、9月末に供用開始
スタート&ゴール地点となる高田第一中学の校庭に到着。広い!スタート&ゴール地点となる高田第一中学の校庭に到着。広い!

 一度でも足を運べば、例えば家でテレビを見て「三陸」というワードが出た時に、思い出しますよね。日常生活の中で、被災地へ心寄り添う機会が増えることでしょう。10月6日は都合がつかないという方も、今回のレポートをきっかけに、陸前高田や大船渡に興味を持っていただければ幸いです。

 そして、皆さんが足を運ばれることがあれば、とても嬉しいです。イベント当日にお会いできたら、とってもとっても嬉しいです!

(レポート 日向涼子)

日向 涼子 日向 涼子(ひなた・りょうこ)

企業広告を中心に活動するモデル。食への関心が高く、アスリートフードマイスター・食生活アドバイザー・フードアナリストの資格を持つ。2010年よりロードバイクに親しみ、ヒルクライム大会やロードレース、サイクリングイベントへ多数出場。自転車雑誌「ファンライド」で『銀輪レディの素』を連載中。ブログ『自転車でシャンパンファイトへの道』( http://ameblo.jp/champagne-hinata/ )

「ツール・ド・三陸 サイクリング チャレンジ 2013 in りくぜんたかた・おおふなと」大会概要
 
★レンタルサイクルも用意されました
シティサイクル(内装3段式)…40台 スポーツ車…10台
 ※事前申込状況により台数に変動あり
 
【募集要項・開催概要(抜粋)】
■開催場所:岩手県陸前高田市内及び周辺コース
■開催日程:2013年10月5日(土):大会受付、前日祭
            6日(日):走行イベント、子供自転車教室
■参加種目:健脚コースS(約49km)、健脚コースA/B(約39km)、ファミリーコース(約18km)
■参加者数:800名予定(健脚コース700名、ファミリーコース100名)
 ※上記以外にサイクリングリーダーなどスタッフ約200名が参加
■参加資格:小学生以上の健康な男女で、各コースを制限時間内で完走できる走力を有する方
※小・中学生の申込は保護者の同伴が必要 ※18歳未満の申込は保護者の同意が必要
■参加費用:健脚コース 8,000円、ファミリーコース 3,000円(税込)
※プログラム参加費、記念品、特別補償保険料を含む ※別途エントリー手数料が必要
■申込ページ:スポーツエントリー
■申込締切:9月15日(日) ※定員になり次第締切
 →当初の締切(9月15日)から申込期間が延長されました

■「ツール・ド・三陸」 大会ホームページ

 

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