【フジテレビ商品研究所 優品ズームアップ】走りながら充電、走行距離飛躍的にアップ パナソニック「ビビチャージ」

  • 一覧
前輪に組み込まれた「ビビチャージ」のモーター(透視図)前輪に組み込まれた「ビビチャージ」のモーター(透視図)

 環境への負荷も乗る人への負荷も共に軽減する乗り物として、電動アシスト自転車を利用する人は着実に増えている。パナソニックグループの自転車メーカー、パナソニック サイクルテックでは、グループの技術とノウハウを結集、走りながら充電して走行距離を伸ばすシステムを搭載した「ビビチャージ」シリーズを発売した。

 総合エレクトロニクスメーカーとして知られるパナソニックグループだが、創業者の松下幸之助氏が少年時代自転車店で修業し、創業初期に自ら考案した自転車用ランプを発売するなど、自転車との関わりは深い。戦後自転車事業に本格的に取り組み始めたときから数えても既に60年の歴史を持つ。パナソニックグループには、パナソニック サイクルテックと三洋電機という2つの電動アシスト自転車メーカーがあったが、グループ内事業の統廃合によって、はからずも両者に蓄積された技術とノウハウが統合されて、商品開発に生かされることになった。

 ◆「電池切れ」の不安軽減

 着実に売り上げを伸ばしているとはいえ、年間900万~950万台といわれる一般自転車に比べて、電動アシスト自転車の市場は年間40万台程度。まだまだ消費者に商品知識や使用経験が行き渡った商品とはいいがたい。このため、ユーザーの裾野を広げるためには、商品に対して抱いている不安を取り除くことが必要だ。その不安の一つが充電頻度の問題だ。“走行中に電池が切れてしまうのではないか”“しょっちゅう充電する必要があるのではないか”という不安が、常に消費者からの声の上位に上がってくるという。

乗ったまま充電できる電動アシスト自転車「ビビチャージ」(BE-EKW63)乗ったまま充電できる電動アシスト自転車「ビビチャージ」(BE-EKW63)

 充電1回当たり走行可能な距離を伸ばすために、低負荷で走行中に乗ったままで充電しようというのが「回生充電機能」だ。電動アシスト自転車に限らず、モーターに電気を流すとモーターが回転する。逆に、モーターを外からの力で回転させると電気が発生する。この電力を有効に利用するシステムは、既に、電車やハイブリッド自動車で実用化されている。電動アシスト自転車のモーターはペダル軸の近くに設置され、チェーンを介して後輪を駆動する仕組みになっているもの(センターユニット方式)がほとんどだ。

 アシストが必要な上り坂などでは、重心が後輪側に移るためモーターのパワーを効率良く推進力に変えることができる。

 同社でも、アシスト力重視の「ビビ」シリーズには、一般的なセンターユニット方式を採用している。

「ビビチャージ」の操作パネル。バッテリー残量が一目で分かるほかエコナビ走行時には緑色のランプが点灯する「ビビチャージ」の操作パネル。バッテリー残量が一目で分かるほかエコナビ走行時には緑色のランプが点灯する

 一方、「ビビチャージ」のモーターは、前輪に組み込まれている。下り坂のようにペダルをこがなくても推力が得られる状態で、前輪の回転力でモーターを回し発電機として利用する。モーターを発電機に切り替えるきっかけとしてブレーキレバーの操作を利用するシステムは既に採用されていたが、さらに、ペダルを踏む力を検知して自動的に発電機に切り替える三洋電機の技術を統合してより長い走行距離を実現した。

 ◆前輪にモーター組み込み

 「ビビチャージ」には3つのモードが搭載されており、アシスト力と走行距離のバランスを考えて自分にあったモードが選択できる。「パワーモード」は、アシスト力重視でブレーキ操作をしたときだけ「回生充電」を行う。「オートマチックモード」は、ブレーキ操作に加えてペダルに負荷がかからない下り坂などを検知して「回生充電」を行う。「平地充電モード」は、平地を快適に走行している場合など軽いペダル負荷状態を検知して「回生充電」を行うため走行距離は飛躍的に伸びた。(「パワーモード」の約2.4倍)アシスト運転時のパワーも選択したモードごとに異なっている。「パワーモード」では可能な限り大きなパワーでアシストする。

 「オートマチックモード」はペダルの負荷によってアシスト力を変化させ、「平地充電モード」はアシスト力を控えめにしてより長い距離を走れるように設定されている。グループ共通の省エネキーワード「エコナビ」の名称を付けられたこのシステムは、「ビビ」シリーズにも搭載されている。

 走行距離を伸ばすには大容量のバッテリーを搭載すればよいのだが、容量の大きな重いバッテリーを積むためにはフレームの強度をはじめ車体の設計にも配慮が必要だ。最大16アンペア時という大容量のバッテリーを搭載した機種が用意されているのも、設計から製造まで一貫して自社工場で行っているパナソニック サイクルテックと電池技術に定評のある三洋電機とのコラボレーションの成果だろう。

 ◆低速時の走りより確かに

 2008年に行われた道路交通法施行規則の改正に伴って、電動アシスト自転車のアシスト力は、従来時速15キロまではフルパワーのアシストが可能であったものが同10キロに制限された。その一方でフルパワー時のアシスト力そのものは、人力と同等から人力の2倍まで高められた。体力のない人の低速時の走りをより確かにサポートするメリットが得られた一方、従来にも増してこぎ出し時の注意が必要になった。特に、“けんけん乗り”は絶対にしないこと。強いサポート力で車体が前に持って行かれ、転倒する恐れもある。きちんとサドルにまたがって、スイッチを入れてからこぎ出すという、基本を守ることが何より大切だ。

最大16アンペア時まで用意されている「ビビチャージ」用リチウムイオン電池最大16アンペア時まで用意されている「ビビチャージ」用リチウムイオン電池

【フジテレビ商品研究所】
「企業」「マスコミ」「消費者」をつなぐ専門家集団として1985年に誕生した「エフシージー総合研究所」(東京都品川区、従業員40人)内に設けられた研究機関。「美容科学」「食品料理」「環境科学」「商品」の各研究室で暮らしに密着したテーマについて研究を行っている。

(フジサンケイビジネスアイより)

この記事のコメント

利用規約順守の上ご投稿ください。

関連記事

この記事のタグ

e-BIKE

  • 一覧

新着ニュース

もっと見る

ピックアップ

e-BIKE最新特集

スペシャル

自転車協会バナー

ソーシャルランキング

インプレッション

インプレッション一覧へ

連載