ツール・ド・フランス2012 第17ステージ最後の山岳ステージはバルベルデが勝利、ニバリはチームの攻撃実らず

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 今ツール最後の山岳ステージとなる、第17ステージ。総合優勝を狙う選手にとって、現在総合首位のブラッドリー・ウィギンス(イギリス、スカイ プロサイクリング)を攻撃できる最後のチャンスと言って間違いない。レースは逃げ集団に乗ったアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム)が勝利。メイン集団では総合3位につけているヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、リクイガス・キャノンデール)の動きに期待が集まったが、効果的な攻撃をしかけることができず、ウィギンスとの差をさらに広げてしまった。

区間優勝を飾ったバルベルデ区間優勝を飾ったバルベルデ

 第17ステージは、1級山岳、2級山岳、3級山岳の後に、超級山岳、そしてゴールは1級山岳の山頂と、ピレネーの山岳ステージを締めくくるにふさわしい難関ステージだ。

 最初の1級山岳にさしかかったところで、21名と大きな逃げ集団ができあがる。山岳賞首位のトマ・ヴォクレール(フランス、チーム ヨーロッパカー)と同2位のフレデリック・ケシアコフ(スウェーデン、アスタナ プロチーム)、そしてデニス・メンショフ(ロシア、カチューシャ チーム)やリーヴァイ・ライプハイマー(アメリカ、オメガファルマ・クイックステップ)、バルベルデを含む。

山岳リーダー、ヴォクレールのダウンヒル山岳リーダー、ヴォクレールのダウンヒル

 まずレースを盛り上げたのが、ヴォクレールとケシアコフの山岳賞争い。1級山岳の山頂目指して渾身のアタックをしかけるケシアコフ。一方、ピエール・ローラン(フランス、チーム ヨーロッパカー)がヴォクレールを引き連れてしっかりと追いつく。山頂を前にヴォクレールがしかけ、余裕をもって山頂をトップで通過する。その後の2級山岳と3級山岳も、ヴォクレールとケシアコフの1対1の争いとなり、ことごとくヴォクレールがトップで山頂を通過した。

 その後、小さくなった先頭集団からルイ・コスタ(ポルトガル、モビスター チーム)が抜け出す。後の追走集団にはバルベルデの姿。バルベルデは残り35.7kmで追走集団を抜け出すと、すぐにチームメイトのコスタに追いつき、一気に先頭へ躍り出る。ハイペースで登り続けるバルベルデは、超級山岳を先頭で通過する。その後数人の選手たちを間にはさみ、ヴォクレールがケシアコフより先に超級山岳の頂上を通過した。

 結局この日、ヴォクレールはケシアアコフとのポイント差を11ポイントまで広げることに成功した。このツールを最終日まで完走すれば、山岳賞はヴォクレールのものだ。

上りに挑む新城幸也上りに挑む新城幸也
苦手の山岳コースを走る世界チャンピオン、カヴェンディッシュ苦手の山岳コースを走る世界チャンピオン、カヴェンディッシュ
ニバリをアシストするバッソニバリをアシストするバッソ

 バルベルデが残り15kmを通過すること、2分30秒後のメイン集団ではリクイガス・キャノンデールがコントロールをしていた。ヴォクレールやケシアコフをはじめ、逃げていた選手は続々と吸収されていく。イエール・ヴァネンデル(ベルギー、ロット・ベリソル チーム)がアタックをし、さらにはユルヘン・ヴァンデンブロック(ベルギー、ロット・ベリソル チーム)がアタック。ペースが上がったところで、カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム)は集団から脱落した。

 そしてティボー・ピノ(フランス、エフデジ・ビッグマット)がアタック。新人賞2位ピノは、同じ集団にいる新人賞トップのティージェイ・ヴァンガードレン(アメリカ、BMCレーシングチーム)を少しでも追いつめたい。そんなピノーのアタックによって苦しくなったのが、なんとニバリだった。クリストファー・フルーム(イギリス、スカイ プロサイクリング)がウィギンスのためにさらにペースアップを図ると、他には誰もついてこれなくなってしまった。

最後の上りでアタックするティボー・ピノ最後の上りでアタックするティボー・ピノ
独走でゴールを目指すバルベルデ独走でゴールを目指すバルベルデ

 先頭はバルベルデ。ゴール直前で勝利を確信すると、ジャージの胸に入ったスポンサーロゴを指差しながら、安堵の表情でゴール。ドーピングスキャンダルで2011年のシーズンを棒に振ったバルベルデが、久しぶりにツールでその力を見せつけた。そしてフルームに連れられて、ウィギンスは19秒遅れの3位でフィニッシュした。ニバリは37秒遅れでフィニッシュ。ニバリとの差をさらに18秒広げたウィギンスは、ゴールラインを越えたそのとき、ニヤリと笑ったようにも見えた。

 

第17ステージ結果
1 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) 4時間12分11秒
2 クリストファー・フルーム(イギリス、スカイ プロサイクリング) +19秒
3 ブラッドリー・ウィギンス(イギリス、スカイ プロサイクリング) +19秒
4 ティボー・ピノ(フランス、エフデジ・ビッグマット) +22秒
5 ピエール・ローラン(フランス、チーム ヨーロッパカー) +26秒
6 ユルヘン・ヴァンデンブロック(ベルギー、ロット・ベリソル チーム) +26秒
7 ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、リクイガス・キャノンデール) +37秒
8 ティージェイ・ヴァンガードレン(アメリカ、BMCレーシングチーム) +54秒
9 クリストファー・ホーナー(アメリカ、レイディオシャック・ニッサン) +1分2秒
10 ダニエル・マーティン(アイルランド、ガーミン・シャープ・バラクーダ) +1分11秒
78 新城幸也(日本、チーム ヨーロッパカー) +16分6秒

個人総合(マイヨジョーヌ)
1 ブラッドリー・ウィギンス(イギリス、スカイ プロサイクリング) 78時間28分2秒
2 クリストファー・フルーム(イギリス、スカイ プロサイクリング) +2分5秒
3 ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、リクイガス・キャノンデール) +2分41秒
4 ユルヘン・ヴァンデンブロック(ベルギー、ロット・ベリソル チーム) +5分53秒
5 ティージェイ・ヴァンガードレン(アメリカ、BMCレーシングチーム) +8分30秒
6 カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム) +9分57秒
7 アイマル・スベルディア(スペイン、レイディオシャック・ニッサン) +10分11秒
8 ピエール・ローラン(フランス、チーム ヨーロッパカー) +10分17秒
9 ヤネズ・ブライコヴィッチ(スロベニア、アスタナ プロチーム) +11分0秒
10 ティボー・ピノ(フランス、エフデジ・ビッグマット) +11分46秒
83 新城幸也(日本、チーム ヨーロッパカー) +2時間18分29秒

ポイント賞(マイヨヴェール)
1 ペテル・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール) 356 pts
2 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル チーム) 254 pts
3 マシュー・ゴス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) 203 pts
4 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、スカイ プロサイクリング) 130 pts
5 エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、スカイ プロサイクリング) 127 pts
6 ブラッドリー・ウィギンス(イギリス、スカイ プロサイクリング) 124 pts

山岳賞(マイヨアポワ)
1 トマ・ヴォクレール(フランス、チーム ヨーロッパカー) 134 pts
2 フレデリック・ケシアコフ(スウェーデン、アスタナ プロチーム) 123 pts
3 クリスアンカー・ソレンセン(デンマーク、チーム サクソバンク・ティンコフバンク) 77 pts
4 ピエール・ローラン(フランス、チーム ヨーロッパカー) 63 pts
5 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) 51 pts
6 クリストファー・フルーム(イギリス、スカイ プロサイクリング) 48 pts

新人賞(マイヨブラン)
1 ティージェイ・ヴァンガードレン(アメリカ、BMCレーシングチーム) 78時間36分32秒
2 ティボー・ピノ(フランス、エフデジ・ビッグマット) +3分16秒
3 スティーフェン・クルイシュウィック(オランダ、ラボバンク サイクリングチーム) +1時間38秒

チーム総合
1 レイディオシャック・ニッサン 235時間40分21秒
2 スカイ プロサイクリング +14分0秒
3 BMCレーシングチーム +36分21秒

敢闘賞
アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム)

 
(文 須賀川健一/写真 砂田弓弦)

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