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山田美緒の「旅する満点バイク」<16>「フォロー・ザ・ウーマン」、ヨルダンの首都・アンマンを駆ける自転車集団を激写する男性陣! 憧れの死海へ

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ノルウェーとオランダからの参加者にはさまれて撮影する山田さん=ヨルダン・アンマン(2008年)ノルウェーとオランダからの参加者にはさまれて撮影する山田さん=ヨルダン・アンマン(2008年)

 平和を願って中東を走る「フォロー・ザ・ウーマン」のスタート、レバノンシリアと走り、3カ国目にはヨルダンを訪れました。

 ヨルダンではまず首都アンマンを30kmほどサイクリングしました。朝のラッシュの時間帯、大通りは片側4車線あるにもかかわらずすごい渋滞でした。私たちは車道の右端を2列で走りますが、あちこちで鳴り響くクラクションにドキドキ。住宅地へ入ってほっとしたのもつかの間、地面が石畳! しかも上りでかなり走りにくい! 押して歩いている人もいましたが、私は立ちこぎをしながらなんとか上りきりました。

アンマンの街を見渡せるカフェで休憩アンマンの街を見渡せるカフェで休憩
アート作品のようなアンマンの街並みアート作品のようなアンマンの街並み

 やっとの思いで到着した休憩所のカフェからは、アンマン市内が見渡せました。どの建物もベージュのような土壁でアート作品のようでした。

 休憩後は再び石畳を下り、市場やモスクのある市内中心部へ。私は怖くてスピードが出せませんでしたが、「気持ちいいー!」と上りが遅い人ほど下りは速いようでした。

市場でカラフルなスカーフが並んだお店市場でカラフルなスカーフが並んだお店
アフガンスカーフとTシャツをもらいましたアフガンスカーフとTシャツをもらいました
「フォロー・ザ・ウーマン」で走行中の私たちを激写するおじさんたち「フォロー・ザ・ウーマン」で走行中の私たちを激写するおじさんたち

 女性の自転車集団は相当目立つようで、市場など人の多いところを走っているとあちこちで携帯写真を撮られました。私からしたら、眉をしかめて携帯を覗き込む髭のおじさんたちたちというのは面白い光景でした。

 そして翌日、死海へ向けて30kmほどのサイクリングです。死海は海抜がマイナス418m。途中ランチをとったマダバ市からはおよそ10kmずっと下り道でした。マダバ市では涼しかったのですが、標高が下がるにつれてだんだんと蒸し暑くなっていきました。

 「Dead Sea」(死海)の看板が見え、とうとう死海が見えたときには「わぁぁ」と思わず声を上げました。日も暮れてきて、私もほかのメンバーたちも死海へ入りたくてうずうず…「解散!」の声がかかるとともに、自転車をとめて、靴と服を脱いでGO!

 「痛いー!!」

 死海の塩分濃度は30%を超えています。皮膚が弱かったり、傷があったりすると叫ぶほどの痛さ。水温はぬるま湯のようで心地いいのですが、長く入っていると何もない肌でもヒリヒリしてきます。

死海で浮いた!死海で浮いた!

 死海といったら、小学校のころ社会の教科書で見たプカプカ浮いて新聞を読んでいる人の写真がとても印象に残っています。よし、あれを私もやってみようと恐る恐る脚を上げ身体を傾けると…浮いた! あの頃は、世界にはこんな場所があるんだ、いつか自分もこんなところにいけたらと思っていました。生ぬるい死海に浮んでぼんやりとしながら、今ここにいることは夢のようだと感じていました。

 ふと、対岸には翌日に向かうパレスチナのジェリコという町、そして山とその奥にはイスラエルの町の灯りが見えました。

 「きゃー、身体が浮くー」…周りを見ると、ほかのメンバーたちも浮いたり手を繋いでくるくる回ったりしています。こちらはこんなに平和なのに…自由に旅ができないパレスチナの人々を想うとともに、自由に旅ができて夢を叶えられるチャンスが私たちにはあることを、しみじみとありがたく思いました。

文・イラスト・写真 山田美緒

山田美緒山田美緒(やまだ・みお)
大阪府生まれ。サイクリストとして世界中を旅してきたほか、一般社団法人コグウェイを設立し、「四国ディスカバリーライド」などを主催。著書に、アフリカ大陸縦断記をまとめた『マンゴーと丸坊主』、女性サイクリストたちとの旅や交流の体験記『満点バイク』がある。ブログURL(http://mantem.exblog.jp/)

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