砂田弓弦さんが撮った! あこがれの北海道サイクリング夏はサイクルリゾートに変貌 雄大な自然を駆け抜け、北のグルメを堪能できるニセコの魅力

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北海道倶知安町(くっちゃんちょう)は、世界中からスキーヤーやスノーボーダーが集うウィンター・リゾート「ニセコ」のベースタウン。しかしここ2~3年は、夏場のサイクルリゾートとしても注目が高まり、海外からサイクリングツアー客も訪れるようになった。地元では3年前から「ニセコHANAZONOヒルクライム」を開催するなど、自転車を通じた観光振興に本腰を入れている。サイクリストにとってニセコの魅力とは? 今年のヒルクライム大会から一夜明けた8月5日、自転車チーム「LEGON」(レゴン)がニセコ周辺で行った日帰りサイクリングに、フォトグラファーの砂田弓弦さんと共に同行して、サイクルリゾートとしてのニセコエリアの魅力に迫った。

(レポート 葛西奈津子)

午前4時には霧が立ち込めるさわやかな朝を迎えるニセコ。この日の集合時間には、すでにモーニングライドを済ませてきたメンバーも午前4時には霧が立ち込めるさわやかな朝を迎えるニセコ。この日の集合時間には、すでにモーニングライドを済ませてきたメンバーも

 

スキーロッカーを自転車置き場に

 グラン・ヒラフスキー場のゴンドラ乗り場のすぐ近く。赤と黒の木の壁が印象的な「ゴンドラシャレー」がある。ここはヒルクライム大会のオフィシャルツアーの宿で、3年前から毎年、LEGONのメンバーが宿泊している。LEGONは、俳優でサイクリストでもある鶴見辰吾さんをリーダーとし、過去2年は鶴見さん自身もゲストとして大会に参加していた。

 ゴンドラシャレーは、リビング、キッチン、ランドリーなどが備わるコンドミニアム。ニセコにはこのような長期滞在向けの豪華な宿が多数ある。スキーを収納したりスキーブーツを履くためにゆったりとしたスペースがとられており、そこは自転車を保管するのにも都合がよい。

「ゴンドラシャレー」は、2階建て、1~5ベッドルーム、3バス、フルキッチン付のメゾネットタイプのコンドミニアム「ゴンドラシャレー」は、2階建て、1~5ベッドルーム、3バス、フルキッチン付のメゾネットタイプのコンドミニアム
ゴンドラシャレーのツインベッドルームゴンドラシャレーのツインベッドルーム

 朝7時、ゴンドラシャレー前にLEGONメンバーと地元のサイクリスト、それにニセコに滞在中の外国人観光客ら約20人が集まった。砂田さんによる撮影という特典つきの、豪華なサイクリングがスタート。この日の目的地は、ニセコから北へ約50kmの余市(よいち)町だ。旬のウニを食べることが、コース前半のモチベーションとなった。

ニセコに滞在中の外国人観光客も、サイクリングに加わった。頭上の矢印は、路肩を示す豪雪地帯ならではのサインニセコに滞在中の外国人観光客も、サイクリングに加わった。頭上の矢印は、路肩を示す豪雪地帯ならではのサイン

 

北海道は広い! 信号が少ない! 日が長い!

きれいなトレインは、日頃のトレーニングの賜物。マナーよい走りがニセコには似合う!きれいなトレインは、日頃のトレーニングの賜物。マナーよい走りがニセコには似合う!
砂田さんに撮られています!砂田さんに撮られています!

 朝日で輝く羊蹄山に見送られ、スキー場から麓の国道5号線までは気持ちの良いダウンヒル。ここは北緯43度と緯度が高いので、夏休みシーズンは昼の長さが東京より30分~1時間以上も長い。サイクルリゾートたる理由の1つだ。

 余市で人気の「柿崎商店 海鮮工房」へ、開店と同時に入店しようと、往路は最短距離となる国道5号線をひた走った。「信号が少ないね~」と砂田さんも驚くほど、スムーズに進む交通環境。信号待ちのわずらわしさなどなく、追い風にのって楽々、余市に到着した。

 

海の幸、フルーツ、そして…

 余市は、日本海に面した丘陵の町。夏は温暖で乾燥し、冬は厳しい風雪が吹きすさぶ。独特の気候がもたらすのは、海の幸と、ブドウをはじめとする果物の実り、そして各種の酒造り。

 「柿崎商店」に到着した一行は、注文して席に着き、待つことしばし。お待たせしました、北海道の海の幸を召し上がれ!

今回のサイクリングの目的は、余市で旬のウニ! 行列ができる人気店のため、開店の10時に到着するよう、ひた走ったおかげで全員着席混雑する前に「柿崎商店」に到着し、全員着席することができた
砂田さんも思わずかけよって撮影した、ウニ丼と鉄砲汁のセット砂田さんも思わずかけよって撮影した、ウニ丼と鉄砲汁のセット
これが砂田さんオーダーのウニ丼。砂田さん、フェイスブックに一言。「余市でウニ丼食べてます。ビールはノンアルコールだし、辛い仕事です(笑)」これが砂田さんオーダーのウニ丼。砂田さん、フェイスブックに一言。「余市でウニ丼食べてます。ビールはノンアルコールだし、辛い仕事です(笑)」
ウニ丼と鉄砲汁のセットにかけよる砂田さんウニ丼と鉄砲汁のセットにかけよる砂田さん
ニッカウヰスキー余市蒸溜所。優れたシングルモルトを無料で試飲できるほか、レストランやショップが充実している。砂田さん、余市工場限定のシングルモルトをお買い上げニッカウヰスキー余市蒸溜所。砂田さん、余市工場限定のシングルモルトをお買い上げ

 食後、LEGONのメンバーがホッケやウニなどの買い物を楽しんでいる間に、砂田さんはすぐ近くの「ニッカウヰスキー余市蒸溜所」へ。こちらは、英国スコットランドに似た気候がウイスキー作りに適しているとして、1936年に竹鶴政孝が醸造所を創設したものだ。「余市」「竹鶴」など世界のウイスキーファンに愛される銘酒を生んでいる。優れたシングルモルトを無料で試飲できるほか、レストランやショップも充実している。

気分はツール・ド・フランス

ブドウ畑を背景にブドウ畑を背景に

 余市からニセコへの帰路は、少々距離とアップダウンはあるが、景色のよい別ルートを走ることにした。まずは「フルーツ街道」と名づけられた道を進む。小樽市から余市町を抜けて仁木町まで続く広域農道で、総延長は約20km。さくらんぼ、プルーン、りんごなどの栽培農家が点在する。

余市は日当たりがよい傾斜地を利用してブドウの生産がさかん。サイクリストにはちょっときついアップダウンが続く余市は日当たりがよい傾斜地を利用してブドウの生産がさかん。サイクリストにはちょっときついアップダウンが続く
「サイクリング楽し~」と思わず笑顔の筆者「サイクリング楽し~」と思わず笑顔の筆者

 丘陵地を上っていくと、景色が開け、両側にはブドウ棚が広がった。ツール・ド・フランスを思わせる景色と陽光に、サイクリストなら誰でも笑顔がこぼれる。砂田さんの顔にもいっぱいの笑みが。

 ブドウ畑を見たあとは、ワイナリーへ! 「ウイスキーのあとはワイン。ワイナリーだって。こりゃ参ったなあ」(砂田さん)

遠くに海が見える余市の絶景ポイント遠くに海が見える余市の絶景ポイント
フルーツ街道で最初の立ち寄り地は、山本観光農園。ここで手作りのアップルパイやりんごジュースを味わうフルーツ街道で最初の立ち寄り地は、山本観光農園。ここで手作りのアップルパイやりんごジュースを味わう
山本観光果樹園に掲げられた、趣のある看板山本観光果樹園に掲げられた、趣のある看板

 

緑あふれるルート393は、通称メープル街道

 フルーツ街道をゆったり走ること十数分。余市ワイナリーでは、ワインを買う人、カフェでソフトクリームを食べる人、レストランで冷たい水をボトルに入れてもらう人など、思い思いに楽しんだ。そう、ニセコを含む羊蹄山麓からこの余市辺りにかけては、雪解け水が湧き出るために水がおいしい土地柄。水道水も年中冷たく、そのまま飲んで十分においしい。付近のあちこちに水を汲むことができる湧水ポイントがあるのも、サイクリストには好評だ。

「限定とか業務用っていう言葉に弱いんだよね」(砂田さん談)「限定とか業務用っていう言葉に弱いんだよね」(砂田さん談)
太陽と緑が輝く北海道の夏。思わず、「あ~気持ちいいね~」と芝生に寝転ぶ砂田さん太陽と緑が輝く北海道の夏。思わず、「あ~気持ちいいね~」と芝生に寝転ぶ砂田さん
余市ワイナリーは、余市葡萄酒醸造所の敷地内に2011年オープンしたばかりの施設余市ワイナリーは、余市葡萄酒醸造所の敷地内に2011年オープンしたばかりの施設
余市ワイナリーにはショップとレストランが併設されている余市ワイナリーにはショップとレストランが併設されている

 ここからはニセコを目指して一路、通称“メープル街道”と親しまれる国道393号線へ。夏は濃い緑、秋には黄金色の紅葉、そして春先にはなんとピンク色の「春紅葉」と、彩りを変える美しいルートである。ただし、この日は厳しい向かい風に立ち向かわなければならなかった。参加メンバーはトレインを組んで黙々と走り、最後は峠の頂上をめがけてアタック。あとは壮大なダウンヒルを楽しみながら帰ろう。走行距離122km、獲得標高差1300m。ハードでおいしいサイクリングが終わった。

緑の中を走るメープル街道緑の中を走るメープル街道
見事なチームワーク、トレインを組んで向かい風を攻略見事なチームワーク、トレインを組んで向かい風を攻略

 

一日の疲れを癒すのは、食と温泉

 今回、砂田さんが滞在した宿は、いずれも食と温泉が自慢の2カ所。ゲレンデサイドの「ホテルニセコアルペン」は、夏季はゴンドラを使ってアクセスするMTBダウンヒルコースと、屋外バーベキューがオススメだ。炭で焼きながら食べるジンギスカンや旬の野菜は、サイクリングの後なら格別のおいしさに感じられる。

今夏オープンした屋外バーベキュー施設今夏オープンした屋外バーベキュー施設
ボリュームいっぱいボリュームいっぱい
やわらかな泉質の温泉大浴場が人気。ニセコには、泉質の異なる日帰り温泉施設も20か所以上点在するやわらかな泉質の温泉大浴場が人気。ニセコには、泉質の異なる日帰り温泉施設も20か所以上点在する
冬季のスキー用ゴンドラが、夏はMTBダウンヒル用に冬季のスキー用ゴンドラが、夏はMTBダウンヒル用に

 「シャレーアイビー」は、2012年にオープンしたばかりのスモールラグジュアリーホテル。地下にはスキーロッカーと温泉。レストランでは、ホテルの契約農家でつくった有機野菜をメインに、見た目も美しい料理が提供される。

今回の滞在で砂田さんが宿泊したスモールラグジュアリーホテル「シャレーアイビー」今回の滞在で砂田さんが宿泊したスモールラグジュアリーホテル「シャレーアイビー」
シャレーアイビーに宿泊した砂田さんは、「食事はとてもおいしいし、雰囲気もよく、従業員の方々も親切なとても良いホテルです。部屋の窓からは、蝦夷富士こと、羊蹄山が見えます」と大満足シャレーアイビーに宿泊した砂田さんは、「食事はとてもおいしいし、雰囲気もよく、従業員の方々も親切なとても良いホテルです。部屋の窓からは、蝦夷富士こと、羊蹄山が見えます」と大満足

 泉質豊かな温泉めぐり、四季折々の自然の移ろいと食の恵み、そして今年8月31日に開催される第1回アイアンマン・ジャパン北海道のバイクコース試走など、サイクリストにとって楽しみは尽きない。

ニセコはトマトの名産地。なかでもLa La Laファームのトマトはフルーツのように甘く、ジュースやドライトマトなどの製品も絶品ニセコはトマトの名産地。なかでもLa La Laファームのトマトはフルーツのように甘く、ジュースやドライトマトなどの製品も絶品
地元の倶知安農業高校の生徒たちは、特産のじゃがいもをつかったスポーツバーを開発中。ヒルクライム大会の参加選手にモニター試食・アンケート調査を行った地元の倶知安農業高校の生徒たちは、特産のじゃがいもをつかったスポーツバーを開発中。ヒルクライム大会の参加選手にモニター試食・アンケート調査を行った
ヒルクライムの大会本部隣は、地元で人気のカフェSPROUT。この日は店先にハーブ豚と有機野菜のグリルが登場。羊蹄山麓の真狩村(まっかりむら)より、ニセコのアスリート御用達「ハーブ豚料理の店 一ふじ」。めずらしく二日酔いの砂田さんはあいにく見てるだけヒルクライムの大会本部隣は、地元で人気のカフェSPROUT。この日は店先にハーブ豚と有機野菜のグリルが登場。羊蹄山麓の真狩村(まっかりむら)より、ニセコのアスリート御用達「ハーブ豚料理の店 一ふじ」。めずらしく二日酔いの砂田さんはあいにく見てるだけ
ゲレンデ近くに2012年オープンしたリズムサイクルズ。本格的なロードバイクやMTBのレンタル、販売、ガイドツアーなどのサービスを提供©Glen Claydonゲレンデ近くに2012年オープンしたリズムサイクルズ。本格的なロードバイクやMTBのレンタル、販売、ガイドツアーなどのサービスを提供©Glen Claydon

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 砂田さん、そしてLEGONのサイクリストの皆さんと駆け足で巡ったニセコと道央のサイクリング&グルメ・観光スポット。夏の北海道の中でも、ニセコエリアは景観、宿泊、道路環境、利便性などさまざまな点でサイクリングに適した条件が揃っている。日帰りサイクリングにとどまらず、何日滞在しても、走りたいと思うコースは尽きないことだろう。

 砂田さん、こんどは一緒にニセコでサイクリングしましょうね!


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