ツール・ド・フランス2012 第16ステージ超級オービスク峠で輝いた新城 ヴォクレールがステージ2勝目&山岳賞ジャージ奪取

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 ツール・ド・フランス第16ステージは7月18日、ポーからバニェール・ド・ルションまでの197kmで争われた。この日はピレネー山脈で2つの超級山岳と2つの1級山岳を越える難関ステージ。序盤に形成された38人の逃げ集団の中に新城幸也(日本、ヨーロッパカー)とトマ・ヴォクレール(フランス、ヨーロッパカー)が入った。新城の献身的なアシストもあって、ヴォクレールは山岳ポイントを着々と加算。最後はライバルたちを振り切ったヴォクレールが今大会2勝目を挙げ、山岳リーダーにも躍り出た。総合トップの座はブラッドリー・ウィギンス(イギリス、スカイ プロサイクリング)が守った。

エースのトマ・ヴォクレールを支える新城幸也エースのトマ・ヴォクレールを支える新城幸也

 2回目の休息日を終えて、レースはいよいよピレネー決戦を迎えた。この日だけでオービスク峠(カテゴリー超級)、ツールマレー峠(超級)、アスパン峠(1級)、ペイルスルド峠(1級)を越える厳しい設定。かつていくつもの名勝負が繰り広げられた、ピレネーを代表する峠ばかりだ。

フランク・シュレクのドーピング陽性反応を受けてマスコミの取材を受けるレイディオシャック・ニッサンのプレスオフィサーフランク・シュレクのドーピング陽性反応を受けてマスコミの取材を受けるレイディオシャック・ニッサンのプレスオフィサー

 スタート地点には、前日にドーピング検査での陽性が発覚したフランク・シュレク(ルクセンブルク、レイディオシャック・ニッサン)は姿を見せなかった。

 レースはスタート直後からアタックの応酬となり、序盤に38人が逃げグループを形成。最初のオービスク峠では、新城幸也がヴォクレールを山頂手前まで牽引してリードアウト。山岳賞ジャージを着るフレドリック・ケシアコフ(スウェーデン、アスタナ)を抑えてヴォクレールがオービスク峠を先頭で通過、新城自身も3位で通過した。

エスケープグループで果敢に走る新城幸也エスケープグループで果敢に走る新城幸也

 その後もヴォクレールは力強く逃げ続け、カテゴリー超級のツールマレー峠、カテゴリー1級のアスパン峠もトップで通過する。そして、最後のカテゴリー1級のペイルスルド峠ではライバル達を振り切って独走を開始、そのままゴールまで逃げ続け、見事に今大会2度目のステージ優勝を飾るとともに、ケシアコフから山岳賞ジャージを奪い取った。

最後の上りをクリアーするトマ・ヴォクレール最後の上りをクリアーするトマ・ヴォクレール
再び山岳リーダーとなってマイヨ・ブラン・ア・ポワ・ルージュを着るトマ・ヴォクレール再び山岳リーダーとなってマイヨ・ブラン・ア・ポワ・ルージュを着るトマ・ヴォクレール
アスパン峠でヴィンチェンツォ・ニバリをアシストするリクイガス・キャノンデールのイヴァン・バッソ。後方でブラッドリー・ウィギンスがピッタリとマークしているアスパン峠でヴィンチェンツォ・ニバリをアシストするリクイガス・キャノンデールのイヴァン・バッソ。後方はマイヨジョーヌのブラッドリー・ウィギンス

 このピレネーの決戦の場で、エース達による個人総合の攻防もさらにデッドヒートした。ペイルスルド峠で総合3位のヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、リクイガス・キャノンデール)が逆転を賭けたアタックをすると、ブラッドリー・ウィギンス(イギリス、スカイプロサイクリング)とクリス・フルーム(イギリス、スカイプロサイクリング)がきっちりと反応。ニバリのアタックを難なく封じ込めて、ワンツー体制をしっかりと守っている。

 一方、総合4位のカデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム)はこれらのアタックに耐えきれず、早々に遅れてしまう。結局、エヴァンスはトップから11分56秒遅れの35位でフィニッシュ。総合でも8分6秒遅れの7位に後退し、事実上総合優勝争いから脱落した。
 

落車しジョージ・ヒンカピー(左)と、大きく遅れたカデル・エヴァンス。傷ついた2人は手を取り合ってフィニッシュした落車したジョージ・ヒンカピー(左)と、大きく遅れたカデル・エヴァンス。傷ついた2人は手を取り合ってフィニッシュした

第16ステージ結果
1 トマ・ヴォクレール(フランス、チーム ヨーロッパカー) 5時間35分2秒
2 クリスアンカー・ソレンセン(デンマーク、チーム サクソバンク・ティンコフバンク) +1分40秒
3 ゴルカ・イサギレ(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ) +3分22秒
4 アレクサンドル・ヴィノクロフ(カザフスタン、アスタナ プロチーム) +3分22秒
5 ブリース・フェイユー(フランス、ソール・ソジャサン) +3分58秒
6 イェンス・フォイクト(ドイツ、レイディオシャック・ニッサン) +4分18秒
7 ダニエル・マーティン(アイルランド、ガーミン・シャープ・バラクーダ) +6分0秒
8 シモーネ・ストルトーニ(イタリア、ランプレ・ISD) +6分0秒
9 ジャンパオロ・カルーゾ(イタリア、カチューシャ チーム) +6分0秒
10 ローレンス・テンダム(オランダ、ラボバンク サイクリングチーム) +6分11秒
74 新城幸也(日本、チーム ヨーロッパカー) +22分15秒

個人総合(マイヨジョーヌ)
1 ブラッドリー・ウィギンス(イギリス、スカイ プロサイクリング) 74時間15分32秒
2 クリストファー・フルーム(イギリス、スカイ プロサイクリング) +2分5秒
3 ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、リクイガス・キャノンデール) +2分23秒
4 ユルヘン・ヴァンデンブロック(ベルギー、ロット・ベリソル チーム) +5分46秒
5 アイマル・スベルディア(スペイン、レイディオシャック・ニッサン) +7分13秒
6 ティージェイ・ヴァンガードレン(アメリカ、BMCレーシングチーム) +7分55秒
7 カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム) +8分6秒
8 ヤネズ・ブライコヴィッチ(スロベニア、アスタナ プロチーム) +9分0秒
9 ピエール・ローラン(フランス、チーム ヨーロッパカー) +10分10秒
10 ティボー・ピノ(フランス、エフデジ・ビッグマット) +11分43秒
87 新城幸也(日本、チーム ヨーロッパカー) +2時間2分42秒

ポイント賞(マイヨヴェール)
1 ペテル・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール) 356 pts
2 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル チーム) 254 pts
3 マシュー・ゴス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) 203 pts
4 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、スカイ プロサイクリング) 130 pts
5 エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、スカイ プロサイクリング) 127 pts
6 ブラッドリー・ウィギンス(イギリス、スカイ プロサイクリング) 109 pts

山岳賞(マイヨアポワ)
1 トマ・ヴォクレール(フランス、チーム ヨーロッパカー) 107 pts
2 フレデリック・ケシアコフ(スウェーデン、アスタナ プロチーム) 103 pts
3 クリスアンカー・ソレンセン(デンマーク、チーム サクソバンク・ティンコフバンク) 77 pts
4 ピエール・ローラン(フランス、チーム ヨーロッパカー) 55 pts
5 ブリース・フェイユー(フランス、ソール・ソジャサン) 38 pts
6 ダニエル・マーティン(アイルランド、ガーミン・シャープ・バラクーダ) 34 pts

新人賞(マイヨブラン)
1 ティージェイ・ヴァンガードレン(アメリカ、BMCレーシングチーム) 74時間23分27秒
2 ティボー・ピノ(フランス、エフデジ・ビッグマット) +3分48秒
3 スティーフェン・クルイシュウィック(オランダ、ラボバンク サイクリングチーム) +45分26秒

チーム総合
1 レイディオシャック・ニッサン 222時間58分15秒
2 スカイ プロサイクリング +17分18秒
3 アスタナ プロチーム +28分53秒

敢闘賞
トマ・ヴォクレール(フランス、チーム ヨーロッパカー)

 
(文 仲沢 隆/写真 砂田弓弦)

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