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福光俊介の「週刊サイクルワールド」<22>サイクルロードレースシーズンは後半戦へ 有力選手の動向とブエルタ前哨戦展望

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 サイクルロードレースシーズンは、ツール・ド・フランスが終わり、中間地点といったところ。大熱狂の3週間を終え、ドッと疲れを感じている方もいらっしゃるかもしれません。ですが、シーズン後半戦本格化はまもなく。再び熱い日々を過ごすべく、徐々に心身の準備を進めていきたいところです。


ブエルタ・ア・エスパーニャ、世界選手権などを目指すビッグネームの動向

今年のジロの覇者、ニバリがブエルタ参戦今年のジロの覇者、ニバリがブエルタ参戦

 シーズン後半もレースは目白押しだが、その中でもブエルタ・ア・エスパーニャと世界選手権の注目度は必然的高くなるところ。この時期になり、有力選手たちが少しずつ両レースへの参加意思を表明している。

 8月24日から9月15日まで開催のブエルタ・ア・エスパーニャには、ジロ・デ・イタリア総合優勝のヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、アスタナ プロチーム)が出場予定。ダブルツールを目指し、ジロで彼を支えた強力アシスト陣とともにスペインへと乗り込む。

 それを迎え撃つスペイン勢は、ホアキン・ロドリゲス(カチューシャ チーム)、アレハンドロ・バルベルデ(モビスター チーム)、サムエル・サンチェス(エウスカルテル・エウスカディ)ら。ツール総合3位のロドリゲスはグランツール連戦となるが、頂上ゴールが11ステージに上ることもあり、初の総合優勝への視界は良好。同じく連戦となるバルベルデは、ツールでは不本意な形で総合順位を落としたが、その直後にブエルタ参戦を表明。ジロで思うように結果を残せなかったサンチェス同様、総合優勝への執念を見せるはずだ。

今年の3大ツール全出場となるロドリゲス今年の3大ツール全出場となるロドリゲス
名誉挽回を図るバルベルデ名誉挽回を図るバルベルデ

 フィジカルの問題でジロ欠場を余儀なくされたイヴァン・バッソ(イタリア、キャノンデール プロサイクリング)は、順調に夏場のトレーニングを消化。ツール総合6位、同13位のバウケ・モレマ、ローレンス・テンダム(ともにオランダ、ベルキン プロサイクリング)もコンビでブエルタのスタートラインに立つ予定だ。

 総合系ライダー以外では、ファビアン・カンチェッラーラ(スイス、レイディオシャック・レオパード)が出場する旨を早くから表明。世界選手権個人タイムトライアルでのマイヨ・アルカンシエル奪還を目指し、最終調整の場にブエルタを選んだ。

今年初グランツール出場となるバッソ今年初グランツール出場となるバッソ
「北のクラシック王者」に君臨するカンチェッラーラがTT王者も狙う「北のクラシック王者」に君臨するカンチェッラーラがTT王者も狙う

 少し気が早いが、世界選手権にまで視野を広げると、ブラッドリー・ウィギンス(イギリス、スカイ プロサイクリング)が個人タイムトライアルで頂点を狙うと明言。現在開催中のツール・ド・ポローニュで、途中リタイアに終わったジロ以来のレースに臨んでいる。その後マヨルカ島での合宿を行い、ツアー・オブ・ブリテン(9月15~22日)を最終調整に充てる。ツール総合優勝のクリストファー・フルーム(イギリス、スカイ プロサイクリング)、同じく総合2位のナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム)も次の目標を世界選手権としている。世界選手権は、9月22日から29日までの日程だ。なお、出場国枠は8月15日時点のランキングで決まることとなる。

 ブエルタ、世界選手権ともに、これから次々と出場選手が明らかになる。しばらくは、発表される情報を注視していきたい。

ツール直後のレース、ブエルタ前哨戦を整理

トニー・ガロパン(フランス、レイディオシャック・レオパード)トニー・ガロパン(フランス、レイディオシャック・レオパード)

 ツール閉幕後の選手たちは、ヨーロッパ各地で行われる「ポストツールクリテ」で顔見せ巡業を行っている。4賞に輝いた選手たちは獲得ジャージを着用し、ファンからの賞賛を受けながら、その走りを披露するのだ。

 一方で、“公式戦”にあたるUCIレースも進行中。UCIワールドツアーレースでは、7月27日のクラシカ・サン・セバスティアン(スペイン)でトニー・ガロパン(フランス、レイディオシャック・レオパード)が優勝。後半に4つの山岳を通過する難コースだが、最後の2級山岳でアタック。ゴールまでの約16kmを独走した。

 現在開催中なのは、ツール・ド・ポローニュ。7月27日に開幕した今回は、初のイタリアスタート。大会スポンサーであるトレンティーノ・マーケティング社のお膝元であるトレンティーノ=アルト・アディジェ州で2ステージを行った。マドンナ・ディ・カンピリオ頂上ゴールの第1ステージはディエーゴ・ウリッシ(イタリア、ランプレ・メリダ)が、パッソ・ポルドイ頂上ゴールの第2ステージは、ツールでの活躍も鮮やかだったクリストフ・リブロン(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアル)が優勝。イタリアでの2日間ともに上位ゴールのラファル・マイカ(ポーランド、チーム サクソ・ティンコフ)が総合トップに立ち、30日からの舞台となるポーランドステージに凱旋している。

 また、7月23日から28日までフランスで開催されたツール・アルザス(UCI2.2)では、ブリヂストン・アンカーの清水都貴が大活躍。第3ステージで2位に入り、一時は総合優勝を争う位置に。最終的に総合13位、そして山岳賞を獲得した。

今週の爆走ライダー-クリストフ・リブロン(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアル)

「爆走ライダー」とは…
1週間のレースの中から、印象的な走りを見せた選手を「爆走ライダー」として大々的に紹介! 優勝した選手以外にも、アシストや逃げなどでインパクトを残した選手を積極的に選んでいきたい。

ツール第18ステージ、ラルプ・デュエズ頂上ゴールを制したリブロンツール第18ステージ、ラルプ・デュエズ頂上ゴールを制したリブロン

 山岳逃げ巧者でありながら、「ボクはいつも負ける役回り」。“逃げ屋”にとって絶好のチャンスだったツール・ド・フランス第16ステージでも2位と、いつもの役を引き受けてしまった。

 しかし、すべては2日後に変わった。伝説の山、ラルプ・デュエズを制し、フランスに4日遅れの革命記念日をもたらしたのだ。これが決め手となり、文句なしのスーパー敢闘賞を獲得。3年前のツールでは、アクス・トロワ・ドメーヌの頂上ゴールを制しており、彼にとって数少ない勝利は難攻不落の山々を制したものだ。

 ツール後も元気さを見せる。現在開催中のツール・ド・ポローニュは、「チームのUCIポイントのために出場している」と言いながら、クイーンステージとも言われるパッソ・ポルドイを独走で駆け上ってしまった。

 ツール期間中には、日々エスカレートしたメディアによるフルームバッシングに対し、止めるよう選手を代表してコメント。成功も失敗も経験してきたベテランは、これからプロトン全体のキャプテンとして選手・ファンから愛される選手となるに違いない。

リブロンはツールの大会全日程を通しての「スーパー敢闘賞」も獲得したリブロンはツールの大会全日程を通しての「スーパー敢闘賞」も獲得した

文 福光俊介・写真 砂田弓弦

福光俊介福光俊介(ふくみつ・しゅんすけ)
自転車ロードレース界の“トップスター”を追い続けて数十年、気がつけばテレビやインターネットを介して観戦できるロード、トラック、シクロクロス、MTBをすべてチェックするレースマニアに。2011年、ツール・ド・フランス観戦へ実際に赴いた際の興奮が忘れられず、自身もロードバイク乗りになる。自転車情報のFacebookページ「suke’s cycling world」も充実。本業は「ワイヤーママ徳島版」編集長。

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