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栗村修の“輪”生相談<3>50代女性「100万円のバイクと20万円のバイクの違いってなんですか?」

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 健康のためにロードバイクを買おうと思っているのですが、価格差の大きさにびっくりしています。下は10万円を切るようなモデルから、上は100万円オーバーまであります。実に10倍以上の開きです。

 購入を検討しているブランドのロードバイクも20万円から100万円まであるのですが、その差は一体どこにあるのでしょうか?(京都府、50代女性)

 価格の違いによる差は、重量(あるいは材質)、耐久性、操作感(操作性能)、表面の仕上げ、走行性能などたくさんありますが、その中でも気になるのは重量だと思います。10万円以下のエントリーモデルと、50万円以上の競技モデルでは相当違うはずです。

 ロードバイクに初めて乗ると、うわっ軽い、と走りの軽さに驚くはずですが、その理由のかなりがタイヤの転がり抵抗の軽さと重量にあることは間違いありません。軽さはかなりのアドバンテージです。特に上りですね。ほかにも、色々な性能が少しずつ上がっているはずです。

 大きいのは「質感」でしょうか。車でも家電でも同じですが、高い物の方が質感がいいのです。高級車はドアを閉める音からして違いますよね。「ペコン」じゃなくって「ズン」。ロードバイクにもこういう質感の違いがあります。

 高いバイクはついてくるパーツのグレードも上がっていますから、タッチがいいのです。変速系なども「がちょん」ではなく「チャ」っと変速します。安いバイクでもちゃんと変速はしますが、どうしても「はいはい、変速すればいいんでしょ、すれば」みたいな逆ギレ感があるんですね。高級パーツにはそれがありません。ブレーキレバーのタッチなんかも同様で、いちいち音というか、質感がいい。

日本チャンピオン・新城幸也選手が使用するコルナゴC59のマシンも、同じ仕様を購入すれば軽く100万円を突破する一品(田中苑子撮影)日本チャンピオン・新城幸也選手が使用するコルナゴC59のマシンも、同じ仕様を購入すれば軽く100万円を突破する一品(田中苑子撮影)

 そしてデザイン。自転車って、高級バイクやパーツは部屋に飾りたくなるような美しさがあります。一種の芸術なんですよ。でも、安い物だと必要最低限の機能に注力している印象があります。

 ただし、こういう質感は走りにはあまり影響しません。車と一緒で、高級車で買い物に行っても軽自動車で行っても、「買い物」という目的には何の影響もありません。でも、気持ちが変わってくると。

 同じ298円のバナナでも、軽トラの荷台に放り込んだものと4000万円のランボルギーニ・アヴェンタドールの助手席で運んだものとでは味が違う、はずはないのですが、何かが違ってくるかもしれません。味は気持ちですから。

 ちなみに、僕はあまり質感にはこだわらないほうでした。もちろん、シマノの場合ミドルクラスの105と最高峰のデュラエースの違いはわかりましたが、105でもいいじゃん、というタイプでした。僕に限らず、選手は速く走ることがすべてですから、基本的な性能が備わっていれば問題ありません(もちろんコンポーネントの重量差は秒差を争う選手たちにとっては無視できない要素ではありますが)。

 さて、以上を全部ひっくるめたトータルの性能ですが、値段とは正比例していないので注意が必要です。10万円と50万円では全然違うはずですが、50万円と80万円とではそれほどの開きはないと思います。50万円あたりから、値段に伴う性能の伸びはゆるくなる感覚ですね。そのあたりはブランドによっても違いますから、見極めが必要になってきます。(編集 佐藤喬)

回答者 栗村修(くりむら おさむ)
プロ・ロードレースチーム「宇都宮ブリッツェン」監督。レース解説者。選手時代はポーランドのチームと契約するなど国内外で活躍。引退後はTV解説者として、ユニークな語り口でサイクルロードレースの魅力を多くの人に伝え続けている。著書に『栗村修のかなり本気のロードバイクトレーニング』『栗村修の100倍楽しむ! サイクルロードレース観戦術』(いずれも洋泉社)など。

※栗村さんにあなたの自転車に関する悩みを相談してみませんか?
ml.sd-cyclist-info@sankei.co.jpまでお寄せください。

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