ツール・ド・フランス2013 第21ステージパリ・シャンゼリゼでのスプリントはキッテルが制し今大会4勝目 大本命だったフルームが総合優勝

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 ツール・ド・フランスは21日、最終日となる第21ステージが行われ、パリ・シャンゼリゼのゴールスプリントをマルセル・キッテル(ドイツ、チーム アルゴス・シマノ)が勝利。今大会4勝目を挙げた。総合首位のクリストファー・フルーム(イギリス、スカイ プロサイクリング)は危なげなくゴールし、自身初のツール制覇を成し遂げた。

フルームを中心に肩を組んでゴールし、喜びを分かち合うスカイ プロサイクリングの選手たちフルームを中心に肩を組んでゴールし、喜びを分かち合うスカイ プロサイクリングの選手たち
飛行機で前日のゴールから移動する新城とヴォクレール飛行機で前日のゴールから移動する新城とヴォクレール
今大会2勝を挙げたルイ・コスタがポルトガルの国旗を持ってファンに応える今大会2勝を挙げたルイ・コスタがポルトガルの国旗を持ってファンに応える

 6月29日にコルシカ島で開幕したツールは、いよいよ最終ステージに。今年も恒例のパリ・シャンゼリゼでのゴールが待ち受ける。この日は、レース距離こそ133.5kmに設定されるが、ヴェルサイユ宮殿をスタート後しばらくはパレード走行。3週間の戦いを終えようとする選手たちは、仲間と会話を交わしたり、テレビカメラに愛嬌を振りまくなど、思い思いにパリを目指した。

シャンパンを飲むフルームシャンパンを飲むフルーム

 前日の第20ステージでマイヨジョーヌをほぼ確定させたフルームも、チームカーに乗るスタッフとシャンパンで乾杯するなど、リラックスした様子。パリ市内に入り、シャンゼリゼ大通りが間近に迫ると、リーダーチームのスカイ プロサイクリングが牽引を開始。ついに第100回目のツール最後の戦いが始まった。

黄色のラインが入ったスカイのチームカー黄色のラインが入ったスカイのチームカー

 シャンゼリゼ大通りの周回コースは、1周7kmを10周回。しばらくは逃げ狙いのアタックが頻発するものの、なかなか決まらない。その間、シャンゼリゼゴール5連覇がかかるマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファルマ・クイックステップ)がパンクに見舞われたが、無事に集団に復帰した。

 逃げが決まったのは残り50kmを切ったあたり。キャメロン・メイヤー(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)、フアンアントニオ・フレチャ(スペイン、ヴァカンソレイユ・DCM)、ジュリアン・エルファレス(フランス、ソジャサン)、デイヴィッド・ミラー(イギリス、ガーミン・シャープ)の4人がリード。中でもミラーの牽引は強力で、そのスピードに対応できたのはフレチャのみ。しばらくは2人で進んだものの、フレチャも残り33kmで遅れはじめ、ミラーが単独先頭に。

凱旋門の外側を周回したコース凱旋門の外側を周回したコース

 メーン集団は、ミラーとの差を25秒前後でコントロール。残り21kmのジェレミー・ロワ(フランス、FDJ.FR)のアタックをきっかけに、マヌエル・クインツィアート(イタリア、BMCレーシングチーム)、アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム)、ブラム・タンキンク(オランダ、ベルキン プロサイクリングチーム)が抜け出すと、ミラーとロワをパスし3人が先頭に立つ。しかし、スプリントに向けてペースを上げるメーン集団を引き離すことはできず、残り1周に入ると同時に吸収された。

 最終周回に入ると、スカイ プロサイクリングやチーム サクソ・ティンコフが前方で位置取りを開始。残り3kmを切ると、スプリンターを抱えるオメガファルマ・クイックステップ、キャノンデール プロサイクリングが激しい主導権争い。残り1kmのフラムルージュはオメガファルマ・クイックステップを先頭に通過する。

 コンコルド広場前の最終コーナー直前で先頭に躍り出たのはアルゴス・シマノトレイン。絶妙のタイミングでコーナーをクリアすると、エースのキッテルを残り250mで発射。後ろからのスプリントを余儀なくされたアンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル)、カヴェンディッシュを最後まで寄せ付けず、夕暮れのゴールへ真っ先に飛び込んだ。

ステージ4勝目を挙げたキッテルステージ4勝目を挙げたキッテル

 勝ったキッテルは、第1ステージをはじめ、第10、12ステージも制しており、これで今大会4勝目。2度目のツール出場で初完走ながら、ピュアスプリンターとしては世界トップレベルにあることを証明した。

(左から)総合2位のキンタナ、1位のフルーム、3位のロドリゲス(左から)総合2位のキンタナ、1位のフルーム、3位のロドリゲス

 そして、個人総合優勝のマイヨジョーヌはフルームの手に。アフリカ・ケニアで生まれ育ち、南アフリカでレースキャリアをスタートさせた異色のライダーだが、2011年のブエルタ・ア・エスパーニャ総合2位を皮切りにグランツールで強さを発揮。ほぼ無敵の強さを誇ってきた今シーズン、念願のツール制覇を実現した。

 総合2位にはナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム)が、同じく3位にはホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ チーム)が続いた。第20ステージではアヌシー・セムノズの頂上ゴールを制したキンタナは、新人賞はもちろん、山岳賞も獲得した。

(左から)山岳賞と新人賞のキンタナ、マイヨ・ジョーヌのフルーム、ポイント賞のサガン(左から)山岳賞と新人賞のキンタナ、マイヨ・ジョーヌのフルーム、ポイント賞のサガン

 ポイント賞のマイヨヴェールは、ペテル・サガン(スロバキア、キャノンデール プロサイクリング)が2連覇。ステージ勝利こそ1つにとどまったが、中間スプリント、ゴールスプリントともにコンスタントにポイントを稼ぎ、ライバルに100ポイント近い差をつけてのジャージ獲得。この日はジャージに合わせ、髪と髭を緑に染めて登場するパフォーマンスも見せた。

 今大会日本勢唯一の出場となった新城幸也(日本、チーム ヨーロッパカー)は、途中メーン集団の先頭付近を走行するなど、チームメートのアシストに徹し、65位でゴール。4回目の出場となった今回は総合99位で完走を果たした。

 表彰式では凱旋門を壮大にライトアップし、第100回目のツールは大盛況のうちに閉幕。若い力が台頭し、新たな時代の到来を予感させる大会となった。

(文 福光俊介/写真 砂田弓弦)

第21ステージ結果
1 マルセル・キッテル(ドイツ、チーム アルゴス・シマノ) 3時間6分14秒
2 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル) +0秒
3 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファルマ・クイックステップ) +0秒
4 ペテル・サガン(スロバキア、キャノンデール プロサイクリング) +0秒
5 ロベルト・フェラーリ(イタリア、ランプレ・メリダ) +0秒
6 アレクサンドル・クリツォフ(ノルウェー、カチューシャ チーム) +0秒
7 ケヴィン・レザ(フランス、チーム ヨーロッパカー) +0秒
8 ヨアン・ジェヌ(フランス、チーム ヨーロッパカー) +0秒
9 ダニエーレ・ベンナーティ(イタリア、チーム サクソ・ティンコフ) +0秒
10 ムリーロ・フィッシャー(ブラジル、FDJ.FR) +0秒
65 新城幸也(日本、チーム ヨーロッパカー) +10秒

個人総合(マイヨジョーヌ)
1クリストファー・フルーム(イギリス、スカイ プロサイクリング) 83時間56分40秒
2 ナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) +4分20秒
3 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ チーム) +5分4秒
4 アルベルト・コンタドール(スペイン、チーム サクソ・ティンコフ) +6分27秒
5 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、チーム サクソ・ティンコフ) +7分27秒
6 バウケ・モレマ(オランダ、ベルキン プロサイクリングチーム) +11分42秒
7 ヤコブ・フルサング(デンマーク、チーム ヨーロッパカー) +12分17秒
8 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) +15分26秒
9 ダニエル・ナバロ(スペイン、コフィディス ソリューションズクレジッツ) +15分52秒
10アンドルー・タランスキー(アメリカ、ガーミン・シャープ) +17分39秒
99 新城幸也(日本、チーム ヨーロッパカー) +2時間54分53秒

ポイント賞(マイヨヴェール)
1 ペテル・サガン(スロバキア、キャノンデール プロサイクリング) 409 pts
2 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファルマ・クイックステップ) 312 pts
3 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル) 267 pts

山岳賞(マイヨアポワ)
1 ナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) 147 pts
2 クリストファー・フルーム(イギリス、スカイ プロサイクリング) 136 pts
3 ピエール・ローラン(フランス、チーム ヨーロッパカー) 117 pts

新人賞(マイヨブラン)
1 ナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) 84時間1分0秒
2 アンドルー・タランスキー(アメリカ、ガーミン・シャープ) +13分19秒
3 ミハウ・クフィアトコフスキー(ポーランド、オメガファルマ・クイックステップ) +14分39秒

チーム総合
1 チーム サクソ・ティンコフ 251時間11分7秒
2 アージェードゥーゼル ラモンディアル +8分28秒
3 レイディオシャック・レオパード +9分2秒

スーパー敢闘賞
クリストフ・リブロン(フランス、アージェードゥーゼル ラモンディアル )

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