ツール・ド・フランス2012 第15ステージ新城の逃げはならず フェドリゴがステージ優勝

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スタートでウィギンスと話すバッソスタートでウィギンスと話すバッソ

 ツール・ド・フランス第15ステージは、サマタンからポーに至る158.5kmで争われた。レース前半の激しい攻防の末に抜け出した6人の集団がゴールまで逃げ切り、ピエリック・フェドリゴ(フランス、エフデジ・ビッグマット)が優勝した。個人総合成績に変動はなく、ブラッドリー・ウィギンス(イギリス、スカイ プロサイクリング)がマイヨジョーヌを守っている。

 休息日を目前とした平坦ステージ。総合争いでの攻防は一時休戦となり、ステージ優勝を狙う選手・チームが序盤から逃げを狙ってアタックを仕掛け合う展開となった。なかなか逃げが決まらない中、30kmを過ぎて新城幸也(日本、チーム ヨーロッパカー)が仕掛けたアタックが、5人の逃げグループを形成することに成功する。

エスケープグループの先頭に立つ新城幸也エスケープグループの先頭に立つ新城幸也

 新城の他に元TT世界チャンプのデイヴィッド・ミラー(イギリス、ガーミン・シャープ・バラクーダ)ら有力選手を含む逃げは、スピードを上げて集団から差を付けにかかる。しかしここに選手を乗せていないチームが容認せず、追走の手を緩めない。プロトンを安定させたいリーダーチームのスカイ勢が、集団先頭に立って追うのを止めるよう合図するが、まるで聞き入れられない。逃げと集団のハイペースでの追走劇は、25km以上に渡って続いた。

 結局、新城らの逃げは吸収されてしまう。しかしそのすぐ後の小さな丘の上りで、新城のチームメイトであるトマ・ヴォクレール(フランス、チーム ヨーロッパカー)がアタックを仕掛け、今度は5人の逃げを形成する。クリスティアン・ヴァンデヴェルド(アメリカ、ガーミン・シャープ・バラクーダ)、サミュエル・デュムラン(フランス、コフィディス ルクレディアンリーニュ)、ピエリック・フェドリゴ(フランス、エフデジ・ビッグマット)、ドリース・デヴェニンス(ベルギー、オメガファルマ・クイックステップ)がヴォクレールと共に逃げ始め、これにしばらくして単独追いついたニキ・ソレンセン(デンマーク、チーム サクソバンク・ティンコフバンク)が加わり、6人の逃げグループとなる。

新城が吸収されたあと、チームメートのヴォクレールがカウンターアタックを仕掛け、新たな小集団が形成された新城が吸収されたあと、チームメートのヴォクレールがカウンターアタックを仕掛け、新たな小集団が形成された
炎天下、選手を応援する観客炎天下、選手を応援する観客

 プロトンはここでついに逃げを容認。その差は一気に広がることになる。途中スプリンターを擁するチームが追走開始の動きを一瞬見せるものの、本格的なものとはならず、逃げの6人はゴールまでの逃げ切りを許された形になった。

 6人の協調体制が崩れたのは、ゴールまで残り10km地点。まずソレンセンがアタック。一度吸収された後、さらに仕掛けるが決まらない。代わってヴォクレールが仕掛けるが、今年すでにステージ優勝を挙げているだけにマークが厳しい。互いが見合う一瞬の隙を突いて、攻撃を仕掛けたのがフェドリゴだ。鋭いアタックに反応できたのはヴァンデヴェルドただ一人。ここで先頭は2人・4人の体制となる。

走り終えた直後の新城幸也走り終えた直後の新城幸也

 後ろの4人は協調が取れず、前2人との差は徐々に開いてしまう。ヴォクレールも動き切れず、同じような状況から逆転勝利した第10ステージの再現とはならなかった。逃げ切った前2人のゴール勝負は、スプリントに優れるフェドリゴが危なげなく制して、自身通算3度目のツールステージ優勝を挙げた。

 プロトンは先頭から11分50秒と、大きく遅れてのゴール。総合上位陣と各リーダージャージに変動はなく、休息日明けのピレネー山岳決戦に向けて力を溜める一日となった。しかし前半のハイスピードの攻防から、この日6人がリタイアしている。新城はプロトンと同タイムの114位でゴールしている。

マイヨ・ジョーヌ(個人総合首位)、ウィギンスマイヨ・ジョーヌ(個人総合首位)、ウィギンス
マイヨ・ヴェール(ポイント賞)、サガンマイヨ・ヴェール(ポイント賞)、サガン
マイヨ・ア・ポワ(山岳賞)、ケシアコフマイヨ・ア・ポワ(山岳賞)、ケシアコフ
マイヨ・ブラン(新人賞)、ヴァンガードレンマイヨ・ブラン(新人賞)、ヴァンガードレン

第15ステージ結果
1 ピエリック・フェドリゴ(フランス、エフデジ・ビッグマット) 3時間40分15秒
2 クリスティアン・ヴァンデヴェルド(アメリカ、ガーミン・シャープ・バラクーダ) +0秒
3 トマ・ヴォクレール(フランス、チーム ヨーロッパカー) +12秒
4 ニキ・ソレンセン(デンマーク、チーム サクソバンク・ティンコフバンク) +12秒
5 ドリース・デヴェニンス(ベルギー、オメガファルマ・クイックステップ) +21秒
6 サミュエル・デュムラン(フランス、コフィディス ルクレディアンリーニュ) +1分0秒
7 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル チーム) +11分50秒
8 タイラー・ファラー(アメリカ、ガーミン・シャープ・バラクーダ) +11分50秒
9 ペテル・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール) +11分50秒
10 クリス・ベックマン(ベルギー、ヴァカンソレイユ・DCM) +11分50秒
114 新城幸也(日本、チーム ヨーロッパカー) +11分50秒

個人総合(マイヨジョーヌ)
1 ブラッドリー・ウィギンス(イギリス、スカイ プロサイクリング) 68時間33分21秒
2 クリストファー・フルーム(イギリス、スカイ プロサイクリング) +2分5秒
3 ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、リクイガス・キャノンデール) +2分23秒
4 カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム) +3分19秒
5 ユルヘン・ヴァンデンブロック(ベルギー、ロット・ベリソル チーム) +4分48秒
6 アイマル・スベルディア(スペイン、レイディオシャック・ニッサン) +6分15秒
7 ティージェイ・ヴァンガードレン(アメリカ、BMCレーシングチーム) +6分57秒
8 ヤネズ・ブライコヴィッチ(スロベニア、アスタナ プロチーム) +7分30秒
9 ピエール・ローラン(フランス、チーム ヨーロッパカー) +8分31秒
10 ティボー・ピノ(フランス、エフデジ・ビッグマット) +8分51秒
92 新城幸也(日本、チーム ヨーロッパカー) +1時間47分36秒

ポイント賞(マイヨヴェール)
1 ペテル・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール) 356 pts
2 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル チーム) 254 pts
3 マシュー・ゴス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) 203 pts
4 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、スカイ プロサイクリング) 130 pts
5 エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、スカイ プロサイクリング) 127 pts
6 ブラッドリー・ウィギンス(イギリス、スカイ プロサイクリング) 105 pts

山岳賞(マイヨアポワ)
1 フレデリック・ケシアコフ(スウェーデン、アスタナ プロチーム) 69 pts
2 ピエール・ローラン(フランス、チーム ヨーロッパカー) 55 pts
3 クリスアンカー・ソレンセン(デンマーク、チーム サクソバンク・ティンコフバンク) 39 pts
4 トマ・ヴォクレール(フランス、チーム ヨーロッパカー) 37 pts
5 ミケーレ・スカルポーニ(イタリア、ランプレ・ISD) 33 pts
6 クリストファー・フルーム(イギリス、スカイ プロサイクリング) 32 pts

新人賞(マイヨブラン)
1 ティージェイ・ヴァンガードレン(アメリカ、BMCレーシングチーム) 68時間40分18秒
2 ティボー・ピノ(フランス、エフデジ・ビッグマット) +1分54秒
3 ペテル・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール) +40分35秒

チーム総合
1 レイディオシャック・ニッサン 205時間52分34秒
2 スカイ プロサイクリング +12分38秒
3 BMCレーシングチーム +17分46秒

敢闘賞
ニキ・ソレンセン(デンマーク、チーム サクソバンク・ティンコフバンク)

 
(文 米山一輝/写真 砂田弓弦)

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