ツール・ド・フランス2013 第20ステージ今大会最後の超級山岳でキンタナがビッグな勝利 フルーム悲願のマイヨジョーヌはほぼ確定的に

  • 一覧

 ツール・ド・フランスは20日、第20ステージが行われ、新人賞ジャージを着るナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム)が超級山岳アヌシー・セムノズの頂上ゴールを制し、ステージ初優勝。総合首位のクリストファー・フルーム(イギリス、スカイ プロサイクリング)はステージ3位でまとめ、総合優勝をほぼ確定させた。

第20ステージを制したナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム)第20ステージを制したナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム)

 総合争いにおいて、事実上最後の戦いとなった今ステージ。125kmと短い距離ながら、序盤から中盤にかけて2級1つ、3級3つ、1級1つと山岳ポイントが続き、ラスト10.7kmは超級山岳アヌシー・セムノズを上る。最大勾配10.5%、平均勾配8.5%の上りが100人目の総合チャンピオンを迎える。

 また、混戦の山岳賞争いもこの頂上ゴールで実質決定する。超級山岳ゴールはポイントが2倍になり、トップでゴールすると50ポイント獲得となる。山岳賞ランキング上位につける選手たちの多くにチャンスが残された。

 レースは山岳賞争いがスタートからヒートアップした。前日の第19ステージで山岳賞ランキングを2位に上げ、マイヨジョーヌのフルームに代わって山岳賞ジャージを着用するピエール・ローラン(フランス、チーム ヨーロッパカー)がファーストアタック。これにイェンス・フォイクト(ドイツ、レイディオシャック・レオパード)、マルクス・ブールクハート(ドイツ、BMCレーシングチーム)、フアンアントニオ・フレチャ(スペイン、ヴァカンソレイユ・DCM)が加わり、逃げ集団が形成される。12.5km地点の2級山岳をローランはトップで通過。その後、6選手が合流し、逃げは10人となる。

 ローランは、ともに逃げ集団に入ったチームメートのシリル・ゴティエ(フランス、チーム ヨーロッパカー)のアシストを受けながら次々とポイントを獲得。17.5km地点の3級山岳は2位通過、43km地点の3級山岳は1位通過、51km地点の3級山岳ではポイントを争ったイゴール・アントン(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ)とあわや接触かと思わせる場面があったものの、1位で通過した。

集団をコントロールするモビスター集団をコントロールするモビスター

 モビスターがコントロールするメーン集団は、逃げ集団との差を1分30秒前後にキープ。33.5km地点に設けられた中間スプリントポイントでは、ここまでポイント賞を争ってきたペテル・サガン(スロバキア、キャノンデール プロサイクリング)、マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファルマ・クイックステップ)、アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル)の3選手がおどけながら通過するパフォーマンスも。なお、このポイントを13位で通過し3ポイント獲得したサガンは、2年連続のポイント賞を確定させた。

攻撃に出るフォイクト攻撃に出るフォイクト
エスケープグループへと追い付いたジルベールエスケープグループへと追い付いたジルベール

 中盤の1級山岳モン・ルヴァールの上りで、逃げ集団からフォイクトがアタック。力強いペダリングで山頂を通過。フォイクトを追う集団には、それまで逃げていた選手のほか、メーン集団から追い上げたフィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシングチーム)、ティージェイ・ヴァンガードレン(アメリカ、BMCレーシングチーム)らが加わりペースアップを図る。追走集団に残ったローランは山頂を3位通過。この時点で山岳ポイントを119まで伸ばし、暫定トップに立った。

区間優勝を狙うロドリゲス区間優勝を狙うロドリゲス

 単独で逃げ続けるフォイクトに対し、メーン集団はカチューシャも牽引に参加。アヌシー・セムノズの入口を目前に各チームが前方での位置取りを開始すると、それまで静かにレースを送っていたスカイ プロサイクリングが猛然とペースアップ。上りに入るとフォイクトを視野に捉え始める。

 モビスターが再び牽引を開始すると、フォイクトをゴールまで残り約8.5kmで吸収。その直後、満を持してアタックしたのはホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ チーム)だった。これにキンタナが対応。そして一呼吸置いてフルームも追う。一度はそのまま先頭に立ったフルームだったが、ペースが落ち着くとロドリゲス、キンタナが合流。3人の動きに対応できなかったのは、総合2位につけていたアルベルト・コンタドール(スペイン、チーム サクソ・ティンコフ)だった。

最後の上りでのフルーム、ロドリゲス、キンタナ最後の上りでのフルーム、ロドリゲス、キンタナ

 ペースの上がらないコンタドールは、後方から上がってきたロマン・クロイツィゲル(チェコ、チーム サクソ・ティンコフ)のアシストを受けながら前を追う。しかし、3人の先頭集団では、逆転での総合表彰台がかかるロドリゲスが必死の牽引。キンタナとフルームはロドリゲスのペースに合わせ淡々と上る。

山岳リーダーも獲得したキンタナ山岳リーダーも獲得したキンタナ

 そして、残り1.1kmでフルームがアタック。慌てずにチェックしたキンタナが今度は残り900mでアタック。単独で抜け出すことに成功し、ファンで盛り上がる山頂へと向かう。勢いは最後まで衰えることなく、チームにとっては2日連続の、キンタナにとっては初のステージ優勝を果たした。粘りを見せたロドリゲスが18秒差の2位、フルームは最後にロドリゲスからも遅れたものの3位でゴール。コンタドールは2分28秒遅れの7位と沈み、総合表彰台圏外へと順位を落とした。

 これにより、フルームの総合優勝がほぼ決定的に。最終ステージでは、ゴールスプリントをのぞきパレード走行となることから、総合順位の変動は起こりにくい情勢だ。そして、この日勝利したキンタナは、新人賞はもとより、総合2位へのジャンプアップ、さらには逆転で山岳賞までも手中に収めた。ロドリゲスも同様に総合で3位へと順位を上げ、パリでの総合表彰台が濃厚となっている。

事実上、総合優勝を決めたフルーム。安堵の表情事実上、総合優勝を決めたフルーム。安堵の表情

 新城幸也(日本、チーム ヨーロッパカー)は、18分26秒遅れの91位でゴール。総合では99位とし、4回目の出場となる今回も完走が目前となった。

 第21ステージは、パリ・シャンゼリゼの周回コースが舞台のナイトステージ。第100回のツールもいよいよフィナーレを迎える。

(文 福光俊介/写真 砂田弓弦)

第20ステージ結果
1 ナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) 3時間39分4秒
2 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ チーム) +18秒
3 クリストファー・フルーム(イギリス、スカイ プロサイクリング) +29秒
4 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) +1分42秒
5 リッチー・ポート(オーストラリア、スカイ プロサイクリング) +2分17 秒
6 アンドルー・タランスキー(アメリカ、ガーミン・シャープ) +2分27秒
7 アルベルト・コンタドール(スペイン、チーム サクソ・ティンコフ) +2分28秒
8 ジョン・ガドレ(フランス、アージェードゥーゼル ラモンディアル) +2分48秒
9 ヘスス・エルナンデス(スペイン、チーム サクソ・ティンコフ) +2分55秒
10 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、チーム サクソ・ティンコフ) +2分55秒
91 新城幸也(日本、チーム ヨーロッパカー) +18分26秒

個人総合(マイヨジョーヌ)
1 クリストファー・フルーム(イギリス、スカイ プロサイクリング) 80時間49分33秒
2 ナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) +5分3秒
3 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ チーム) +5分47秒
4 アルベルト・コンタドール(スペイン、チーム サクソ・ティンコフ) +7分10秒
5 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、チーム サクソ・ティンコフ) +8分10秒
6 バウケ・モレマ(オランダ、ベルキン プロサイクリングチーム) +12分25秒
7 ヤコブ・フルサング(デンマーク、チーム ヨーロッパカー) +13分0秒
8 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) +16分9秒
9 ダニエル・ナバロ(スペイン、コフィディス ソリューションズクレジッツ) +16分35秒
10 アンドルー・タランスキー(アメリカ、ガーミン・シャープ) +18分22秒
99 新城幸也(日本、チーム ヨーロッパカー) +2時間55分36秒

ポイント賞(マイヨヴェール)
1 ペテル・サガン(スロバキア、キャノンデール プロサイクリング) 383 pts
2 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファルマ・クイックステップ) 282 pts
3 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル) 232 pts

山岳賞(マイヨアポワ)
1 ナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) 147 pts
2 クリストファー・フルーム(イギリス、スカイ プロサイクリング) 136 pts
3 ピエール・ローラン(フランス、チーム ヨーロッパカー) 119 pts

新人賞(マイヨブラン)
1 ナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) 80時間54分36秒
2 アンドルー・タランスキー(アメリカ、ガーミン・シャープ) +13分19秒
3 ミハウ・クフィアトコフスキー(ポーランド、オメガファルマ・クイックステップ) +14分39秒

チーム総合
1 チーム サクソ・ティンコフ 230時間46分35秒
2 アージェードゥーゼル ラモンディアル +8分30秒
3 レイディオシャック・レオパード +8分52秒

敢闘賞
イェンス・フォイクト(ドイツ、レイディオシャック・レオパード)

この記事のコメント

利用規約順守の上ご投稿ください。

関連記事

この記事のタグ

ツール・ド・フランス2013

  • 一覧

新着ニュース

もっと見る

ピックアップ

e-BIKE最新特集

スペシャル

自転車協会バナー

ソーシャルランキング

インプレッション

インプレッション一覧へ

連載