第26回全日本マウンテンバイク選手権大会 XCO男子は山本幸平、女子は中込由香里が優勝 女子トップゴールの與那嶺は降格に

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シニアエリート優勝の山本幸平。ワールドで鍛えられた豪快な走りで観客を魅了したシニアエリート優勝の山本幸平。ワールドで鍛えられた豪快な走りで観客を魅了した

 2013年のマウンテンバイク全日本選手権大会が静岡県、伊豆の日本サイクルスポーツセンターにて、19日から21日までの日程で開催されている。

 クロスカントリー(XCO)ではシニアエリート男子で山本幸平(SPECIALIZED RACING)、女子は中込由香里(team SY-Nak)がそれぞれ優勝した。

MTBも日本CSCで開催 “アジアの自転車競技のメッカ”目指す

 日本サイクルスポーツセンターは2011年にオープンした周長250mの木製トラックである伊豆ベロドロームをはじめ、BMXのレーストラックの整備を進めるなど、同施設をアジアの自転車競技のメッカとするべく、JCF(日本自転車競技連盟)が取り組んできた経緯がある。

 今回のレースではXCOとDHIのコースが用意され、これでトラック、ロード、BMX、そしてMTB競技も開催できる施設となった。

表彰式は日本サイクルスポーツセンター施設内の伊豆ベロドロームにて行われた表彰式は日本サイクルスポーツセンター施設内の伊豆ベロドロームにて行われた

 7月20日に開催されたXCO、シニアエリート男子ではワールドカップを中心に活動し、全日本選手権5連覇中の山本幸平(SPECIALIZED RACING)や平野星矢(BRIDGESTONE ANCHOR CYCLING TEAM)が帰国して参戦する一方で、Jシリーズで好調を維持する斉藤亮(MIYATA-MERIDA BIKING TEAM)や小野寺健(Specialized Racing Japan)といった国内勢との戦いに注目が集まる。

男子シニアエリートのスタートループ男子シニアエリートのスタートループ
1周目のシングルトラックを進む先頭グループ。山本の後には斉藤、小野寺、門田が続く1周目のシングルトラックを進む先頭グループ。山本の後には斉藤、小野寺、門田が続く

山本幸平 世界で走る意地

 レースは序盤から前に出た山本と斉藤がレースをリード。中盤までは山本のハイペースに斉藤が粘り強く着いていく展開。しかし斉藤がペダルから足を外したミスを見逃さず山本が一気にスパートし、後半は世界で戦う強さを見せつける走りで勝利した。序盤に転倒した際にサドルが脱落してしまった小野寺は、ピットでのサドル交換後も微妙にズレたままのポジションに苦戦するが、後半に驚異的な追い上げを見せ、最終ラップには3位を好走していた平野を逆転。表彰台に立った。

見所の一つとなったコンクリートの直登セクション。序盤は山本と斉藤が両者一歩も譲らず競り合うシーンが見られた見所の一つとなったコンクリートの直登セクション。序盤は山本と斉藤が両者一歩も譲らず競り合うシーンが見られた
最終ラップの山本最終ラップの山本
最終ラップの斉藤最終ラップの斉藤
最終ラップの小野寺、この直後に平野を抜いて3位となった最終ラップの小野寺、この直後に平野を抜いて3位となった

 全日本選手権6連覇を達成した山本は「まずは6連覇できた事を嬉しく思います。(2位となった)斉藤さんがもの凄く気合いを入れて、コンディションも整えて、モチベーションの高い状態でこのレースに臨んできている事を、序盤の彼の走りから感じました。最初は刻みつつでしたが、2、3周目と進んでいっても彼は切れないし、正直な話、うーん、これは凄いな、と思いました。精神的にもけっこうキツかったですね。でもやっぱり最後はね、世界で走っている違いを見せたかったというのもあるし、きっちり最後まで追い込めました」と話した。

全日本選手権6連覇を達成した山本。広げた右手と左手の親指は6連覇のポーズか全日本選手権6連覇を達成した山本。広げた右手と左手の親指は6連覇のポーズか
男子シニアエリート表彰式男子シニアエリート表彰式

 さらに山本は、「世界で戦うにあたって、やっぱりチャンピオンジャージというか、日の丸ですよね、これを背負って走るっていうのは自分自身のモチベーションにもなるし、ヨーロピアンから見ても、こいつはナショナルチャンプなんだなっていう見方をされます。これはやはり着続けたいし、守りたいタイトルだと思っています」とコメントした。

女子は與那嶺恵理がトップゴール しかし…

 女子は小田島(旧姓片山)梨絵の引退を受けて、選手層の空洞化が懸念されたがダウンヒルの末政実緒(DIRTFREAK/SARACEN)が今期からクロスカントリーにも挑戦する事を表明。また先日の全日本ロードで優勝した與那嶺恵理(チーム・フォルツァ!)も参戦とあって、中込由香里(team SY-Nak)らベテラン勢との争いは展開が予想できず、また実際のレースは波乱を含めて、見応えたっぷりのレースとなった。

 序盤からトップを快走していた與那嶺がチェーンが切れるトラブルでフィードゾーンでタイムをロス、この間に全ての選手に抜かれた與那嶺は最後尾から追い上げる展開となる。ここでトップに立ったのは中込、それに末政が続く。レース中盤のシングルトラックの下りで末政が転倒し順位を下げ、逃げる中込を末政と與那嶺が後方から追う形となった。

チェーンが切れるトラブルに見舞われ、自転車を押してフィードゾーンに駆け込む與那嶺チェーンが切れるトラブルに見舞われ、自転車を押してフィードゾーンに駆け込む與那嶺
フィードで救援を受ける與那嶺。ここでの作業がレギュレーション違反と判断され、レース後に降格となったフィードで救援を受ける與那嶺。ここでの作業がレギュレーション違反と判断され、レース後に降格となった
作業には数分を要し、コースに復帰した時には最後尾となっていた作業には数分を要し、コースに復帰した時には最後尾となっていた

 驚異的な追い上げを見せた與那嶺は、ラスト2周のコンクリートの直登でついに中込を捉え、トップに立ちそのままゴールへ。末政は3位まで順位を上げた。しかしレース後、與那嶺にはチェーン交換時のレギュレーション違反が指摘され、表彰圏外へ降格との発表があり最終的なリザルトは優勝中込、2位に末政、3位には小林加奈子(AZUMINO FOX GDR)という結果になった。與那嶺は降格で4位となっている。

女子優勝の中込。気迫の走りでゴールを目指す女子優勝の中込。気迫の走りでゴールを目指す

 優勝した中込は、10年ぶり5度目の日本チャンピオン獲得。「奇跡の勝利だと思います。今回のレースは今までとは違って、自分の力で勝てたレースではないと思いますが、自分を取り巻くいろんな力が集まって、このタイトルを獲得できたのだと思います。決して後味の良いレースではなかったかもしれませんが、これもレース。だからこそ、今回の優勝はとても嬉しく思っています」とコメントした。

U23は沢田がジュニアから続く“3連覇”

U23で優勝した沢田時。ゴール直後、その背中は転倒によって泥だらけとなっていたU23で優勝した沢田時。ゴール直後、その背中は転倒によって泥だらけとなっていた

 U23は成長著しい中原義貴(CANNONDALE)や前田公平(TEAM SCOTT)の国内勢に、フランスから帰国した昨年までのジュニアチャンピオンである沢田時(BRIDGESTONE ANCHOR CYCLING TEAM)が今年から同じカテゴリーとなり、熱戦が予想されるレースとなった。序盤から沢田と中原が緊張感のあるランデブーで逃げる展開だったが、後半には沢田がリードを広げ、ジュニア時代に引き続きU23でもチャンピオンとなった。

 ジュニアは横山航太(CLUB Grow)が、マスターでは鈴木知之(ckirin.com)が優勝している。

(文・写真 中川裕之)

沢田と中原の競り合いが続き、U23は見応えのあるレースとなった沢田と中原の競り合いが続き、U23は見応えのあるレースとなった
U23前年チャンピオンの中原は後半に沢田に離され、2位となったU23前年チャンピオンの中原は後半に沢田に離され、2位となった
ジュニア優勝の横山航太ジュニア優勝の横山航太

中川裕之中川裕之(なかがわ ひろゆき)
’06年、大きな病気を乗り越える課程で写真を撮り始める。
’11年からは活動の場を海外に広げ、山の中を走る自転車レースを追いかけている。
MTBのコアな部分にフォーカスした雑誌SLmの発行人。
http://www.slmedia.jp/slm-mtbphotojournal/

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