ツール・ド・フランス2013 第18ステージ史上初のラルプ・デュエズ2回登坂を制したのはリブロン フランス人がついに今大会初勝利

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 ツール・ド・フランスは18日、第18ステージが行われ、クリストフ・リブロン(フランス、アージェードゥーゼル ラモンディアル )が、史上初めて超級山岳ラルプ・デュエズを2回上る難関コースを制した。フランス人によるステージ優勝は今大会初。総合首位のクリストファー・フルーム(イギリス、スカイ プロサイクリング)は、2位のアルベルト・コンタドール(スペイン、チーム サクソ・ティンコフ)との差をさらに広げた。

ヴァンガードレンを追うリブロンヴァンガードレンを追うリブロン

 ギャップからラルプ・デュエズまでの172.5kmで行われたレースは、序盤の2級、3級山岳を越え、中盤の2級山岳を下りきると佳境に入る。残り62kmから、登坂距離12.3km、平均勾配8.4%を誇る伝統の山岳、ラルプ・デュエズが登場。しかも、ラルプ・デュエズ山頂通過の後には2級山岳、20kmの長い下り、そして2度目のラルプ・デュエズ登坂が待ち受けている。1日に2回のラルプ・デュエズ登坂は史上初であり、今大会で最も注目を集めるステージの1つだ。

ラルプ・デュエズを先頭で走るヴァンガードレンラルプ・デュエズを先頭で走るヴァンガードレン

 スタート直後から多数のアタックが発生。第1山岳を越えた約17km地点でようやくリブロン、ティージェイ・ヴァンガードレン(アメリカ、BMCレーシングチーム)、モレーノ・モゼール(イタリア、キャノンデール プロサイクリング)ら9人による逃げが容認された。

 逃げの成立でレースは安定したかに思われたが、総合2位のコンタドール、3位のロマン・クロイツィゲル(チェコ)を擁するサクソ・ティンコフが動きを見せる。第2山岳を前に、セルジオ・パウリーニョ(ポルトガル)、ニコラ・ロッシュ(アイルランド)が2人でアタックを仕掛け、戦略をもってこのステージに臨んでいることを伺わせた。メーン集団は、スカイがコントロール。

区間優勝を狙ったモゼール区間優勝を狙ったモゼール

 1回目のラルプ・デュエズに入ると、逃げの9人からヴァンガードレンが抜け出し、その後にリブロン、モゼールが続いた。3人での逃げ集団となり、モゼールがトップで頂上を通過。メーン集団は上りでパウリーニョ、ロッシュを吸収。サクソ・ティンコフは目立った攻撃を仕掛けられなかった。

 続く2級山岳は、ヴァンガードレン、リブロン、少し遅れてモゼールという順で通過。メーン集団とは8分20秒差がついていたため逃げ切りが濃厚となったが、下りでは危うい場面も見られた。ヴァンガードレンにはメカトラブルが発生、リブロンはヘアピンカーブでコースアウト。結局、3人は合流して2回目のラルプ・デュエズへ。上りに入るとモゼールが遅れ始め、ヴァンガードレンがアタック。粘るリブロンを引き離し単独先頭に立つと、残り8kmで40秒ほどの差をつけた。

ラルプ・デュエズを行くメーン集団ラルプ・デュエズを行くメーン集団

 メーン集団では、コンタドールとクロイツィゲルが下りでアタックを見せた。しかし、スカイとモビスター チームの牽引により吸収されてしまい、総合成績でフルームを追う2人が脚を消耗してしまう結果に。2回目のラルプ・デュエズに突入すると、総合上位陣で最初に仕掛けたのはマイヨジョーヌのフルームだった。これに対応できたのはナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム)、ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ チーム)の2人。コンタドール、クロイツィゲル、総合4位につけるバウケ・モレマ(オランダ、ベルキン プロサイクリングチーム)らは遅れてしまう。

後ろを振り向くフルーム後ろを振り向くフルーム

 後からリッチー・ポート(オーストラリア、スカイ プロサイクリング)も追いつき優位に立つフルームだったが、残り4km、ハンガーノックで補給を要請。ゴール5km手前からの補給は禁止されているが、ポートのアシストを受け、反則覚悟で補給を行った。これをチャンスとしてクインターナとロドリゲスがアタックし、フルームを引き離した。

 一方、ヴァンガードレンが残り3kmにさしかかる頃、リブロンとのタイム差は約30秒。ヴァンガードレンの表情は険しく歪んでおり、リブロンのスピードが明らかに上回っていた。残り2kmで一気に抜き去ったリブロンは、ゴール前で勝利を確信すると何度もガッツポーズ。大歓声に迎えられながら、2010年の第14ステージ以来となるツール2勝目を挙げた。

伝統のラルプ・デュエズを制したリブロン伝統のラルプ・デュエズを制したリブロン

 前日のタイムトライアルでエースのジャンクリストフ・ペロー(フランス)を落車で失ったアージェードゥーゼルにとって、悪夢を払拭する今大会初勝利。さらには、自国選手の活躍に期待がかかるなか、18番目のステージにしてようやくフランス人の優勝が達成された瞬間でもあった。

 フルームを突き離したキンタナはトップから2分12秒遅れ、ロドリゲスはそれから3秒遅れでゴール。キンタナは、クロイツィゲルとモレマが遅れたため総合3位に浮上した。ここまで新人賞を争いながら徐々に順位を上げてきたが、ついに総合でも表彰台圏内に。フルームは3分18秒遅れでのゴールとなったが、結果的には2位のコンタドールとの差をさらに1分近く広げ、ハンガーノックのピンチを凌いだ。新城幸也(チーム ヨーロッパカー)は24分20秒遅れの65位でゴールしている。

(文 平澤尚威/写真 砂田弓弦)

第18ステージ結果
1 クリストフ・リブロン(フランス、アージェードゥーゼル ラモンディアル ) 4時間51分32秒
2 ティージェイ・ヴァンガードレン(アメリカ、BMCレーシングチーム) +59秒
3 モレーノ・モゼール(イタリア、キャノンデール プロサイクリング) +1分27秒
4 ナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) +2分12秒
5 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ チーム) +2分15秒
6 リッチー・ポート(オーストラリア、スカイ プロサイクリング) +3分18秒
7 クリストファー・フルーム(イギリス、スカイ プロサイクリング) +3分18秒
8 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) +3分22秒
9 ミケル・ニエベ(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ) +4分15秒
10 ヤコブ・フルサング(デンマーク、アスタナ プロチーム) +4分15秒
65 新城幸也(日本、チーム ヨーロッパカー) +24分20秒

個人総合(マイヨジョーヌ)
1 クリストファー・フルーム(イギリス、スカイ プロサイクリング) 71時間2分19秒
2 アルベルト・コンタドール(スペイン、チーム サクソ・ティンコフ) +5分11秒
3 ナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) +5分32秒
4 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、チーム サクソ・ティンコフ) +5分44秒
5 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ チーム) +5分58秒
6 バウケ・モレマ(オランダ、ベルキン プロサイクリングチーム) +8分58秒
7 ヤコブ・フルサング(デンマーク、アスタナ プロチーム) +9分33秒
8 マイケル・ロジャース(オーストラリア、チーム サクソ・ティンコフ) +14分26秒
9 ミハウ・クフィアトコフスキー(ポーランド、オメガファルマ・クイックステップ) +14分38秒
10 ローレンス・テンダム(オランダ、ベルキン プロサイクリングチーム) +14分39秒
98 新城幸也(日本、チーム ヨーロッパカー) +2時間16分27秒

ポイント賞(マイヨヴェール)
1 ペテル・サガン(スロバキア、キャノンデール プロサイクリング) 380 pts
2 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファルマ・クイックステップ) 278 pts
3 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル) 227 pts
4 マルセル・キッテル(ドイツ、チーム アルゴス・シマノ) 177 pts
5 アレクサンドル・クリツォフ(ノルウェー、カチューシャ チーム) 157 pts
6 ホセホアキン・ロハス(スペイン、モビスター チーム) 145 pts

山岳賞(マイヨアポワ)
1 クリストファー・フルーム(イギリス、スカイ プロサイクリング) 104 pts
2 ナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) 97 pts
3 クリストフ・リブロン(フランス、アージェードゥーゼル ラモンディアル ) 77 pts
4 ミケル・ニエベ(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ) 63 pts
5 ティージェイ・ヴァンガードレン(アメリカ、BMCレーシングチーム) 62 pts
6 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ チーム) 59 pts

新人賞(マイヨブラン)
1 ナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) 71時間7分51秒
2 ミハウ・クフィアトコフスキー(ポーランド、オメガファルマ・クイックステップ) +9分6秒
3 アンドルー・タランスキー(アメリカ、ガーミン・シャープ) +10分52秒

チーム総合
1 チーム サクソ・ティンコフ 212時間29分26秒
2 アージェードゥーゼル ラモンディアル +6分5秒
3 レイディオシャック・レオパード +12分29秒

敢闘賞
クリストフ・リブロン(フランス、アージェードゥーゼル ラモンディアル )

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