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つれづれイタリア~ノ<6>おいしい物を食べてプロになろう プロテインドリンクよりパスタにパルメザンチーズ、生ハム!

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イタリア人の食事スタイル

チームオフィシャルシェフが腕をふるった料理(2010年)チームオフィシャルシェフが腕をふるった料理(2010年)

 ホテルの朝食を除けば、イタリア人の朝食はとてもシンプルです。自宅での典型的な朝食の例は、カフェラッテにパンもしくはラスク(ビスケットのようなパサパサパン)、それにジャム。進んでいる人は、ヨーグルトとジュースも摂ります。

 忙しい人であれば仕事へ向かう途中にバーに寄り、カウンターでカプチーノとブリオッシュを5分以内に食す様子もよく見かけます。

ディナーを楽しむアンドローニジョカットリ・ベネズエラ(イタリア)の選手たち(ジロ・デ・イタリア2013)ディナーを楽しむアンドローニジョカットリ・ベネズエラ(イタリア)の選手たち(ジロ・デ・イタリア2013)

 対する昼食のための時間は比較的長く取り、60~120分が標準的です。帰宅できる人は、温かいパスタや、肉、サラダを自宅でしっかり食べます。ビジネス街の中心で働いていて帰宅できないような人たちは、近くの食堂やバーで食事をします。ここでは、10ユーロでワンプレートのパスタかサラダが食べられる、野菜豊富なヘルシーメニューが人気です。

 夕食には、南北で大きな差があります。特にイタリア留学をする人を驚かせるのが、イタリア北部ではとてもシンプルで味が薄いものを食べているということです。みなさんがイタリア料理と聞いてイメージするようなパスタやラザニアといった豪華なメニューは、日曜日にしか食べません。

保守的なイタリア人 ――スタバもコンビニもない!

 イタリア人は、ヨーロッパの中でも例を見ないほどの保守的な国民です。イタリアのどこを探してもコーヒーチェーンのスターバックスはありませんし、ケンタッキーフライドチキンとミスタードーナツもありません。ジェラートが好きな国民ですが、ハーゲンダッツも見当たりません。ハンバーガーで有名なマクドナルドも苦戦している状況です。

 日本人の多くは驚くかもしれませんが、これまでコンビニはもちろん24時間営業の店もありませんでした。昨年、前の首相だったモンティ政権の規制緩和の影響で、ミラノで初めての24時間営業スーパーは開店したところです。イタリア系のスーパーではなく、フランスから参入したカルフールというのもポイントです。

 現在カルフールは、全国にミラノとトリーノの2店舗。24時間営業に対してはイタリア人の大半が否定的な意見ですので、これからも浸透していくことは難しいだろうと思います。

 

自転車競技者の食事

ジロ・デ・イタリア2013でパスタを食べるマールテン・チャリンギジロ・デ・イタリア2013でパスタを食べるマールテン・チャリンギ
補給ジェルを食べながら走る別府史之(ジロ・デ・イタリア2012)補給ジェルを食べながら走る別府史之(ジロ・デ・イタリア2012)

 一般の人やアマチュアと比べ、自転車競技のプロの食事はとてもストイックですね。徹底的にカロリーコントロールをしています。そんな中でも、できる限りおいしいものを食べようとするのがイタリア人の特徴。

 ちょっとした例を紹介しましょう。基本は、エネルギー源となるパスタ(炭水化物)とオリーブオイル、蛋白質を与えるパルメザンチーズ、生ハムと鶏肉。それに、体をデトックスするために抗酸化物質が多く含まれる野菜をボール一杯食べます。揚げ物とケーキは禁物。最近流行している食材は、ナッツ類とシチリアのブラッドオレンジジュースだということです。

 レース中にもこだわりがあります。パワーバーやジェルを食べることもありますが、イタリア人は基本的に生ハムやジャム、蜂蜜の入っている小さなパニーニとタルトを好みます。

 

グランツールでは何を食べている?

 長いレースともなれば、選手は1日6000~7000kcalを消費していくことになります。リカバリーの役割を果たす食事はとても大事。今年から注射によるサプリメント摂取は禁止になっているため、胃、肝臓、腎臓に負担をかけないために、食事には細心の注意が払われています。

チームの食物庫には缶や瓶のストックがぎっしりと並ぶチームの食物庫には缶や瓶のストックがぎっしりと並ぶ

 実際にキャノンデール プロサイクリングの選手たちの食事を見てみましょう。

 食事の全責任は、専属医師のロベルト・コルセッティ氏とミラノに拠点を持つ医療企業DS Medica社にあります。デトックスやリカバリー効果のある食事を選び、その素材のほとんどはイタリアで作られています。

 メニューのベースとなるのが、「dieta mediterranea (ディエータ・メディテッラネア)」という地中海食。地中海食は、イタリア、南フランス、スペイン、ギリシャ、北アフリカといった地中海沿岸に面する国々やエリアに伝統的な食生活を指し、生野菜・豆類・果物・シリアルを多く含み、調理や味付けにオリーブオイルが使われています。蛋白質として魚介類、乳製品を摂り、食事中に赤ワインを少々。2010年11月には世界無形遺産として登録された食文化です。

ジロ・デ・イタリア参戦中選手のある日のディナージロ・デ・イタリア参戦中選手のある日のディナー

 チームの具体的な食材は、シチリア産のブラッドオレンジジュース、アーモンド、ヘーゼルナッツ、ドライイチジク、イタリアンマスタード、無農薬遺伝子組み換えでないパスタ、 「サン・ダニエーレ」生ハム、ヴェネト産の牛肉などが挙げられます。さらに毎日、イタリアから新鮮な牛乳とチーズ類が届きます。

 さらに、マリア・ローザの公式ワインとして以前紹介したAstoria社のワインも、提供されています。

カチューシャのチームバスの冷蔵庫の中は…カチューシャのチームバスの冷蔵庫の中は…
チームに新鮮な食材を運ぶトラック(ジロ・デ・イタリア2013)チームに新鮮な食材を運ぶトラック(ジロ・デ・イタリア2013)

 やはりおいしいものがずらりと並んでいますね。苦しいレースの最中であっても、プロ選手の心を和ませる食事ができるといいですね。まだまだイタリアの食事の話をしますので、このコラムを楽しみにしていてください。

マルコ・ファヴァロMarco FAVARO(マルコ・ファヴァロ)
イタリア語講師。イタリア外務省のサポートの下、イタリアの言語や文化を世界に普及するダンテ・アリギエーリ協会で、自転車にまつわるイタリア語講座「In Bici」(インビーチ)を担当する。サイクルジャージブランド「カペルミュール」のモデルや、Jスポーツへ「ジロ・デ・イタリア」の情報提供なども行なう。東京都在住。ブログ「チクリスタ・イン・ジャッポーネ

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