新製品情報CANYON LUX CF登場 カーボンがしなる「FLEX PIVOT」を採用した究極のマラソンレーサー

ドイツの自転車メーカー「CANYON」(キャニオン)が、XC(クロスカントリー)とマラソンXCライダー向けの29erフルカーボン・フルサスペンションMTB「LUX CF」を発表した。8月にドイツで開かれる自転車ショー「ユーロバイク」で本格的にお披露目する予定だ。
キャニオンはCyclistの連載「世界のトレイルから」でお馴染みの池田祐樹選手が所属するアメリカの「TOPEAK/ERGON レーシングチーム」へのバイク・サプライヤーとして知られるほか、ロードレース界でもUCIプロチーム「カチューシャ」にバイクを供給するなど、MTB、ロード、トライアスロンまで幅広いラインアップを揃えるメーカーだ。
カーボンの特性を活かした「しなる」ピボット FLEX PIVOT

オールマウンテンモデルである「Nerve」で採用されていたFLEX PIVOTが、このLUX CFでも採用されている。1ピースで成型されたリア三角は、リアエンド側のピボットの代わりに、シートステーにあたる部分が板バネのようにしなる構造をしている。
従来のフルサスバイクでは、動きを重視してリア三角のピボットを増やすと、剛性の低下が避けられなかったが、FLEX PIVOTとする事でこの問題を解決した。レースバイクにとって重要なペダリング効率を向上させ、また負荷の掛かる部分のベアリングを省く事で、トラブルが減り整備性も向上している。カーボンの特性を活かした設計と言えるだろう。

このリア三角では、形状や積層を工夫する事で、リアサスペンションユニットの動きに影響を与えることがないように配慮されている。車輪の大きな29erは剛性を確保する事が難しいので、142X12mmスルーシャフトの採用と相まって効果は絶大だろう。
前後のサスストロークは100mmの設定で、どのモデルも前後のロックアウトが付くモデルが選択できる。また、サスペンションのセッティングを揃えるためであろう、必ず前後に同一メーカーのサスユニットが使われているのも特徴的だ。
モノコックメーンフレーム
モノコック成型されたメーンフレームは、メーンピボットのベアリングが埋め込まれる形で設計されている。ペダリングの力を逃さないように横剛性を高めるデザインがなされており、ピボットはダウンチューブを避けるように配置されている。重量も軽く、大きな力が集中する事を避ける設計がなされているのも特徴だ。
マシンの破損を防ぐさまざまな装備
MTBではクラッシュ時に、ハンドルがトップチューブに当たることが少なくない。ブレーキやシフトレバーなどがトップチューブに当たってしまうと、最悪のケースではカーボンフレームが破損してしまう。
これを防ぐためにImpact Protection Unit(IPU)と呼ばれるパーツが取り付けられている。ハンドルを最大角に切っても、レバーが当たらないようにするストッパーの役割をする。強い衝撃でIPUが壊れても、最初の衝撃を吸収するのでフレームへのダメージは軽減される。ほかにもチェーンの噛み込み時のフレームへのダメージを避けるために、Chain suck plateというパーツが埋め込まれている。ライダー本位の設計が細かいところまで息づいているバイクだ。
- CANYONの最新フルサスバイク「LUX CF」
- CANYONの最新フルサスバイク「LUX CF」
- TOPEAK ERGONのライダーが駆る「LUX CF」
- リアエンド側のピボットが省略されており、しならせるために板バネ状の形状をしているリアセクション。ロックアウトつきユニットが組み込まれる
- リアに142X12mmスルーシャフトを採用。剛性アップに寄与する
- メーンフレームはモノコック設計だ
- メーンピボットのベアリングを囲むようにデザインされているメーンフレーム。軽量化と剛性向上の為の工夫だ
- リア三角は大胆な左右非対称デザインとなっている
- IPUはヘッド後ろに取り付けられている
- Chain Suck Plate
- LUX CFのデザインスケッチ