ツール・ド・フランス2013 第16ステージ逃げ集団の山岳サバイバルを決したルイ・コスタの独走 コンタドールがアタック連発もフルームは守りきる

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 ツール・ド・フランスは16日、第16ステージがヴェゾン・ラ・ロメーヌからギャップまでの168kmで行われ、最後の上りでアタックをかけたルイ・コスタ(ポルトガル、モビスター チーム)が逃げ切り優勝した。マイヨジョーヌはクリストファー・フルーム(イギリス、スカイ プロサイクリング)がキープ。新城幸也(チーム ヨーロッパカー)は114位でゴールしている。

最後の2級山岳で攻撃に出たルイ・コスタ最後の2級山岳で攻撃に出たルイ・コスタ

 休息日明けの中級の山岳ステージ。序盤に3級、2級と山岳が続き、終盤に再び2級が待ち構える。いずれも平均勾配は5%台だが、最後の下りは勾配が厳しくテクニカルなコース。個人総合の争いが起こるにしても、あるいは逃げが決まるにしても、勝負どころは最後の山岳となりそうなレイアウトだった。

エスケープグループに入ったフィリップ・ジルベールエスケープグループに入ったフィリップ・ジルベール

 翌日に山岳タイムトライアルを控えているため、逃げ切るチャンスと見た多くの選手が序盤から勝負に出た。最初に20人が逃げたが、山岳でちぎれたり、メーン集団からジャンプアップしてきたりと、何度もメンバーが入れ替わる目まぐるしい展開に。第2山岳を上る頃には26人の逃げ集団が形成され、この中にはルイ・コスタ、フィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシングチーム)、トマ・ヴォクレール(フランス、チーム ヨーロッパカー)ら実力者が多数入っていた。

 第2山岳の山頂はジョニー・ホーヘルランド(オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM)がトップ通過。スカイがコントロールするメーン集団は、山頂を6分30秒遅れで通過していった。逃げを吸収しようという様子を見せないメーン集団は、さらに踏み切りで足止めを食らうことに。強制的に10数秒ストップされられるというハプニングが発生したが、その後もタイム差は徐々に広がり続け、逃げは完全に容認された。

険しい山道を下るプロトン険しい山道を下るプロトン

 残り35km、ブレル・カドリ(フランス、アージェードゥーゼル ラモンディアル)、ジャンマルク・マリノ(フランス、ソジャサン)が逃げ集団から飛び出す。20秒ほどのタイム差で、残り21km地点から始まる第3山岳に突入。しかし、アダム・ハンセン(オーストラリア、ロット・ベリソル)、ジェローム・コッペル(フランス、コフィディス ソリューションズクレジッツ)らのアタックであえなく吸収され、脱落。代わってコッペルが先頭に立つが、ルイ・コスタが脚の違いを見せ、抜き去っていく。追いすがるコッペルを突き離し、50秒のリードを奪って山頂を通過した。

 トップから11分以上遅れて最後の山岳に入ったメーン集団では、ホアキン・ロドリゲス(スペイン)擁するカチューシャ チームがペースアップ。このハイペースで総合10位以内の選手も遅れ始め、メーン集団はスカイのフルームとリッチー・ポート(オーストラリア)、チーム サクソ・ティンコフのアルベルト・コンタドール(スペイン)とロマン・クロイツィゲル(チェコ)、モビスター チームのナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア)とアレハンドロ・バルベルデ(スペイン)、ローレンス・テンダム(オランダ、ベルキン プロサイクリングチーム)、そしてロドリゲスの8人に絞られた。

ダウンヒルするクリストファー・フルームダウンヒルするクリストファー・フルーム

 ポートが8人をコントロールし始めると、コンタドールが連続でアタック。2度はポートが潰したものの3度目は反応できず、フルームが自らチェック。ポートが遅れたことでコンタドールとクロイツィゲルは何度も波状攻撃を仕掛けるが、フルームはこれも阻止。こうしてフルームが対応している間にポートも集団に復帰し、8人で下りへ。

 サクソ・ティンコフの上りでのアタックは失敗に終わったが、コンタドールは下りでもアタックしてペースアップを図った。しかしヘアピンカーブでまさかの落車。フルームもこれに巻き込まれる形でコースアウトしてしまう。すぐに立て直すと、ポートのアシストを受けて3人で追走。タイムを失うかと思われたが、前方で待っていた5人に残り3kmで合流した。

第16ステージを制したルイ・コスタ第16ステージを制したルイ・コスタ
グルペットでゴールを目指す新城幸也グルペットでゴールを目指す新城幸也

 下りでもリードを守りきったルイ・コスタは、残り1kmで勝利を確信し、快心の笑顔を見せた。自身のツール通算2勝目は、モビスターにとっての今大会初勝利。ツール・ド・フランスの前哨戦とされるツール・ド・スイスを連覇し、好調を維持して臨んだ今大会で、ついに結果を残した。

 メーンの8人は11分8秒遅れでゴール。その他の総合上位陣がそこから1分遅れたため、キンタナとロドリゲスは1つ順位を上げ、キンタナは新人賞争いでさらに優位に立った。逃げに乗れなかった新城幸也(チーム ヨーロッパカー)は、20分57秒遅れの114位でゴールした。

(文 平澤尚威/写真 砂田弓弦)

第16ステージ結果
1 ルイ・コスタ(ポルトガル、モビスター チーム) 3時間52分45秒
2 クリストフ・リブロン(フランス、アージェードゥーゼル ラモンディアル ) +42秒
3 アルノルド・ジャヌソン(フランス、FDJ.FR) +42秒
4 ジェローム・コッペル(フランス、コフィディス ソリューションズクレジッツ) +42秒
5 アンドレアス・クレーデン(ドイツ、レイディオシャック・レオパード) +42秒
6 トム・ドゥムラン(オランダ、チーム アルゴス・シマノ) +1分0秒
7 ミケル・アスタルロサ(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ) +1分1秒
8 フィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシングチーム) +1分4秒
9 キャメロン・メイヤー(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) +1分4秒
10 ラムーナス・ナヴァルダウスカス(リトアニア、ガーミン・シャープ) +1分4秒
114 新城幸也(日本、チーム ヨーロッパカー) +20分57秒

個人総合(マイヨジョーヌ)
1 クリストファー・フルーム(イギリス、スカイ プロサイクリング) 65時間15分36秒
2 バウケ・モレマ(オランダ、ベルキン プロサイクリングチーム) +4分14秒
3 アルベルト・コンタドール(スペイン、チーム サクソ・ティンコフ) +4分25秒
4 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、チーム サクソ・ティンコフ) +4分28秒
5 ナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) +5分47秒
6 ローレンス・テンダム(オランダ、ベルキン プロサイクリングチーム) +5分54秒
7 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ チーム) +7分11秒
8 ヤコブ・フルサング(デンマーク、アスタナ プロチーム) +7分22秒
9 ジャンクリストフ・ペロー(フランス、アージェードゥーゼル ラモンディアル ) +8分47秒
10 ダニエル・マーティン(アイルランド、ガーミン・シャープ) +9分28秒
96 新城幸也(日本、チーム ヨーロッパカー) +1時間48分28秒

ポイント賞(マイヨヴェール)
1 ペテル・サガン(スロバキア、キャノンデール プロサイクリング) 377 pts
2 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファルマ・クイックステップ) 278 pts
3 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル) 223 pts
4 マルセル・キッテル(ドイツ、チーム アルゴス・シマノ) 177 pts
5 アレクサンドル・クリツォフ(ノルウェー、カチューシャ チーム) 157 pts
6 ホセホアキン・ロハス(スペイン、モビスター チーム) 145 pts

山岳賞(マイヨアポワ)
1 クリストファー・フルーム(イギリス、スカイ プロサイクリング) 83 pts
2 ナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) 66 pts
3 ミケル・ニエベ(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ) 53 pts
4 ピエール・ローラン(フランス、チーム ヨーロッパカー) 51 pts
5 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、チーム サクソ・ティンコフ) 28 pts
6 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ チーム) 28 pts

新人賞(マイヨブラン)
1 ナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) 65時間21分23秒
2 ミハウ・クフィアトコフスキー(ポーランド、オメガファルマ・クイックステップ) +3分50秒
3 アンドルー・タランスキー(アメリカ、ガーミン・シャープ) +7分45秒

チーム総合
1 レイディオシャック・レオパード 195時間32秒
2 チーム サクソ・ティンコフ +3分11秒
3 アージェードゥーゼル ラモンディアル +4分4秒

敢闘賞
ルイ・コスタ(ポルトガル、モビスター チーム)

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