ツール・ド・フランス2013 第15ステージ“魔の山”モン・ヴァントゥーで大本命フルームのアタックが炸裂 総合リードを大きく広げる

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 ツール・ド・フランスは14日、第15ステージが行われ、ステージ最大のポイントであるモン・ヴァントゥー山頂ゴールを制したクリストファー・フルーム(イギリス、スカイ プロサイクリング)がステージ優勝を果たした。総合首位の証、マイヨジョーヌを着用するフルームは、ライバルに対しリードをさらに広げることに成功した。

区間優勝を果たしたクリストファー・フルーム(イギリス、スカイ プロサイクリング)区間優勝を果たしたクリストファー・フルーム(イギリス、スカイ プロサイクリング)

 ツール第2週目の締めくくりは、242.5kmの今大会最長ステージ。これまで数々の死闘が繰り広げられたモン・ヴァントゥーがこの日の最後に登場。登坂距離20.8km、平均勾配7.5%、最大勾配10.6%、高度にして約1600mを上る、フランス革命記念日にふさわしいコースレイアウトとなった。

集団の前に立つ新城幸也集団の前に立つ新城幸也

 逃げを狙ったアタックがスタート直後から繰り返され、35km地点でようやく落ち着きを見せる。逃げメンバーは、ポイント賞争いトップのペテル・サガン(スロバキア、キャノンデール プロサイクリング)を筆頭に、マイケル・イリサル(スペイン、レイディオシャック・レオパード)、ピエリック・フェドリゴ(フランス、FDJ.FR)、ジェレミー・ロワ(フランス、FDJ.FR)、クリストフ・リブロン(フランス、アージェードゥーゼル ラモンディアル)、アルベルト・ロサダ(スペイン、カチューシャ チーム)、シルヴァン・シャヴァネル(フランス、オメガファルマ・クイックステップ)、ダリル・インピー(南アフリカ、オリカ・グリーンエッジ)、ヴァウテル・プールス(オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM)、ジュリアン・エルファレス(フランス、ソジャサン)の10人。そのうち、エルファレスは44.5km地点の4級山岳をトップ通過後にメーン集団へと戻っている。また、逃げに選手を送り込むことができなかったチームがたびたび追走を試みるも、いずれも失敗。それもあり、最初の1時間は48.2km/hとハイペースでレースは推移した。

 以降、メーン集団ではモビスター チームが主にコントロール。先行する9選手との差を4分以内にとどめ、安定したペースでレースは進行した。そんな中、動きを見せたのはスタートから208km地点に設けられた中間スプリントポイント。逃げメンバーではサガンが狙い通り先頭通過し20ポイントを加算。メーン集団内で通過したライバルのアンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル)、マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファルマ・クイックステップ)はそれぞれ6ポイント、5ポイントの獲得にとどまり、サガンはマイヨヴェール争いをさらに優位なものとした。

エスケープするシャヴァネルエスケープするシャヴァネル

 ゴールまで残り20.8km、モン・ヴァントゥー入口を示すバナーを通過して、いよいよ勝負のとき。逃げメンバーからシャヴァネルが抜けだし、イリサルとリブロンが追う。一方、メーン集団も上り開始に向けスカイ プロサイクリングがペースアップ。山岳賞ジャージのピエール・ローラン(フランス、チーム ヨーロッパカー)らが集団から脱落した。

 残り15kmからはモビスターが再びメーン集団を牽引。すると、アンディ・シュレク(ルクセンブルク、レイディオシャック・レオパード)が遅れ始める。タイミングを同じくして、ヤン・バークランツ(ベルギー、レイディオシャック・レオパード)、ミケル・ニエベ(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ)が立て続けにアタックを仕掛ける。

 レースが大きく動いたのは、残り14kmを切ってのナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム)のアタック。すかさずスカイが集団牽引を開始するものの、キンタナは快調にペースを刻み、先頭を行くニエベに合流。集団との差は50秒にまで広がる。追うメーン集団では、リッチー・ポート(オーストラリア、スカイ プロサイクリング)がハイペースで牽引を開始すると、メンバーが一気に絞り込まれ、残ったのはフルームとアルベルト・コンタドール(スペイン、チーム サクソ・ティンコフ)だけに。

先頭を走るフルームとキンタナに、ファンが声援を送る先頭を走るフルームとキンタナに、ファンが声援を送る

 残り7km、大本命フルームが満を持してアタック。コンタドールを振り切ると、単独先頭を走っていたキンタナに合流し、2人でゴールを目指す。数回フルームのアタックがあったものの、キンタナも食らいつき、その後は先頭交代しながら後方との差を広げる形に。追うコンタドールは、先行していたニエベに合流しペースアップを図るも、上手く協調体制がとれず、フルームとの差は開く一方。

 そして、ゴールまで1.3kmと勾配がさらに厳しくなるところでキンタナが力尽きると、フルームはさらにスピードアップ。最後まで踏み続け、2位キンタナに29秒の差をつけて今大会2勝目となるステージ優勝を果たした。

 後方では、総合上位陣が中心となった集団もフルームとの差を開くまいと好ペースを維持。残り1kmからホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ チーム)がアタックを成功させ、コンタドールを振り切り3位となったニエベとともにゴール。直後に次々となだれ込むようにゴールへ到達し、最終盤に失速したコンタドールもその中でレースを終えた。

モン・ヴァントゥーの傾斜に耐えられず、転んでしまったプレスのオートバイモン・ヴァントゥーの傾斜に耐えられず、転んでしまったプレスのオートバイ
フルームを祝福するグレッグ・レモンフルームを祝福するグレッグ・レモン

 「スタート前までのタイム差(総合2位との差2分28秒)では不安があったので、差を広げることを最優先した」というフルームは、この日の勝利とともに総合2位に対し4分14秒にまでアドバンテージを築くことに成功。総合2位から5位まではタイム差の変動こそあったものの、順位は変わらず。この日大活躍のキンタナが総合8位から6位へと順位を上げ、新人賞のマイヨブランも奪還した。

 新城幸也(チーム ヨーロッパカー)は、30分23秒遅れの142位でゴール。総合94位とし、第2週目を終えている。

(文 福光俊介/写真 砂田弓弦)

第15ステージ結果
1 クリストファー・フルーム(イギリス、スカイ プロサイクリング) 5時間48分45秒
2 ナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) +29秒
3 ミケル・ニエベ(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ) +1分23秒
4 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ チーム) +1分23秒
5 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、チーム サクソ・ティンコフ) +1分40秒
6 アルベルト・コンタドール(スペイン、チーム サクソ・ティンコフ) +1分40秒
7 ヤコブ・フルサング(デンマーク、アスタナ プロチーム) +1分43秒
8 バウケ・モレマ(オランダ、ベルキン プロサイクリングチーム) +1分46秒
9 ローレンス・テンダム(オランダ、ベルキン プロサイクリングチーム) +1分53秒
10 ジャンクリストフ・ペロー(フランス、アージェードゥーゼル ラモンディアル ) +2分8秒
142 新城幸也(日本、チーム ヨーロッパカー) +30分23秒

個人総合(マイヨジョーヌ)
1 クリストファー・フルーム(イギリス、スカイ プロサイクリング) 61時間11分43秒
2 バウケ・モレマ(オランダ、ベルキン プロサイクリングチーム) +4分14秒
3 アルベルト・コンタドール(スペイン、チーム サクソ・ティンコフ) +4分25秒
4 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、チーム サクソ・ティンコフ) +4分28秒
5 ローレンス・テンダム(オランダ、ベルキン プロサイクリングチーム) +4分54秒
6 ナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) +5分47秒
7 ヤコブ・フルサング(デンマーク、アスタナ プロチーム) +6分22秒
8 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ チーム) +7分11秒
9 ジャンクリストフ・ペロー(フランス、アージェードゥーゼル ラモンディアル ) +7分47秒
10 ミハウ・クフィアトコフスキー(ポーランド、オメガファルマ・クイックステップ) +7分58秒
94 新城幸也(日本、チーム ヨーロッパカー) +1時間38分39秒

ポイント賞(マイヨヴェール)
1 ペテル・サガン(スロバキア、キャノンデール プロサイクリング) 377 pts
2 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファルマ・クイックステップ) 278 pts
3 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル) 223 pts
4 マルセル・キッテル(ドイツ、チーム アルゴス・シマノ) 177 pts
5 アレクサンドル・クリツォフ(ノルウェー、カチューシャ チーム) 157 pts
6 ホセホアキン・ロハス(スペイン、モビスター チーム) 145 pts

山岳賞(マイヨアポワ)
1 クリストファー・フルーム(イギリス、スカイ プロサイクリング) 83 pts
2 ナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) 66 pts
3 ミケル・ニエベ(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ) 53 pts
4 ピエール・ローラン(フランス、チーム ヨーロッパカー) 51 pts
5 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、チーム サクソ・ティンコフ) 28 pts
6 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ チーム) 28 pts

新人賞(マイヨブラン)
1 ナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) 61時間17分30秒
2 ミハウ・クフィアトコフスキー(ポーランド、オメガファルマ・クイックステップ) +2分11秒
3 アンドルー・タランスキー(アメリカ、ガーミン・シャープ) +6分45秒

チーム総合
1 チーム サクソ・ティンコフ 183時間1分46秒
2 ベルキン プロサイクリングチーム +3分36秒
3 アージェードゥーゼル ラモンディアル +8分3秒

敢闘賞
シルヴァン・シャヴァネル(フランス、オメガファルマ・クイックステップ)

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