ツール・ド・フランス2013 第14ステージ伏兵トレンティンがツールでプロ初勝利 大逃げからの少数スプリントで有力選手を撃破

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 ツール・ド・フランスは13日、サン・プルサン・シュル・シウールからリヨンまでの191kmで第14ステージが行われ、逃げ集団でのスプリントを制したマッテーオ・トレンティン(イタリア、オメガファルマ・クイックステップ)がプロ初勝利を挙げた。マイヨジョーヌはクリストファー・フルーム(イギリス、スカイ プロサイクリング)がキープ。新城幸也(チーム ヨーロッパカー)は、メーン集団でゴールしている。

ツール・ド・フランス初勝利を喜ぶトレンティンツール・ド・フランス初勝利を喜ぶトレンティン
自転車を交換するシュレク自転車を交換するシュレク

 この日はアップダウンが繰り返すコース設定で、中盤には4級2つと3級2つ、終盤に4級3つと、小さな山岳が合計7つ散りばめられている。4級とはいえゴール前に山岳が続くため、スプリンターには難易度が高い。また、前日が厳しい展開だったうえ、翌日には超級山岳の頂上ゴールが控えており、総合系のチームは体力温存を図りたいところ。それらを考慮すれば、逃げ切り勝ちを狙う選手にはこれ以上ないステージといえる。

エスケープグループに加わったヴァンガードレンエスケープグループに加わったヴァンガードレン

 こうして、逃げを狙う激しいアタック合戦が開始。ジョニー・ホーヘルランド(オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM)がファーストアタックを仕掛けるがこれは失敗。3km地点でラースユティング・バク(デンマーク、ロット・ベリソル)、イェンス・フォイクト(ドイツ、レイディオシャック・レオパード)、ブレル・カドリ(フランス、アージェードゥーゼル ラモンディアル )による3人のアタックが成功すると、多くの選手がこれに続いた。

 最終的に形成された逃げ集団は18人。このなかには、第2ステージ優勝のヤン・バークランツ(ベルギー、レイディオシャック・レオパード)や、アンドルー・タランスキー(アメリカ、ガーミン・シャープ)、ティージェイ・ヴァンガードレン(アメリカ、BMCレーシングチーム)、マルクス・ブールクハート(ドイツ、BMCレーシングチーム)、デイヴィッド・ミラー(イギリス、ガーミン・シャープ)といった有力選手、ミヒャエル・アルバジーニ(スイス、オリカ・グリーンエッジ)、ジュリアン・シモン(フランス、ソジャサン)、ホセホアキン・ロハス(スペイン、モビスター チーム)などスプリント力のある選手、そしてトレンティンらが含まれた。

ニュートラルのボトルサービスから水を受け取る選手ニュートラルのボトルサービスから水を受け取る選手

 レイディオシャック、ガーミン、モビスター、BMCの4チームは、2人を逃げに送り込んおり、このなかでは13分11秒遅れのタランスキーが総合では最高の17位につけている。序盤、逃げに入れなかったエウスカルテル・エウスカディ、ランプレ・メリダがメーン集団を牽引。逃げを潰そうと試みたためレースは比較的ハイスピードな展開となったが、残り100kmほどで断念。ここからは、スカイが余裕をもってコントロールし続けた。

エスケープグループを追うホーヘルランドとクネゴエスケープグループを追うホーヘルランドとクネゴ

 残り約80km、メーン集団では、ファーストアタックしたホーヘルランドと、逃げに入りたいランプレのダミアーノ・クネゴ(イタリア)が3級山岳の上りでアタック。逃げ集団へのジャンプアップを狙った。しかし、2つの3級山岳で1分差にまで詰めたものの、下りに入った逃げ集団には追いつけず。またメーン集団を率いるスカイには逃げ集団を捕らえる意志はなかったため、18人による先行集団の逃げ切りが容認される形になった。

 残り16km、山岳はあと2つという所でバークランツがアタックを仕掛ける。このアタックには他の選手が追いつくことができたが、しかし、続いて頂上で飛び出したシモンには対応できなかった。シモンは下りアタックに成功して単独先頭に。これに追いつきたい15人だったが、互いにアタックをけん制する状態でペースが上がらず、40秒ほど開いた差がなかなか縮まらない。

 残り2kmの直線に入ってなお10秒差で逃げるシモンに対し、追走集団のブールクハート、アルバジーニらが猛追。1km余りを残してついにシモンを捕らえた。これで先頭はゴールスプリントに向けた駆け引きでペースダウン。最後は18人がほぼまとまってスプリント勝負に持ち込まれた。前方でアルバジーニ、後方からロハスがスプリントに入ったが、ロハスの後ろについた伏兵トレンティンが脚力を発揮、有力選手との対決を制した。

第14ステージを制したトレンティン第14ステージを制したトレンティン
トレンティンの表彰を携帯カメラで収めるオメガファルマの広報担当者トレンティンの表彰を携帯カメラで収めるオメガファルマの広報担当者

 2年前のU23イタリア選手権などを制しているトレンティンだが、プロのカテゴリーではこれが初勝利。プロ2年目のツール初出場でステージ優勝という偉業を成し遂げた。オメガファルマはこれで2連勝。また、イタリア人による今大会初優勝となった。

 メーン集団はトレンティンから7分17秒遅れでゴール。総合上位ではタランスキーだけが変動しており、再び新人賞を争える位置まで浮上した。けがの具合が心配される新城はメーン集団と同タイムの122位でゴールしており、アシストの仕事もこなすなど元気な姿を見せている。

(文 平澤尚威/写真 砂田弓弦)

第14ステージ結果
1 マッテーオ・トレンティン(イタリア、オメガファルマ・クイックステップ) 4時間15分11秒
2 ミヒャエル・アルバジーニ(スイス、オリカ・グリーンエッジ) +0秒
3 アンドルー・タランスキー(アメリカ、ガーミン・シャープ) +0秒
4 ホセホアキン・ロハス(スペイン、モビスター チーム) +0秒
5 エゴイツ・ガルシア(スペイン、コフィディス ソリューションズクレジッツ) +0秒
6 ラースユティング・バク(デンマーク、ロット・ベリソル) +0秒
7 シモン・ゲシュケ(ドイツ、チーム アルゴス・シマノ) +0秒
8 アルチュール・ヴィショ(フランス、FDJ.FR) +0秒
9 パヴェル・ブルット(ロシア、カチューシャ チーム) +0秒
10 シリル・ゴティエ(フランス、チーム ヨーロッパカー) +0秒
122 新城幸也(日本、チーム ヨーロッパカー) +7分17秒

個人総合(マイヨジョーヌ)
1 クリストファー・フルーム(イギリス、スカイ プロサイクリング) 55時間22分58秒
2 バウケ・モレマ(オランダ、ベルキン プロサイクリングチーム) +2分28秒
3 アルベルト・コンタドール(スペイン、チーム サクソ・ティンコフ) +2分45秒
4 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、チーム サクソ・ティンコフ) +2分48秒
5 ローレンス・テンダム(オランダ、ベルキン プロサイクリングチーム) +3分1秒
6 ヤコブ・フルサング(デンマーク、アスタナ プロチーム) +4分39秒
7 ミハウ・クフィアトコフスキー(ポーランド、オメガファルマ・クイックステップ) +4分44秒
8 ナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) +5分18秒
9 ジャンクリストフ・ペロー(フランス、アージェードゥーゼル ラモンディアル ) +5分39秒
10 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ チーム) +5分48秒
85 新城幸也(日本、チーム ヨーロッパカー) +1時間8分16秒

ポイント賞(マイヨヴェール)
1 ペテル・サガン(スロバキア、キャノンデール プロサイクリング) 357 pts
2 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファルマ・クイックステップ) 273 pts
3 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル) 217 pts
4 マルセル・キッテル(ドイツ、チーム アルゴス・シマノ) 177 pts
5 アレクサンドル・クリツォフ(ノルウェー、カチューシャ チーム) 157 pts
6 ホセホアキン・ロハス(スペイン、モビスター チーム) 141 pts

山岳賞(マイヨアポワ)
1 ピエール・ローラン(フランス、チーム ヨーロッパカー) 50 pts
2 クリストファー・フルーム(イギリス、スカイ プロサイクリング) 33 pts
3 リッチー・ポート(オーストラリア、スカイ プロサイクリング) 28 pts
4 ナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) 26 pts
5 ミケル・ニエベ(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ) 21 pts
6 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) 20 pts

新人賞(マイヨブラン)
1 ミハウ・クフィアトコフスキー(ポーランド、オメガファルマ・クイックステップ) 55時間27分42秒
2 ナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) +34秒
3 アンドルー・タランスキー(アメリカ、ガーミン・シャープ) +1分10秒

チーム総合
1 チーム サクソ・ティンコフ 165時間29分45秒
2 モビスター チーム +2分26秒
3 ベルキン プロサイクリングチーム +2分32秒

敢闘賞
ジュリアン・シモン(フランス、ソジャサン)

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