ツール・ド・フランス2013 第12ステージキッテルがスプリント連勝で3勝目 直接対決でカヴを下す 新城はゴール前の落車でけが

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 ツール・ド・フランスは12日、第12ステージが行われ、マルセル・キッテル(ドイツ、チーム アルゴス・シマノ)が集団ゴールスプリントを制して優勝した。総合首位のマイヨジョーヌはクリストファー・フルーム(イギリス、スカイ プロサイクリング)で変わっていない。

前日のレースで尿をかけられたカヴェンディッシュ。スタート前にインタビュー攻めにあう前日のレースで尿をかけられたカヴェンディッシュ。スタート前にインタビュー攻めにあう
5人のエスケープグループ5人のエスケープグループ

 この日のコースはフージュールからトゥールに至る218km。途中に山岳ポイントが全くなく、今回のツールでは数少ない、純粋なスプリンター向けのステージだ。

 レース序盤に逃げを決めたのは5人。フランチェスコ・ガヴァッツィ(イタリア、アスタナ プロチーム)、ロマン・シカール(フランス、エウスカルテル・エウスカディ)、マヌエーレ・モーリ(イタリア、ランプレ・メリダ)、フアンアントニオ・フレチャ(スペイン、ヴァカンソレイユ・DCM)、アントニー・ドゥラプラス(フランス、ソジャサン)が、メーン集団に最大8分超の差を付けた。セオリー通りの展開だ。

沿道のサガンのファンがスロバキアの旗を振る沿道のサガンのファンがスロバキアの旗を振る
新城に声援を送るファン新城に声援を送るファン
並木道を行くプロトン並木道を行くプロトン

 集団は落ち着いた状態で、ピュアスプリンターを抱えるアルゴス・シマノ、ロット・ベリソル、オメガファルマ・クイックステップなどが中心となってペースを作り、残り100kmまで約6分差にコントロールすると、ここから徐々にゴールに向けて逃げ集団との差を縮め始める。

 畑と森と、そしてシャトーが次々と現れるコース。先頭は淡々と協調して進んでいたが、中間スプリント争いで一瞬ペースアップ。ガヴァッツィが先頭でスプリントポイントを通過し、ここでシカールが脱落して、先頭の逃げ集団は4人となる。

 残り60kmで約3分差、残り25kmで差は1分を切ってきた。メーン集団前方では各チームが集まって、緩やかにトレインを組んだ状態で前をうかがう。逃げ集団は少しでも長く逃げ続けようと最後のペースアップがかかり、徐々に選手が脱落。最後まで逃げ続けたのは、“逃げ屋”のフレチャただ一人となった。

レース終盤のプロトン。逃げの吸収を前に、各チームの位置取り争いが激しくなるレース終盤のプロトン。逃げの吸収を前に、各チームの位置取り争いが激しくなる
エスケープグループから飛び出したフレチャエスケープグループから飛び出したフレチャ

 しかしフレチャも、残り6km手前でついに集団に吸収された。勢いづく集団は、ゴールスプリントに向けて再びペースアップし、各チームの位置取り争いが激しくなる。コースも細かいコーナーや道幅の変化が続いて、集団はやや不安定な状況となった。

 ここで落車が発生。残り3kmを切ってすぐの緩い左カーブで、集団の比較的前方で起こったこの落車に、スプリント勝負を狙うアンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル)も一瞬足止めされてしまう。また日本チャンピオンの新城幸也(チーム ヨーロッパカー)も巻き込まれて落車。新城は第10ステージに続き、ゴールスプリントを目前にしてトラブルに見舞われた。

 残り1kmで積極的なのはアルゴス・シマノ。キッテルを引き連れて最終の直角コーナーを先頭通過する。しかし最後の直線に入って勢いよく飛び出してきたのはマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファルマ・クイックステップ)。アシストに引かれて一気に先頭に出るが、このための加速が急すぎたか、先頭に立ってからの伸びが今ひとつだ。カヴェンディッシュの後ろに付けたキッテルが巨体を揺らして加速すると、ゴールライン直前でカヴェンディッシュを追い抜いくことに成功した。

キッテル(右)がカヴェンディッシュ(左)を打破して3勝目を挙げたキッテル(右)がカヴェンディッシュ(左)を打破して3勝目を挙げた

 キッテルは今大会3勝目。個人TTの第11ステージをはさみ、第10ステージに続くスプリントステージ2連勝。レース中盤の追走からゴール前の先導まで、チームプレーが完全に機能しての勝利だ。キッテルはインタビューでまず、チームの働きに最大限の賛辞を述べた。敗れたカヴェンディッシュが2位。3位はサガンだった。

 ゴール前の落車は残り3kmを切っていたため、規定によりタイム差は計上されない。総合各賞の首位は変わらず、フルームがマイヨジョーヌを着続ける。続く第13ステージも、スプリンター勝負が見込まれるコースだ。落車に巻き込まれた新城は最後から2番目の181位でゴール。けがの状態が心配される。

(文 米山一輝/写真 砂田弓弦)

第12ステージ結果
1 マルセル・キッテル(ドイツ、チーム アルゴス・シマノ) 4時間49分49秒
2 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファルマ・クイックステップ) +0秒
3 ペテル・サガン(スロバキア、キャノンデール プロサイクリング) +0秒
4 アレクサンドル・クリツォフ(ノルウェー、カチューシャ チーム) +0秒
5 ロベルト・フェラーリ(イタリア、ランプレ・メリダ) +0秒
6 ダリル・インピー(南アフリカ、オリカ・グリーンエッジ) +0秒
7 ホセホアキン・ロハス(スペイン、モビスター チーム) +0秒
8 ヨアン・ジェヌ(フランス、チーム ヨーロッパカー) +0秒
9 フアンホセ・ロバト(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ) +0秒
10 サミュエル・デュムラン(フランス、アージェードゥーゼル ラモンディアル ) +0秒
181 新城幸也(日本、チーム ヨーロッパカー) +0秒

個人総合(マイヨジョーヌ)
1 クリストファー・フルーム(イギリス、スカイ プロサイクリング) 47時間19分13秒
2 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) +3分25秒
3 バウケ・モレマ(オランダ、ベルキン プロサイクリングチーム) +3分37秒
4 アルベルト・コンタドール(スペイン、チーム サクソ・ティンコフ) +3分54秒
5 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、チーム サクソ・ティンコフ) +3分57秒
6 ローレンス・テンダム(オランダ、ベルキン プロサイクリングチーム) +4分10秒
7 ミハウ・クフィアトコフスキー(ポーランド、オメガファルマ・クイックステップ) +4分44秒
8 ナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) +5分18秒
9 ルイ・コスタ(ポルトガル、モビスター チーム) +5分37秒
10 ジャンクリストフ・ペロー(フランス、アージェードゥーゼル ラモンディアル ) +5分39秒
78 新城幸也(日本、チーム ヨーロッパカー) +59分31秒

ポイント賞(マイヨヴェール)
1 ペテル・サガン(スロバキア、キャノンデール プロサイクリング) 307 pts
2 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファルマ・クイックステップ) 211 pts
3 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル) 195 pts
4 マルセル・キッテル(ドイツ、チーム アルゴス・シマノ) 177 pts
5 アレクサンドル・クリツォフ(ノルウェー、カチューシャ チーム) 157 pts
6 ホセホアキン・ロハス(スペイン、モビスター チーム) 102 pts

山岳賞(マイヨアポワ)
1 ピエール・ローラン(フランス、チーム ヨーロッパカー) 49 pts
2 クリストファー・フルーム(イギリス、スカイ プロサイクリング) 33 pts
3 リッチー・ポート(オーストラリア、スカイ プロサイクリング) 28 pts
4 ナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) 26 pts
5 ミケル・ニエベ(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ) 21 pts
6 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) 20 pts

新人賞(マイヨブラン)
1 ミハウ・クフィアトコフスキー(ポーランド、オメガファルマ・クイックステップ) 47時間23分57秒
2 ナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) +34秒
3 ロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼル ラモンディアル ) +6分53秒

チーム総合
1 モビスター チーム 141時間17分14秒
2 チーム サクソ・ティンコフ +4分34秒
3 ベルキン プロサイクリングチーム +6分6秒

敢闘賞
フアンアントニオ・フレチャ(スペイン、ヴァカンソレイユ・DCM)

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