ツール・ド・フランス2013 第11ステージ世界王者マルティンがけがを乗り越え個人TT制覇 フルームはライバルからさらに2分のリードを奪う

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 ツール・ド・フランスは10日、アヴランシュからモン・サン・ミシェルの33kmで第11ステージの個人タイムトライアル(TT)が行われ、TT世界チャンピオンのトニー・マルティン(ドイツ、オメガファルマ・クイックステップ)が36分29秒のタイムで優勝。総合首位のクリストファー・フルーム(イギリス、スカイ プロサイクリング)は、12秒遅れの2位でゴールした。新城幸也(チーム ヨーロッパカー)は40分58秒でゴールし、103位となった。

世界遺産モン・サン・ミシェルを背景に、TT世界チャンピオンのマルティンがステージ優勝世界遺産モン・サン・ミシェルを背景に、TT世界チャンピオンのマルティンがステージ優勝

 この日のコースプロフィールは、スタートから細かくアップダウンが続き、9.5km地点でまず第1計測を行う。その先の長めの丘を越えた22km地点で第2計測、そこからゴールまではフラットというレイアウトになっている。ゴール地点となる世界遺産、モン・サン・ミシェルへと選手たちが向かっていく様は、第100回となるツールにふさわしく美しい光景となった。

 レースは、総合順位が最下位の選手から順にスタート。すると、2番スタートのカナダTTチャンピオン、スヴェイン・タフト(オリカ・グリーンエッジ)が38分4秒の好タイムをマーク。しばらくの間、暫定首位の座をキープし、最終的にはステージ6位に入った。

 レース中盤の山場となったのは、トマス・デヘント(オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM)と、第1ステージでの落車で大けがを負った個人TT優勝候補マルティンの走り。64番スタートのデヘントは、第1計測ではタフトから1秒遅れたものの、第2計測では13秒上回る暫定最速タイムで通過。ゴールでは37分30秒という好タイムで暫定首位に躍り出た。

 ところが、デヘントから2分後にスタートしたマルティンはさらに異次元の強さを見せた。第1計測でデヘントより23秒早い暫定最速タイムで通過し、けがの影響を感じさせない。さらに快走を続け、トップタイムを1分以上塗り替えてゴール。暫定首位になったばかりのデヘントは、ゴール後わずか1分でその座を奪われてしまった。

総合では遅れたものの、4位に入ったポート総合では遅れたものの、4位に入ったポート

 終盤に入り、まず好タイムを記録したのは総合34位にまで後退しているリッチー・ポート(オーストラリア、スカイ プロサイクリング)だった。1分21秒遅れのゴールで4位に入り、コンディションが落ちていないことをアピールした。総合28位のシルヴァン・シャヴァネル(フランス、オメガファルマ・クイックステップ)は第1計測をマルティンから7秒遅れで通過。フランスTTチャンピオンの優勝なるかと期待させたが、最終的には1分37秒遅れと、後半で失速した。

 新人賞を争うナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム)とミハウ・クフィアトコフスキー(ポーランド、オメガファルマ・クイックステップ)は明暗が分かれた。クフィアトコフスキーは1分31秒遅れの5位に入り、スプリントと山岳に加え、TTも走れてしまう万能さを証明。一方、クライマーのキンタナは3分28秒遅れの54位と、課題を露呈した。

フルームに2分以上離されたコンタドールフルームに2分以上離されたコンタドール
総合2位をキープしたバルベルデ総合2位をキープしたバルベルデ

 総合成績を争う各チームのエースのなかでは、上位で粘りたいホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ チーム)、カデル・エバンス(オーストラリア、BMCレーシング)、アンディ・シュレック(ルクセンブルグ、レイディオシャック・レオパード)らがタイムを大きく失った。アルベルト・コンタドール(スペイン、チーム サクソ・ティンコフ)は2分15秒遅れの15位。ツールのTTで優勝した頃のような強さを見せることはできなかった。それに対し、TTが得意とはいえないアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム)は13位に入り、総合2位を守った。

総合ライバルに対し大きなリードを奪ったフルーム総合ライバルに対し大きなリードを奪ったフルーム

 そして、最後にフルームが登場。ステージ優勝と総合成績のリード拡大を狙うフルームは、第1計測で1秒、第2計測で2秒とマルティンを上回り、最速タイムを更新。このまま優勝かと思われたが、ゴール前でマルティンのタイムをオーバー。12秒遅れの36分41秒、ステージ2位となった。それでも、総合成績を争う他チームのエースたちとの差をさらに約2分広げることに成功。総合2位のバルベルデに対して3分25秒という大きなアドバンテージを築いた。

ツールを訪問中の清水勇人さいたま市長がフルームを祝福ツールを訪問中の清水勇人さいたま市長がフルームを祝福

 白い世界チャンピオンジャージに血を滲ませながら走り抜いたマルティンは、2011年以来となるツール通算2勝目。リタイアせず痛みに耐え続け、ツールのTT勝利という今年の大きな目標の1つを達成した。マイヨジョーヌはフルームがキープ。新人賞ジャージはキンタナからクフィアトコフスキーに移行している。

 また、この日の表彰式には、「さいたまクリテリウムbyツールドフランス」のPRのためツール訪問中の清水勇人さいたま市長が登壇。マルティン、フルームら各賞の受賞者を祝福した。

(文 平澤尚威/写真 砂田弓弦)

第1ステージの落車で大怪我を負いながらも、TT優勝を果たしたマルティン第1ステージの落車で大怪我を負いながらも、TT優勝を果たしたマルティン

第11ステージ結果
1 トニー・マルティン(ドイツ、オメガファルマ・クイックステップ) 36分29秒
2 クリストファー・フルーム(イギリス、スカイ プロサイクリング) +12秒
3 トマス・デヘント(ベルギー、ヴァカンソレイユ・DCM) +1分1秒
4 リッチー・ポート(オーストラリア、スカイ プロサイクリング) +1分21秒
5 ミハウ・クフィアトコフスキー(ポーランド、オメガファルマ・クイックステップ) +1分31秒
6 スヴェイン・タフト(カナダ、オリカ・グリーンエッジ) +1分35秒
7 シルヴァン・シャヴァネル(フランス、オメガファルマ・クイックステップ) +1分37秒
8 ジェレミー・ロワ(フランス、FDJ.FR) +1分43秒
9 トム・ドゥムラン(オランダ、チーム アルゴス・シマノ) +1分45秒
10 ホナタン・カストロビエホ(スペイン、モビスター チーム) +1分52秒
103 新城幸也(日本、チーム ヨーロッパカー) +4分29秒

個人総合(マイヨジョーヌ)
1 クリストファー・フルーム(イギリス、スカイ プロサイクリング) 42時間29分24秒
2 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) +3分25秒
3 バウケ・モレマ(オランダ、ベルキン プロサイクリングチーム) +3分37秒
4 アルベルト・コンタドール(スペイン、チーム サクソ・ティンコフ) +3分54秒
5 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、チーム サクソ・ティンコフ) +3分57秒
6 ローレンス・テンダム(オランダ、ベルキン プロサイクリングチーム) +4分10秒
7 ミハウ・クフィアトコフスキー(ポーランド、オメガファルマ・クイックステップ) +4分44秒
8 ナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) +5分18秒
9 ルイ・コスタ(ポルトガル、モビスター チーム) +5分37秒
10 ジャンクリストフ・ペロー(フランス、アージェードゥーゼル ラモンディアル ) +5分39秒
80 新城幸也(日本、チーム ヨーロッパカー) +59分31秒

ポイント賞(マイヨヴェール)
1 ペテル・サガン(スロバキア、キャノンデール プロサイクリング) 269 pts
2 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル) 186 pts
3 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファルマ・クイックステップ) 166 pts
4 マルセル・キッテル(ドイツ、チーム アルゴス・シマノ) 132 pts
5 アレクサンドル・クリツォフ(ノルウェー、カチューシャ チーム) 131 pts
6 ミハウ・クフィアトコフスキー(ポーランド、オメガファルマ・クイックステップ) 101 pts

山岳賞(マイヨアポワ)
1 ピエール・ローラン(フランス、チーム ヨーロッパカー) 49 pts
2 クリストファー・フルーム(イギリス、スカイ プロサイクリング) 33 pts
3 リッチー・ポート(オーストラリア、スカイ プロサイクリング) 28 pts
4 ナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) 26 pts
5 ミケル・ニエベ(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ) 21 pts
6 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) 20 pts

新人賞(マイヨブラン)
1 ミハウ・クフィアトコフスキー(ポーランド、オメガファルマ・クイックステップ) 42時間34分8秒
2 ナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) +34秒
3 ロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼル ラモンディアル ) +6分53秒

チーム総合
1 モビスター チーム 126時間47分47秒
2 チーム サクソ・ティンコフ +4分34秒
3 ベルキン プロサイクリングチーム +6分6秒

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