ツール・ド・フランス2013 第9ステージ波乱のステージをダニエル・マーティンが制す スカイ崩壊もフルームは自力で総合首位キープ

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 ツール・ド・フランスは7日、サン・ジロンからバニェール・ド・ビゴールまでの168.5kmで第9ステージが行われ、ダニエル・マーティン(アイルランド、ガーミン・シャープ)がヤコブ・フルサング(アスタナ プロチーム、アスタナ プロチーム)とのスプリントを制して優勝。総合首位のクリストファー・フルーム(イギリス、スカイ プロサイクリング)は、序盤からアシストが1人もいなくなる危機に陥ったものの、マイヨジョーヌを守りきった。新城幸也(チーム ヨーロッパカー)は109位でゴールしている。

区間優勝したマルティン区間優勝したマルティン

 休息日を控えたピレネー2連戦の2日目。2級山岳の後に4つの1級山岳が登場し、最後は30kmの長い下りが待ち受ける。前日、フルームとリッチー・ポート(オーストラリア、スカイ プロサイクリング)のワンツーフィニッシュでチーム力を誇示したスカイ。今年も磐石の強さかと思われたが、このステージではレース序盤でほころびを見せることになった。

 スタート直後はなかなかアタックが決まらない状況が続いたが、10km地点でガーミンのジャック・バウアー(ニュージーランド)とデイヴィッド・ミラー(ニュージーランド)が2人で抜け出し、レースは活性化。それから間もなく、メーン集団前方でピーター・ケノー(イギリス、スカイ プロサイクリング)が落車。ここからスカイのアシスト陣が崩壊していった。

途中で大きく遅れだしたポート途中で大きく遅れだしたポート
ヘシェダルも積極的な走りを見せるが途中で力つきるヘシェダルも積極的な走りを見せるが途中で力つきる


 それに対し、ガーミンは逃げ集団にマーティンやトム・ダニエルソン(アメリカ)を送り込む。マーティンとダニエルソンはそれぞれ2位、3位で第1山岳を通過するなど、積極的な走りを見せた。

逃げたデヘント逃げたデヘント

 第2山岳に入ると、すでにスカイアシスト陣で最後の1人となっていたポート(オーストラリア、スカイ プロサイクリング)が、遅れ始める。前日に好走を見せ、フルームのアシストながら総合2位につけたポートだったが、レース序盤でエースを孤立させてしまうこととなった。この上りで今度はライダー・ヘシェダル(カナダ、ガーミン・シャープ)がアタック。逃げ集団に合流すると、ダニエルソン1位、ヘシェダル2位で山頂を通過。

 メーン集団では、ポートが遅れたことを受けてか、平坦区間に入ったところで総合3位のアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム)がチームメートと共にアタック。これにはフルームがチェックに入り、総合優勝を争うライバルのアタックを自ら潰した。

山岳ポイントを取りに行くローラン山岳ポイントを取りに行くローラン

 少数に絞られた逃げ集団では、山岳賞争いでフルームに次ぐ2位のピエール・ローラン(フランス、チーム ヨーロッパカー)が第3山岳で1位通過を狙うも、直前でトマス・デヘント(ベルギー、ヴァカンソレイユ・DCM)にかわされて2位通過に。ローランは第4山岳でも2位通過となったが、このステージで18ポイントを積み重ね、山岳賞争いで再び首位に立った。

今大会の序盤でマイヨ・ジョーヌを着るなど好調なバークランツの走り今大会の序盤でマイヨ・ジョーヌを着るなど好調なバークランツの走り

 最後の山岳に入りメーン集団が逃げを吸収すると、新人賞ジャージのナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム)がアタックをかける。フルームがすぐにチェックに入るが、今度はダニエル・マーティンがアタック。フルームがこれを容認するのを見て、フルサングが集団から飛び出し2人での逃げを成功させた。この後もキンタナが3度アタックをかけるが、これは全てフルームのチェックによって失敗した。

 メーン集団ではほかにもバルベルデ、アルベルト・コンタドール(スペイン、チーム サクソ・ティンコフ)、ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ チーム)、カデル・エバンス(オーストラリア、BMCレーシング)、アンディ・シュレック(ルクセンブルグ、レイディオシャック・レオパード)ら各チームのエースが勝機を伺ったが、厳しい消耗戦となったせいかアタックには至らず。結局、フルームはアシストを失いながらも、総合ライバル勢による決定的な攻撃を許さなかった。

 マーティンとフルサングは下りに入ってもメーン集団とのタイム差を維持し、約30秒差で残り1kmに。フルサングが前、マーティンが後ろで牽制に入ると、先にスプリントを開始したマーティンがゴール前のコーナーをうまく利用し、フルサングが前に出る隙を与えなかった。このスプリントを制したマーティンが、見事にツール初勝利。序盤から代わる代わる動き続けたチームメートたちにとっても、うれしいステージ優勝となった。

マイヨ・ジョーヌを祝福するフランス大統領マイヨ・ジョーヌを祝福するフランス大統領
山岳リーダーに再びついたローランを祝福するのはかつての山岳王バーモンテス(スペイン)山岳リーダーに再びついたローランを祝福するのはかつての山岳王バーモンテス(スペイン)

 総合上位で順位が大きく変動したのは、約18分遅れでゴールしたポートのみ。総合優勝を狙う選手たちは、ポートを総合2位から降ろしたと考えるか、フルームとの差を詰められなかったと考えるのか。この日の表彰式には、今ステージを視察したフランスのオランド大統領が登壇し、各賞の選手たちを称えた。新城は無理のないペースで走り、22分43秒遅れでゴール。総合では84位に後退している。

(文 平澤尚威/写真 砂田弓弦)

第9ステージ結果
1 ダニエル・マーティン(アイルランド、ガーミン・シャープ) 4時間43分3秒
2 ヤコブ・フルサング(デンマーク、チーム ヨーロッパカー) +0秒
3 ミハウ・クフィアトコフスキー(ポーランド、オメガファルマ・クイックステップ) +20秒
4 ダニエル・モレーノ(スペイン、カチューシャ チーム) +20秒
5 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ チーム) +20秒
6 カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム) +20秒
7 ヴァウテル・プールス(オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM) +20秒
8 バウケ・モレマ(オランダ、ベルキン プロサイクリングチーム) +20秒
9 ダニエル・ナバロ(スペイン、コフィディス ソリューションズクレジッツ) +20秒
10 マキシム・モンフォール(ベルギー、レイディオシャック・レオパード) +20秒
109 新城幸也(日本、チーム ヨーロッパカー) +22分43秒

個人総合(マイヨジョーヌ)
1 クリストファー・フルーム(イギリス、スカイ プロサイクリング) 36時間59分18秒
2 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) +1分25秒
3 バウケ・モレマ(オランダ、ベルキン プロサイクリングチーム) +1分44秒
4 ローレンス・テンダム(オランダ、ベルキン プロサイクリングチーム) +1分50秒
5 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、チーム サクソ・ティンコフ) +1分51秒
6 アルベルト・コンタドール(スペイン、チーム サクソ・ティンコフ) +1分51秒
7 ナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) +2分2秒
8 ダニエル・マーティン(アイルランド、ガーミン・シャープ) +2分28秒
9 ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ チーム) +2分31秒
10 ルイ・コスタ(ポルトガル、モビスター チーム) +2分45秒
84 新城幸也(日本、チーム ヨーロッパカー) +55分14秒

ポイント賞(マイヨヴェール)
1 ペテル・サガン(スロバキア、キャノンデール プロサイクリング) 234 pts
2 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル) 141 pts
3 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファルマ・クイックステップ) 128 pts

山岳賞(マイヨアポワ)
1 ピエール・ローラン(フランス、チーム ヨーロッパカー) 49 pts
2 クリストファー・フルーム(イギリス、スカイ プロサイクリング) 33 pts
3 リッチー・ポート(オーストラリア、スカイ プロサイクリング) 28 pts

新人賞(マイヨブラン)
1 ナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) 37時間1分20秒
2 ミハウ・クフィアトコフスキー(ポーランド、オメガファルマ・クイックステップ) +1分23秒
3 ロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼル ラモンディアル ) +5分7秒

チーム総合
1 モビスター チーム 110時間11分29秒
2 チーム サクソ・ティンコフ +4分11秒
3 ベルキン プロサイクリングチーム +5分22秒

敢闘賞
ロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼル ラモンディアル )

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