山口和幸の「ツールに乾杯! 2013」<3>“天空の城”に泊まったボクとテレビ局とロット・ベリソル ツールで巡る観光大国フランスの深奥

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 日本では富士山の世界文化遺産への登録が決定して盛り上がっているが、第100回ツール・ド・フランスは7つの世界遺産を巡るコースが設定された。コルシカはピアナのカランシュ、ジロラタ湾、スカンドラ自然保護区を含むポルト湾。アルビの司教地区。モンサンミッシェルおよびその湾。シュリーシュルロワールとシャロンヌ間のロワール渓谷。リヨン歴史地区。ベルサイユ宮殿と庭園。そしてパリのセーヌ河岸だ。

 街全体が世界遺産というアルビにゴールした第7ステージ。ボクは「天空の城ラピュタ」のモデルとなったと言われるコルドシュールシエルに宿を取った。アルビから26kmほど。翌日のスタート地点はアルビまで戻り、さらに反対方向に100kmほど行ったところなので、まさか関係者はいないと思っていた。

 ところがこんなところにもいるんだね。スペインとベルギーのテレビ局だ。

 彼らはツール・ド・フランス取材に慣れていて、しかも取材費が潤沢なのでいつも快適でしかも最高の料理でもてなしてくれるところに宿泊することが多い。このコルドシュールシエルなんてコースが発表された直後に過去の経験から宿泊予約しているのだという。

 さらに驚いたことにロット・ベリソルチームも宿泊していた。翌日のスタートまでは1時間半もかかるのに。実のところ出場22チームは宿泊場所によって不公平がないように、主催者が絶妙のさじ加減で割り振っている。ゴールからすぐのホテルだったり、翌日のスタートに近い町だったり、そしてこの日のロットのように遠く離れた町だったり。

 そして第8ステージはピレネーの奥深いところにあるスキーリゾート、アクス3ドメインにゴールした。先代のレースディレクター、ジャンマリー・ルブランはアンドラが大好きだったので、全チームはここからさらに20kmほど南下してピレネー山中の小国に宿泊したはずだが、クリスティアン・プリュドムになってからアンドラは訪問しなくなった。この日も100km以上離れた大都市トゥールーズまで泊まりにいったチームが4つもある。

 いずれにしてもツール・ド・フランスは3000人以上が町から町へと移動するイベントだけに、宿泊場所は遠く離れることもある。そしてそんなデメリットを逆手に取りながら、ヨーロッパ各国の取材陣も観光大国フランスを満喫しながらツール・ド・フランスを追いかけているのである。すでに20年以上もそんな7月を過ごしているボクは、今年はこれまで以上にフランス文化を取材するためにのんびりとしたフランス一周の旅を楽しんでいる。

 現地の取材紀行は、在日フランス観光開発機構(旧フランス政府観光局)のfacebookページ「フランスいいね!」でもお行儀のいい話題に限ってシェアされるのでチェックしてみてね。


山口和幸山口和幸(やまぐち・かずゆき)
ツール・ド・フランスをはじめ、卓球・陸上・ボート競技などを追い続け、日刊スポーツ、東京中日スポーツ、ナンバー、ターザン、YAHOO!などで執筆。国内で行われる自転車の国際大会では広報を担当。著書に「ツール・ド・フランス」(講談社現代新書)、「もっと知りたいツール・ド・フランス」(八重洲出版)など。

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