ツール・ド・フランス2013 第7ステージサガンが今大会初勝利 キャノンデールが山岳総攻撃でライバルスプリンターを撃破

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 ツール・ド・フランスは5日、第7ステージが行われ、集団スプリントを制したペテル・サガン(スロバキア、キャノンデール プロサイクリング)が今大会初勝利、ツール通算4勝目を挙げた。総合首位のマイヨジョーヌは前日と変わらずダリル・インピー(南アフリカ、オリカ・グリーンエッジ)がキープしている。

今大会初優勝を飾ったペテル・サガン(スロバキア、キャノンデール プロサイクリング)今大会初優勝を飾ったペテル・サガン(スロバキア、キャノンデール プロサイクリング)
スタートでフランスのテレビからインタビューを受ける新城幸也スタートでフランスのテレビからインタビューを受ける新城幸也

 この日はモンペリエからアルビに至る205.5kmのステージ。途中に4つの山岳ポイントが設定されるが、後半は下り基調で、スプリンター有利と思われるステージ。翌日から2日間のピレネー山岳ステージを控えていることもあって、総合成績や山岳での活躍を狙う選手は力を温存したい日だ。逆に本格的な山岳の前に結果を残したい選手たちにとっては、ツール1週目のラストチャンスとなり、この後者の選手やチームによる目まぐるしい戦いが繰り広げられた。

 序盤に逃げを決めたのは41歳の大ベテラン、イェンス・フォイクト(ドイツ、レイディオシャック・レオパード)と、今大会序盤から逃げに積極的なブレル・カドリ(フランス、アージェードゥーゼル ラモンディアル )の2人。最初の80kmを4分強のタイム差で通過する。

 メーン集団ではリーダーチームのオリカ・グリーンエッジが、あくまでゴールを見据えたペースでコントロール。しかしレース中盤、94km地点の2級山岳に向けて、キャノンデール プロサイクリングが攻撃に出た。チーム総出で集団の先頭に立ち、大きくペースアップする。今大会なかなか勝利に恵まれないサガンのために、集団からピュアスプリンターたちをふるい落とす作戦だ。

序盤で落車してレースを去ったクリスティアン・ヴァンデベルド(アメリカ、ガーミン・シャープ)序盤で落車してレースを去ったクリスティアン・ヴァンデベルド(アメリカ、ガーミン・シャープ)

 このもくろみ通り、マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファルマ・クイックステップ)、アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル)、マルセル・キッテル(ドイツ、チーム アルゴス・シマノ)ら、今大会すでに勝利を挙げているスプリンターたちがメーン集団から脱落。山岳ポイント通過時で、グライペルとキッテルが約1分、カヴェンディッシュは3分遅れとなってしまう。

 山岳ポイントを過ぎてもキャノンデールの攻撃は収まらない。ハイペースを保ったまま、135km地点の中間スプリントポイントを目指す。このメーン集団のペースアップで、逃げの2人はあっという間に吸収。後方の追走集団では、遅れたスプリンターチームのアシストたちが懸命に前を追いかけ、2分半ほどの差を保ったまま、1時間ほどスプリンターチーム同士の激しい綱引きが続いた。

サガンを援護するキャノンデールチームサガンを援護するキャノンデールチーム
エスケープグループ。今大会でマイヨ・ジョーヌを着たバークランツもいたエスケープグループ。今大会でマイヨ・ジョーヌを着たバークランツもいた

 中間スプリントポイントはサガンが順当に先頭通過し、遅れたライバルたちにポイントで大きな差を付けることに成功。メーン集団は若干ペースを落とし、ここで集団からヤン・バークランツ(ベルギー、レイディオシャック・レオパード)がアタック。これに反応したシリル・ゴティエ(フランス、チーム ヨーロッパカー)、フアンホセ・オロス(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ)とともに3人の逃げを形成した。

 後方ではカヴェンディッシュがグライペルらの集団に追い付き、しばらくは協調してメーン集団を追走していたが、残り50km付近でまずオメガファルマが追走を放棄。しばらくしてロット、アルゴスも追走を諦め、この集団はグルペット化した。サガンを擁するキャノンデールは、強力なライバルスプリンターたちを、ゴール勝負前に完全に打ち負かすことに成功した。

 キャノンデールはさらに、逃げる3人との差を完全にコントロール。計ったように残り3kmを切ってから3人を吸収し、サガンは絶好の位置、万全の体制でゴールスプリントに入った。やや混戦気味となったスプリント勝負。コース脇からアルゴス・シマノのもう1人のスプリンター、ジョン・デゲンコルプ(ドイツ)が仕掛けたが、サガンは絶妙のバイクコントロールでこの真後ろの位置を取り、鮮やかな加速でデゲンコルプを抜き去って、先頭でゴールを駆け抜けた。

 今大会ここまで3位に1度、2位には3度も入っていたサガンだったが、純粋なゴールスプリントでは、ピュアスプリンターにやや分の悪さを感じさせていた。この日はレース中盤からのチーム攻撃でライバルを蹴落とし、ついにゴールで主役の座に立つことに成功した。ポイント賞争いでも荒稼ぎを見せ、2位に94点の大差を付けた。

マイヨ・ジョーヌを守ったダリル・インピー(南アフリカ、オリカ・グリーンエッジ)マイヨ・ジョーヌを守ったダリル・インピー(南アフリカ、オリカ・グリーンエッジ)
山岳リーダーについたブレル・カドリ(フランス、アージェードゥーゼル ラモンディアル )山岳リーダーについたブレル・カドリ(フランス、アージェードゥーゼル ラモンディアル )

 個人総合はインピーで変わらず。山岳賞は3位に付けていたカドリが前半の2つの山をトップ通過したことで、ピエール・ローラン(フランス、チーム ヨーロッパカー)を逆転して山岳リーダージャージを獲得した。新城幸也(チーム ヨーロッパカー)はローランのかたわらでアシストするステージとなり、メーン集団55位でゴールしている。

 翌第8ステージは、いよいよ最初の本格的山岳ステージ。最後は1級山岳の山頂ゴールとなり、総合争いの戦いの火ぶたが切って落とされる。

(文 米山一輝/写真 砂田弓弦)

第7ステージ結果
1 ペテル・サガン(スロバキア、キャノンデール プロサイクリング) 4時間54分12秒
2 ジョン・デゲンコルプ(ドイツ、チーム アルゴス・シマノ) +0秒
3 ダニエーレ・ベンナーティ(イタリア、チーム サクソ・ティンコフ) +0秒
4 ミハウ・クフィアトコフスキー(ポーランド、オメガファルマ・クイックステップ) +0秒
5 エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、スカイ プロサイクリング) +0秒
6 フランチェスコ・ガヴァッツィ(イタリア、チーム ヨーロッパカー) +0秒
7 トニー・ガロパン(フランス、レイディオシャック・レオパード) +0秒
8 アルチュール・ヴィショ(フランス、FDJ.FR) +0秒
9 マヌエーレ・モーリ(イタリア、ランプレ・メリダ) +0秒
10 シルヴァン・シャヴァネル(フランス、オメガファルマ・クイックステップ) +0秒
55 新城幸也(日本、チーム ヨーロッパカー) +0秒

個人総合(マイヨジョーヌ)
1 ダリル・インピー(南アフリカ、オリカ・グリーンエッジ) 27時間12分29秒
2 エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、スカイ プロサイクリング) +3秒
3 サイモン・ゲランス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) +5秒
4 ミヒャエル・アルバジーニ(スイス、オリカ・グリーンエッジ) +5秒
5 ミハウ・クフィアトコフスキー(ポーランド、オメガファルマ・クイックステップ) +6秒
6 シルヴァン・シャヴァネル(フランス、オメガファルマ・クイックステップ) +6秒
7 クリストファー・フルーム(イギリス、スカイ プロサイクリング) +8秒
8 リッチー・ポート(オーストラリア、スカイ プロサイクリング) +8秒
9 ニコラ・ロッシュ(アイルランド、チーム サクソ・ティンコフ) +14秒
10 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、チーム サクソ・ティンコフ) +14秒
59 新城幸也(日本、チーム ヨーロッパカー) +3分47秒

ポイント賞(マイヨヴェール)
1 ペテル・サガン(スロバキア、キャノンデール プロサイクリング) 224 pts
2 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル) 130 pts
3 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファルマ・クイックステップ) 119 pts

山岳賞(マイヨアポワ)
1 ブレル・カドリ(フランス、アージェードゥーゼル ラモンディアル ) 12 pts
2 ピエール・ローラン(フランス、チーム ヨーロッパカー) 11 pts
3 サイモン・クラーク(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) 5 pts

新人賞(マイヨブラン)
1 ミハウ・クフィアトコフスキー(ポーランド、オメガファルマ・クイックステップ) 27時間12分35秒
2 アンドルー・タランスキー(アメリカ、ガーミン・シャープ) +16秒
3 ナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) +19秒

チーム総合
1 オリカ・グリーンエッジ 80時間45分40秒
2 スカイ プロサイクリング +8秒
3 チーム サクソ・ティンコフ +19秒

敢闘賞
ヤン・バークランツ(ベルギー、レイディオシャック・レオパード)

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