ツール・ド・フランス2013 第6ステージピュアスプリンターの争いはグライペルが勝利 インピーがアフリカ出身選手初のマイヨジョーヌを獲得

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 ツール・ド・フランスは4日、第6ステージが行われ、スプリントによる争いをアンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル)が制し、今大会初勝利。ツール通算5勝目を挙げた。また、ゴール前で集団の分断が起きた影響で、総合首位の座はダリル・インピー(南アフリカ、オリカ・グリーンエッジ)へと移っている。

今大会初めて区間優勝を飾ったアンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル)今大会初めて区間優勝を飾ったアンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル)

 エクサンプロヴァンスからモンペリエまでの176.5kmは、前半に4級山岳が設けられているものの、ほぼフラットなコース。レイアウト的には前日に続きスプリンター向けのステージではあるが、地中海沿い特有の風「ミストラル」の影響も予想された。実際、今回に似たステージレイアウトだった2009年の第3ステージでは、ゴール直前に集団が割れ、アルベルト・コンタドール(スペイン、当時アスタナ)らが後方に取り残される事態が起こっている。

写真を撮る沿道の観客写真を撮る沿道の観客

 前日の第5ステージゴール前で落車したユルヘン・ヴァンデンブロック(ベルギー、ロット・ベリソル)と、マキシム・ブエ(フランス、アージェードゥーゼル ラモンディアル )が未出走。レースは、スタート直後にルイス・マテ(スペイン、コフィディス ソリューションズクレジッツ)が単独でエスケープ。一時はメーン集団に対し約5分の差を築くも、単独での逃げは難しく、43km地点で吸収される。

 その後は集団から飛び出す選手は現れず、一団のまま63km地点の中間スプリントポイントへ。ここはグライペルが制し20ポイントを獲得。マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファルマ・クイックステップ)、アレクサンドル・クリツォフ(ノルウェー、カチューシャ チーム)と続いた。

炎天下を走るプロトン炎天下を走るプロトン

 集団内では、前日までのステージで落車や体調不良によるダメージの大きな選手たちが苦しんだ。ここ数日、メーン集団後方を走ることが多かったナセル・ブアニ(フランス、FDJ.FR)は徐々に遅れ、ゴールまで残り90kmの地点でリタイア。直後にはフレデリック・ケシアコフ(スウェーデン、アスタナ プロチーム)もレースを去っている。

 集団が1つのまま進行したことにより、落車も数回発生。前半には期待の若手ナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム)が、残り33kmのロータリーではカヴェンディッシュが落車。ともに集団に戻っているが、残り10km付近で激しく地面に打ち付けられたヤネズ・ブライコヴィッチ(スロベニア、アスタナ プロチーム)は、顔と膝を負傷。翌日の第7ステージへの出走が難しい状況となっている。

チームメートに守られながら走るマイヨジョーヌのゲランスチームメートに守られながら走るマイヨジョーヌのゲランス
日の丸がデザインされた自転車で走る新城幸也日の丸がデザインされた自転車で走る新城幸也

 中盤に風を利用したペースアップを図ったチームがあったものの、いずれも失敗。各チーム、ゴールに向けて集団前方へと密集し始める。残り5kmを切って、アルゴス・シマノやキャノンデール プロサイクリング、ロット・ベリソルなどが主導権争いを開始。一度はアルゴストレインが先頭に立ったものの、残り1kmのフラムルージュを通過すると同時にロットトレインが主導権を奪い返す。

 最後は、グレゴリー・ヘンダーソン(ニュージーランド、ロット・ベリソル)から完璧な形で発射されたグライペルがトップを譲らずステージ勝利のゴール。ペテル・サガン(スロバキア、キャノンデール プロサイクリング)、マルセル・キッテル(ドイツ、チーム アルゴス・シマノ)と続き、大外からのスプリントを強いられたカヴェンディッシュは4位に終わった。

 グライペルは今大会、中間スプリントでは良い動きを見せていながら、第1ステージではメカトラブル、第4ステージではトレインが崩れたことでチャンスを逃していた。しかし、前日のミスをチーム一丸となって修正し勝利を収めた。チームは、総合エースのヴァンデンブロックが大会を去ったことで、グライペルのスプリント勝利に集中することとなるだろう。

チームメートと勝利を喜ぶグライペルチームメートと勝利を喜ぶグライペル
表彰台でスポンサーをアピールするグライペル表彰台でスポンサーをアピールするグライペル
マイヨジョーヌを着たダリル・インピー(南アフリカ、オリカ・グリーンエッジ)マイヨジョーヌを着たダリル・インピー(南アフリカ、オリカ・グリーンエッジ)

 そして、ゴール前の集団分断でステージ17位以降が5秒遅れに。48位でゴールしたサイモン・ゲランス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)に代わり、スプリントに絡んだチームメートのインピーが、アフリカ圏出身選手としては初のマイヨ・ジョーヌを獲得した。28歳のインピーは、2008年にバルロワールドでデビューし、チーム レイディオシャック、MTN・キュベカ、チーム ネットアップと渡り歩き、2012年に現チームの創設メンバーに名を連ねた。チームではスプリンターの発射台や、自らもスプリントに絡むタイプの選手。アマチュア時代は名門のラ・ポム・マルセイユに所属し、フランスでのレース経験も豊富だ。

 この日、エースのピエール・ローラン(フランス、チーム ヨーロッパカー)の位置取りなどに力を注いだ新城幸也(日本、チーム ヨーロッパカー)は、メーン集団内の102位でゴール。総合では3分47秒遅れの66位につけている。

 第7ステージは中級山岳に位置づけられる205.5km。中盤に3級と2級、後半に3級と4級の山岳が控え、逃げた選手にもチャンスがありそうだ。また、スプリンターチームがどのように攻略を試みるかにも注目したいところだ。

(文 福光俊介/写真 砂田弓弦)

第6ステージ結果
1 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル) 3時間59分2秒
2 ペテル・サガン(スロバキア、キャノンデール プロサイクリング) +0秒
3 マルセル・キッテル(ドイツ、チーム アルゴス・シマノ) +0秒
4 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファルマ・クイックステップ) +0秒
5 フアンホセ・ロバト(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ) +0秒
6 アレクサンドル・クリツォフ(ノルウェー、カチューシャ チーム) +0秒
7 ホセホアキン・ロハス(スペイン、モビスター チーム) +0秒
8 ダニー・ファンポッペル(オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM) +0秒
9 ロベルト・フェラーリ(イタリア、ランプレ・メリダ) +0秒
10 サミュエル・デュムラン(フランス、アージェードゥーゼル ラモンディアル ) +0秒
102 新城幸也(日本、チーム ヨーロッパカー) +5秒

個人総合(マイヨジョーヌ)
1 ダリル・インピー(南アフリカ、オリカ・グリーンエッジ) 22時間18分17秒
2 エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、スカイ プロサイクリング) +3秒
3 サイモン・ゲランス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) +5秒
4 ミヒャエル・アルバジーニ(スイス、オリカ・グリーンエッジ) +5秒
5 ミハウ・クフィアトコフスキー(ポーランド、オメガファルマ・クイックステップ) +6秒
6 シルヴァン・シャヴァネル(フランス、オメガファルマ・クイックステップ) +6秒
7 クリストファー・フルーム(イギリス、スカイ プロサイクリング) +8秒
8 リッチー・ポート(オーストラリア、スカイ プロサイクリング) +8秒
9 ニコラ・ロッシュ(アイルランド、チーム サクソ・ティンコフ) +14秒
10 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、チーム サクソ・ティンコフ) +14秒
66 新城幸也(日本、チーム ヨーロッパカー) +3分47秒

ポイント賞(マイヨヴェール)
1 ペテル・サガン(スロバキア、キャノンデール プロサイクリング) 159 pts
2 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル) 130 pts
3 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファルマ・クイックステップ) 119 pts

山岳賞(マイヨアポワ)
1 ピエール・ローラン(フランス、チーム ヨーロッパカー) 10 pts
2 サイモン・クラーク(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) 5 pts
3 ブレル・カドリ(フランス、アージェードゥーゼル ラモンディアル ) 5 pts

新人賞(マイヨブラン)
1 ミハウ・クフィアトコフスキー(ポーランド、オメガファルマ・クイックステップ) 22時間18分23秒
2 アンドルー・タランスキー(アメリカ、ガーミン・シャープ) +16秒
3 ナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) +19秒

チーム総合
1 オリカ・グリーンエッジ 66時間3分4秒
2 スカイ プロサイクリング +8秒
3 チーム サクソ・ティンコフ +19秒

敢闘賞
アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル)

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