エウスカルテルチーム インサイドリポート2013<2>南仏の陽気な太陽とは裏腹に、一寸先は闇

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 エウスカルテルチームがツールで嫌なもの。それはチームタイムトライアルと、序盤のステージで毎日のように起こる集団落車。彼らの見せ場であるはずの山岳ステージで勝負をする前に、大きなタイムロスや酷い怪我だけは勘弁してくれ、と常日頃から言っている。

 第4ステージ。彼らにとって鬼門のチームタイムトライアル。ニースの強い陽射しを避けるべく、チームカラーのオレンジ色のテントの下でウォーミングアップのローラー台を黙々と漕ぎ続ける選手たち。その合間を縫って、ジェネラルマネージャーのイゴール・ゴンザレス・デ・ガルデアノが、唸りを上げるローラー台の騒音にかき消されないように、選手一人ひとりに戦略を丁寧に伝え、本番に臨んだ。

第4ステージのチームTT。強力に牽引するゴルカ・イサギレにチームメイトが喰らいついた第4ステージのチームTT。強力に牽引するゴルカ・イサギレにチームメイトが喰らいついた

 結果は最下位から2番目。チーム内は成績よりも選手が無事に戻ってきてくれたことに、ひとまず安堵した。

 続く第5ステージ。南仏の山の手は、アグレッシブなコースだ。少しばかりリスキーだったコースも無事終わるのだろうと誰もが信じつつ、ゴール地点の港町マルセイユでは、スプリント勝負の行方を一目見ようと多くの観客が待っていた。

 ゴール手前300m。歓声が一転悲鳴にかわり、集団中盤で誰もが恐れていた大落車が発生。動けない選手もいる。エウスカルテルの選手も数人が地面に叩きつけられ、チームメイトの安否をお互いに確かめ合っていた。

第5ステージで、集団落車のすぐ後方にいながら、なんとかダメージを最小限にしたエウスカルテルの選手たち第5ステージで、集団落車のすぐ後方にいながら、なんとかダメージを最小限にしたエウスカルテルの選手たち
ゴールまで歩いてたどり着いたアスタルロサ。観客が惜しみない拍手で讃えたゴールまで歩いてたどり着いたアスタルロサ。観客が惜しみない拍手で讃えた

 宿泊先のチームバスの前には、大きく傷ついたマシンが転がっていた。幸いな事に、あれほど大きな落車でもカラダはかすり傷で済んだ。

 ピレネーの入り口まで、ハラハラさせられる日々が続く。

疲れを癒して英気を養うため、黙々と食べる選手たち。お腹が満たされると、おしゃべりタイムの始まりだ疲れを癒して英気を養うため、黙々と食べる選手たち。お腹が満たされると、おしゃべりタイムの始まりだ

和田やずか和田やずか(わだ・やずか)
1997年よりフリーランスで写真を撮り始め、一般誌や広告などのほか、自転車関係の写真を多く手がける。ツール・ド・フランス出場のプロチーム「エウスカルテル・エウスカディ」(スペイン)に帯同するのは今年で6回目。レース以外に選手が見せる表情や舞台裏などを写す。

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