ツール・ド・フランス2013 第5ステージ新城が200kmを超える逃げで一時暫定首位 カヴェンディッシュが今ツール1勝目

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 ツール・ド・フランスは3日、第5ステージが行われ、日本チャンピオンの新城幸也(チーム ヨーロッパカー)が6人の逃げ集団で一時は暫定首位に立つ活躍を見せた。新城らの逃げは残り10kmを切って惜しくも吸収され、レースは大集団でのゴールスプリントでマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファルマ・クイックステップ)が優勝した。総合首位は変わらずサイモン・ゲランス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)が守っている。

逃げ集団で積極的にペースを上げる新城幸也逃げ集団で積極的にペースを上げる新城幸也
前日のタイムトライアルでタイムオーバーのために失格になったエドワード・キング(アメリカ、キャノンデール プロサイクリング)前日のタイムトライアルでタイムオーバーのために失格になったエドワード・キング(アメリカ、キャノンデール プロサイクリング)
スタートでファンにサインをするアルベルト・コンタドール(スペイン、チーム サクソ・ティンコフ)スタートでファンにサインをするアルベルト・コンタドール(スペイン、チーム サクソ・ティンコフ)
スタートに向かう新城幸也チームバスを離れてスタートに向かう新城幸也(チーム ヨーロッパカー)
マイヨジョーヌを着て走るサイモン・ゲランス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)マイヨジョーヌを着て走るサイモン・ゲランス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)

 この日は前日のチームTTが行われたニースの隣町、カーニュ・シュル・メールから内陸部を東に向かい、マルセイユに至る228.5kmのステージ。小刻みなアップダウンが続き、等級の低い山岳ポイントが途中4つある、平坦系だが完全平坦とも異なるコースだ。レースはスタート直後にアタックを仕掛けたトマス・デヘント(ベルギー、ヴァカンソレイユ・DCM)に反応して、6人の逃げ集団が形成された。

 デヘントとケヴィン・レザ(フランス、チーム ヨーロッパカー)、アレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、チーム ヨーロッパカー)、ロマン・シカール(フランス、エウスカルテル・エウスカディ)、アントニー・ドゥラプラス(フランス、ソジャサン)、そしてここに日本チャンピオンジャージに身を包んだ新城が入った。

 逃げは快調にメーン集団との差を広げて、最初の100kmを過ぎるまでに、10分を超えるタイム差を付けた。逃げの6人の中で最も総合順位が高いのは、3分42秒遅れの新城で、この時点で新城が暫定首位の座に立っている状態だ。メーン集団は総合首位のゲランスを擁するオリカ・グリーンエッジ勢がコントロールするが、積極的に追い上げるというよりはタイム差をキープする走り。

レース中盤のメーン集団レース中盤のメーン集団
山岳リーダーのピエール・ローラン(フランス、チーム ヨーロッパカー)山岳リーダーのピエール・ローラン(フランス、チーム ヨーロッパカー)

 100km地点を過ぎてメーン集団では、スプリンターでゴール勝負を狙うチームが、最初はロット・ベリソルが、続いてアルゴス・シマノが追走のための選手を集団牽引に送り込み、次第にペースを上げていく。残り90kmを切ってタイム差は8分少々となるが、先頭もスピードを上げながら、後半のアップダウン区間へと突入。3つ目の4級山岳は新城が先頭で通過し、好調さをうかがわせた。

 残り60kmを前に、先頭ではドゥラプラスとシカールが脱落し、4人の集団になった。逃げ集団は残り50kmを切っても6分差を維持しており、逃げ切りの可能性もあるタイム差だ。追走のペースが足りないメーン集団では、ロット・ベリソルが追走の人数を増員。またカヴェンディッシュを擁するオメガファルマ・クイックステップも追走に加わり、メーン集団先頭の表情が徐々に緊迫感を帯びてきた。

 残り20kmを切り、タイム差は2分を切る状態。集団はスプリンターを擁するチームがさらに複数追い上げに加わり、ゴールに向けての最後の丘で、ついに逃げを視界に捉えた。新城は残り9kmで吸収。最後まで粘り続けたルツェンコも残り4kmで吸収された。集団はオメガファルマ勢が先頭に陣取った状態で、ゴールに向けてペースをさらに上げていく。

 ラスト1kmを通過し、なおもオメガファルマが先頭。残り600mの最終コーナーを曲がった時点でもカヴェンディッシュの前に2人のアシストが残った時点で、この日のスプリント勝負は既に決していた。トップスピードで先頭に解き放たれた最強スプリンターのカヴェンディッシュは、ライバルたちをまるで寄せ付けずに、余裕の表情でゴールラインを駆け抜けた。

区間優勝を飾ったマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファルマ・クイックステップ)区間優勝を飾ったマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファルマ・クイックステップ)
レース終了後に報道陣にコメントする新城幸也レース終了後に報道陣にコメントする新城幸也

 カヴェンディッシュはコルシカ島での序盤3ステージでゴール争いに加われなかったため、この日が嬉しい今ツール初勝利。完璧なチームプレーからの勝利に、インタビューではチームメートの名前を次々に挙げて、レースでの仕事ぶりを讃えた。これで何とツール通算24勝目だ。

 新城はメーン集団の65位でレースを終えた。スプリント争いの後ろで落車が発生したため、これに巻き込まれたチームのエース、ピエール・ローラン(フランス、チーム ヨーロッパカー)に付き添ってのゴール。レース直後のインタビューには、「できるだけの事はしたつもり。でも(逃げのまま)最後までたどり着けなかったのは悔しいですね」と話した。

 総合各賞は前日と変わっていない。続く第6ステージも平坦系の176.5kmで、再びスプリンターによる戦いが予想される。

(文 米山一輝/写真 砂田弓弦)

第5ステージ結果
1 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファルマ・クイックステップ) 5時間31分51秒
2 エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、スカイ プロサイクリング) +0秒
3 ペテル・サガン(スロバキア、キャノンデール プロサイクリング) +0秒
4 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル) +0秒
5 ロベルト・フェラーリ(イタリア、ランプレ・メリダ) +0秒
6 アレクサンドル・クリツォフ(ノルウェー、カチューシャ チーム) +0秒
7 フアンホセ・ロバト(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ) +0秒
8 ラムーナス・ナヴァルダウスカス(リトアニア、ガーミン・シャープ) +0秒
9 シリル・ルモワーヌ(フランス、ソジャサン) +0秒
10 ホセホアキン・ロハス(スペイン、モビスター チーム) +0秒
65 新城幸也(日本、チーム ヨーロッパカー) +0秒

個人総合(マイヨジョーヌ)
1 サイモン・ゲランス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) 18時間19分15秒
2 ダリル・インピー(南アフリカ、オリカ・グリーンエッジ) +0秒
3 ミヒャエル・アルバジーニ(スイス、オリカ・グリーンエッジ) +0秒
4 ミハウ・クフィアトコフスキー(ポーランド、オメガファルマ・クイックステップ) +1秒
5 シルヴァン・シャヴァネル(フランス、オメガファルマ・クイックステップ) +1秒
6 エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、スカイ プロサイクリング) +3秒
7 クリストファー・フルーム(イギリス、スカイ プロサイクリング) +3秒
8 リッチー・ポート(オーストラリア、スカイ プロサイクリング) +3秒
9 ニコラ・ロッシュ(アイルランド、チーム サクソ・ティンコフ) +9秒
10 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、チーム サクソ・ティンコフ) +9秒
71 新城幸也(日本、チーム ヨーロッパカー) +3分42秒

ポイント賞(マイヨヴェール)
1 ペテル・サガン(スロバキア、キャノンデール プロサイクリング) 111 pts
2 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファルマ・クイックステップ) 76 pts
3 アレクサンドル・クリツォフ(ノルウェー、カチューシャ チーム) 76 pts

山岳賞(マイヨアポワ)
1 ピエール・ローラン(フランス、チーム ヨーロッパカー) 10 pts
2 サイモン・クラーク(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) 5 pts
3 ブレル・カドリ(フランス、アージェードゥーゼル ラモンディアル ) 5 pts

新人賞(マイヨブラン)
1 ミハウ・クフィアトコフスキー(ポーランド、オメガファルマ・クイックステップ) 18時間19分16秒
2 アンドルー・タランスキー(アメリカ、ガーミン・シャープ) +16秒
3 ナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) +19秒

チーム総合
1 オリカ・グリーンエッジ 54時間5分53秒
2 スカイ プロサイクリング +3秒
3 チーム サクソ・ティンコフ +9秒

敢闘賞
トマス・デヘント(ベルギー、ヴァカンソレイユ・DCM)

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