title banner

栗村修の“輪”生相談<1>30代男性「妻が新車の予算を出してくれないので困っています」

  • 一覧

 新連載「栗村修の“輪”生相談」では、サイクルロードレースの解説でもおなじみ、宇都宮ブリッツェン監督の栗村修さんに、読者の皆さんの自転車にまつわる悩みを、ずばり解決していただきます。“輪”生経験豊富な栗村さんから、どんな名回答(迷回答?)が飛び出すか、乞うご期待! 質問も募集しています。

◇      ◇

 専業主婦の妻を持つサイクリストです。

 今乗っているロードバイクがだいぶ古くなり、新車への乗り換えを考えているのですが、妻の許可がなかなか下りません。たしかに安い買い物ではないので妻の言い分も良くわかるのですが、なんとか納得してもらいたいと思っています。

 どのように説得すべきでしょう? 栗村さんのお知恵をお借りできればと思います(東京都、30代男性)

 奥さんが新車の購入に難色を示すというのはよくあるケースです。ロードバイクは一般の自転車と比べて大変高価ですし、無理もありません。旦那さんの趣味ですし、必要性はわかってはいるけれど、なかなかGOサインを出せない…実はこれ、選手とチームの関係にそっくりなのです。

 選手とチームは、勝利を目指す、いい成績を出すという点では同じ方向を向いているのですが、経済的には相反する存在でもあります。

 チーム作りは、決められた予算の中でいかに強いチームを作るかが勝負です。たとえば、給料の高いエース級の選手ばかりを揃えることはできませんが、勝ちを狙える選手は必ず必要です。うまく予算をやりくりしなければいけません。

 奥さんは、チーム(家庭)の予算を管理するゼネラルマネージャー(GM)です。新車の購入予算は、チームでいう強化費にあたります。強化合宿のための費用やパーツ代ですね。

コワモテGMとしておなじみ、サクソ・ティンコフのリースさんコワモテGMとしておなじみ? サクソ・ティンコフのリースさん(砂田弓弦撮影)

 同じチームに属している以上、選手であるあなたにお金を掛けることに根本的には反対ではないはずです。でも、当然予算には限りがある。そこで、多くの選手がやるように、交渉が必要になります。自分が新車を買うことが○○家の将来にとってどれだけ価値があるかを説くのです。

 たとえば、健康への貢献。ロードバイクに乗ることで生活習慣病のリスクが下がるんだよ、ブクブク太って病気になって入院でもしたら、バイク代どころじゃないお金がかかるよと。奥さんはクラっとくるはずです。体は資本ですからね。

 あとは、精神面。○○さん家の旦那さん、浮気しちゃったらしいんだよ、ストレスのせいかなのかなー、あんなマジメなのになー、と。ロードバイクに乗ることはストレス軽減にも貢献します。

 逆に、一番言ってはいけない言葉は「俺が稼いだ金だぞ」ですね。主婦の労働量は年収換算で数百万にもなるという話がありますから「あなたよりよっぽど働いているわよ」と逆襲されます。

 このように、新車購入が家庭にもたらすメリットを丁寧に説けば、いずれ納得してくれるはずです。“自転車に30万円なんてとんでもないと思ったけれど、健康を考えたら安いものよね、若い女に走られるよりよっぽどいいわ”、と。

 めでたく予算がおりたら、ちゃんと予算分の働きをしましょう。新車を買ったのにまったく乗らず、体重も体脂肪率も増えて、おまけにスーツのポケットからはピンク色のマッチが出てきた…これは最悪です。来年の契約が無くなりかねません。相手がGMであることを忘れてはいけません。(編集 佐藤喬)

回答者 栗村修(くりむら おさむ)

 プロ・ロードレースチーム「宇都宮ブリッツェン」監督。レース解説者。選手時代はポーランドのチームと契約するなど国内外で活躍。引退後はTV解説者として、ユニークな語り口でサイクルロードレースの魅力を多くの人に伝え続けている。著書に『栗村修のかなり本気のロードバイクトレーニング』『栗村修の100倍楽しむ! サイクルロードレース観戦術』(いずれも洋泉社)など。

※栗村さんにあなたの自転車に関する悩みを相談してみませんか?
 ml.sd-cyclist-info@sankei.co.jpまでお寄せください。

関連記事

この記事のタグ

栗村修の“輪”生相談

  • 一覧

新着ニュース

もっと見る

ピックアップ

e-BIKE最新特集

スペシャル

自転車協会バナー

ソーシャルランキング

インプレッション

インプレッション一覧へ

連載