山口和幸の「ツールに乾杯! 2013」<1>最高の地中海リゾート・コルシカでアクシデント続出…でも細かいことは気にしない!

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 第100回ツール・ド・フランスは地中海に浮かぶコルシカ島で開幕し、3日間を過ごす。ツール・ド・フランスが同地を訪れるのは初めてなので、ツール取材歴が四半世紀に及ぶボクにとっても初めての訪問だ。

 で、どんなところかっていうと最高のリゾートだ。青い海と美しいビーチ。大自然に囲まれていながらも田舎臭くなく、しかも磯臭くなく、砂浜に寝転がっても汗でベトベトにならないほど心地よく乾燥している。ボクは湘南海岸近くに住んでいるが、その年のツール・ド・フランスで地中海を体験してしまうと、帰国してから海辺に出て「負けた感」がただよう。もちろん湘南にも多くの魅力はあるのだが…。

 でもどちらかというとカーラリーやMTBでラフな路面を走って楽しむイメージが強い。広島県ほどの面積の島だが、意外と起伏に富み、選手たちは第2ステージで1000m超えの山岳を体験した。さらにはモータースポーツの世界で「直線が200mあったらコルシカではない」と言われるほど、狭くて急な曲がり道が多い。

 そんなコルシカで開催されるロードレース。チーム監督や選手がアクシデントを不安に思っていたこともうなずける。主催者側もクリテリウムアンテルナシオナルというライバルレースを傘下にして、この地でのレース運営方法を探ってきた。満を持しての初上陸。それは第100回という記念大会を彩る演出で、第2ステージのゴールはフランスの歴史的英雄ナポレオンの聖地アジャクシオにゴールした。

 それでも初日から波瀾万丈の幕開け。ゴール地点のバナーに大型バスが接触して立ち往生し、残り7kmになった時点で「ゴールを残り3km地点に移す」と発表しながら、バスが運よく動いたので「もとどおり」と二転三転したのが混乱の原因だった。エフデジュポワンエフエルのマルク・マディオ監督は「やってられねえんだよ!」と国営放送の生中継でレースを罵倒した。

 まあ、でもここはバカンスを楽しむリゾートでしょ。たいていの行楽客は華やかなレースシーンに目を輝かせるばかりで、細かいことは気にしてないよね。

 そういえば出場選手の中でも自然体でいるのが新城幸也だ。第1ステージは落車が多かったが、「転ばなくてよかった。このナショナルチャンピオンジャージはまだ1枚しか手元にないので破きたくないんだ」とゴール後に語っていたという。南の島のおおらかさでナポレオンのような大物になるかも。

 そんなこんなで今年も3区間に一度の現地コラムを担当。ボクのIDカードは「記者」で、基本的にレースシーンを撮影できないので、こんな写真が多くなるのを許してね。違った角度からツールの現場の雰囲気をお伝えできれば。

山口和幸山口和幸(やまぐち・かずゆき)
ツール・ド・フランスをはじめ、卓球・陸上・ボート競技などを追い続け、日刊スポーツ、東京中日スポーツ、ナンバー、ターザン、YAHOO!などで執筆。国内で行われる自転車の国際大会では広報を担当。著書に「ツール・ド・フランス」(講談社現代新書)、「もっと知りたいツール・ド・フランス」(八重洲出版)など。

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