Jプロツアー第8戦 西日本ロードクラシック広島大会生まれてきた子と愛妻に捧げる劇的スプリント 畑中勇介が土井雪広を振り切り2年ぶりの勝利

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 ロードレースの国内ツアー、Jプロツアーの第8戦「JBCF 西日本ロードクラシック 広島大会」が30日、広島県の中央森林公園で開催され、シマノレーシングの畑中勇介が土井雪広(チームUKYO)とのスプリント争いに競り勝って優勝した。

粘ってゴール争いに持ち込んだ畑中勇介(シマノレーシング)が、相性の良い広島のコースで優勝粘ってゴール争いに持ち込んだ畑中勇介(シマノレーシング)が、相性の良い広島のコースで優勝

 コースは広島空港をぐるり囲む形の12.3km周回路。前半はテクニカルなアップダウン、後半はまとまった下りと上りとなり、上りの力が必要なスピードコースだ。トップカテゴリーのP1クラスタは、これを12周する147.6kmで争われた。梅雨の真っ只中、雨はまぬかれたが蒸し暑い中での戦いとなった。

6周目の逃げ集団。10人になった。先頭は安原大貴(マトリックス パワータグ)6周目の逃げ集団。10人になった。先頭は安原大貴(マトリックス パワータグ)

 序盤はアタック合戦となり、また落車も頻発。野中竜馬(シマノレーシング)や飯野智行(宇都宮ブリッツェン)が序盤でレースを去る波乱の幕開けとなった。

 逃げ集団が形成されたのは4周目になるころ。8人の逃げは狩野智也、山下貴宏、阿部‎嵩之(チームUKYO)、中村誠(宇都宮ブリッツェン)、入部正太朗(シマノレーシング)、原川浩介(キャノンデール・チャンピオンシステム)、紺野元汰(湘南ベルマーレ)、内野直也(EQA U23)という顔ぶれで、3人を送り込んだチームUKYOが有利な展開だ。5周目にはメーン集団から追走した椿大志(EQA U23)と安原大貴(マトリックス パワータグ)が加わって、10人の集団になった。

 メーン集団はペースが上がらず、先頭との差は少しずつ開いていく。5周目に1分半だった差は、6周目には2分半、8周目には4分にまで広がった。勝負は先頭10人に絞られたかと思われたが、ここからシマノ勢が大きくペースアップして追走を開始した。

7周目、上り区間のトンネルを抜ける逃げ集団7周目、上り区間のトンネルを抜ける逃げ集団
逃げから4分差まで広げられたメーン集団。シマノレーシング勢が追走を開始逃げから4分差まで広げられたメーン集団。シマノレーシング勢が追走を開始
上り区間に向かう逃げ集団。先頭は中村誠(宇都宮ブリッツェン)上り区間に向かう逃げ集団。先頭は中村誠(宇都宮ブリッツェン)

 先頭集団でもペースが上がり、入部、中村、安原、椿が脱落して6人に。一方で強力に追い上げるメーン集団は、9周目には1分半、10周目の終わりには30秒ほどにまでその差を詰めてくる。上りでは土井雪広(チームUKYO)も強力にプッシュし、追走する集団も10人を切る人数にまで絞り込まれた。

9周目の上りの逃げ集団。狩野の積極的な攻撃に集団が分かれ始める9周目の上りの逃げ集団。狩野の積極的な攻撃に集団が分かれ始める
追走グループを猛烈に牽引する土井雪広(チームUKYO)追走グループを猛烈に牽引する土井雪広(チームUKYO)

 先頭では逃げ切りたい内野らがペースを上げるが、残り2周を切って追走集団が先頭集団を捕える。ここからアタック合戦を経て、再構成された先頭集団は7人。狩野、土井、山下、阿部に、内野、寺崎武郎(EQA U23)、畑中勇介(EQA U23)と、ここでもチームUKYOが4人を占め、数的有利を保った状態で最終周回に突入した。

残り1周を迎えようとする先頭集団。土井、寺崎らが追い付いている残り1周を迎えようとする先頭集団。土井、寺崎らが追い付いている
寺崎武郎(EQA U23)の後ろに畑中勇介(シマノレーシング)も寺崎武郎(EQA U23)の後ろに畑中勇介(シマノレーシング)も

 最終周回後半、勝負の上りでまず寺崎がアタック。これを潰して今度は土井が満を持してアタックした。追うのは畑中と寺崎。上り頂上で畑中に5秒の差を付けた土井はゴールに向けて独走を続けるが、畑中も粘って5秒差をキープする。「ゴール直前で追い付かれたら危険」と判断した土井はここで脚を緩め、畑中、寺崎と一度合流して、ゴールスプリント争いをすることを選択した。

畑中が勝利を確信畑中が勝利を確信

 長いストレートでのスプリント勝負。先行するのは土井。しかし残り300mで畑中が切れ味鋭く先頭に立つと、土井は反応できなかった。畑中が雄叫びをあげながらガッツポーズでゴール。Jプロツアーでは2011年のみやだロード以来、約2年ぶりの優勝となった。海外でのレースが多かったシマノチームとしても、国内のメジャー大会は今季初勝利だ。

 畑中は若手時代より広島のコースでは何度も勝利を挙げており、相性の良さを生かしての優勝。途中何度も遅れかけたというが、粘りきった。表彰式では「子供、生まれました!」とアピール。実は5日前に待望の第1子が誕生したばかりだ。「そういう力もあって、最後は全力で追い込めました」と話すと、会場からは祝福の声が送られた。

「3人になりました」(畑中選手の妻、絹代さんのブログ)

第2集団は4位争いのスプリント。ケガから復活しつつある鈴木真理が先頭を獲った第2集団は4位争いのスプリント。ケガから復活しつつある鈴木真理が先頭を獲った
P1クラスタ表彰。(左から)2位の土井、優勝の畑中、3位の寺崎P1クラスタ表彰。(左から)2位の土井、優勝の畑中、3位の寺崎

P1結果(147.6km)
1 畑中勇介(シマノレーシング) 3時間48分04秒
2 土井雪広(チームUKYO) +1秒
3 寺崎武郎(EQA U23) +3秒
4 鈴木真理(宇都宮ブリッツェン) +31秒
5 西村大輝(シマノレーシング) +31秒
6 秋丸湧哉(EQA U23) +33秒

ルビーレッドジャージ(個人総合ポイント)
ホセビセンテ・トリビオ(チームUKYO)

ピュアホワイトジャージ(U23個人総合)
池部壮太(マトリックスパワータグ)

(写真・文 米山一輝)

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