ツール・ド・フランス2013 第1ステージ相次ぐ落車、ハプニング…大波乱の幕開け キッテルが今大会最初のステージ優勝者に

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 第100回目を迎えるツール・ド・フランスは29日、フランス・コルシカ島のポルト・ヴェッキオで開幕。第1ステージはバスティアまでの213kmで争われ、マルセル・キッテル(ドイツ、チーム アルゴス・シマノ)が自身にとってツール初勝利となるステージ優勝を遂げ、今大会で最初にマイヨジョーヌに袖を通した。

スタートに立つ新城幸也スタートに立つ新城幸也

 毎年3月開催のステージレース、クリテリウム・アンテナシオナルでおなじみのコルシカ島だが、ツールが上陸するのは100回の歴史で初めて。コースは、島南部のポルト・ヴェッキオからわずかに南下後、東海岸を進み北部のバスティアへと向かう。45.5km地点に今大会最初のカテゴリー山岳(4級)が設けられるが、ほぼフラットに近く、スプリンター向けのレイアウト。ツール開幕がスプリントステージになるのは、実に47年ぶりのことだ。

 レースは全22チーム・198選手がスタートに就いた。新城幸也(チーム ヨーロッパカー)も真新しい日本チャンピオンジャージに身を包み、3週間の戦いを開始。パレード走行区間では、総合優勝候補の筆頭クリストファー・フルーム(イギリス、スカイ プロサイクリング)が落車したが、大きな怪我なく集団に戻っている。

エスケープする5人の選手エスケープする5人の選手

 パレード走行が終了してアクチュアルスタートを迎えると同時に、ジェローム・クザン(フランス、チーム ヨーロッパカー)がアタック。その動きに合わせたフアンアントニオ・フレチャ(スペイン、ヴァカンソレイユ・DCM)、ラルス・ボーム(オランダ、ベルキン プロサイクリング)、フアンホセ・ロバト(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ)、シリル・ルモワーヌ(フランス、ソジャサン)の計5人が逃げ集団を形成した。

 迎えた4級山岳地点では、5人が互いに牽制しつつトップ通過を目指した結果、スプリント力に勝るロバトが真っ先に山頂に到達し、山岳賞ジャージ獲得を決めた。

 メーン集団は、オメガファルマ・クイックステップやロット・ベリソルが主にコントロール。逃げとの差を3分程度で推移させるが、逃げメンバーがフレチャ主導でたびたびペースを落とし、メーン集団の様子をうかがうシーンも。一時は差が30秒まで縮まったものの、残り90km地点で4分差へと再度広がっている。

海沿いのコースを走るプロトン海沿いのコースを走るプロトン

 残り63km地点に設けられた中間スプリント地点は、逃げ集団の5人のうちボームが先頭で通過。そして後続のメーン集団では、有力スプリンター達が早くもしのぎを削り、アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル)が集団の先頭をとって6位で通過した。マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファルマ・クイックステップ)、ペテル・サガン(スロバキア、キャノンデール プロサイクリング)もすぐ後ろに続いた。

 徐々にペースを上げたメーン集団は、残り37kmで逃げ集団を吸収。その後、レディオシャック・レオパード・トレックやチーム サクソ・ティンコフが横風を利用して集団分断を狙うものの失敗。レースは着々とゴールスプリントを意識した動きへと変わってゆく。

落車したホーヘルランド落車したホーヘルランド

 残り15kmを切ってジョニー・ホーヘルランド(オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM)、ライダー・ヘシェダル(カナダ、ガーミン・シャープ)、モレノ・モゼール(イタリア、キャノンデール プロサイクリング)らが相次いで落車し、レースは波乱の様相に。

 さらには、オリカ・グリーンエッジのチームバスがゴールのゲートに激突し、立ち往生するハプニングが発生。これにより、ゴール地点が一度は3km手前へと変更となったものの、再び正規の地点に戻されるなど二転三転し、最終局面を前に集団の動きもまとまりを欠く格好となった。

落車に巻き込まれたコンタドール落車に巻き込まれたコンタドール

 そしてゴールを目前に集団前方で大落車が発生。この日の優勝候補だったサガン、カヴェンディッシュ、グライペルは落車や足止め、メカトラブルで脱落。さらに、総合優勝候補のアルベルト・コンタドール(スペイン、チーム サクソ・ティンコフ)、ティジェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシングチーム)なども巻き込まれた。

 大きく人数を減らした集団はそのままスプリント体制に。ニキ・テルプストラ(オランダ、オメガファルマ・クイックステップ)が残り1kmでアタックするが、冷静に対処したアルゴス・シマノトレインからキッテルが抜群の加速を見せ、トップでゴールに飛び込んだ。

ゴールスプリントを制したのはキッテルゴールスプリントを制したのはキッテル
マイヨジョーヌを着たキッテルマイヨジョーヌを着たキッテル

 キッテルは、プロ3年目の25歳。ピュアスプリンターとして数多くの勝利を挙げているが、グランツールでは2011年のブエルタ・ア・エスパーニャ第7ステージ以来の勝利となった。昨年のツールでは、体調不良のため第5ステージの途中でリタイアを喫している。また、ジュニア時代から実績を重ね、2005、2006年には個人タイムトライアルで世界ジュニアチャンピオンにもなっている。今大会は同じチームのスプリンター、ジョン・デゲンコルプ(ドイツ)と共闘態勢を敷く。

 新城は落車に巻き込まれることなく99位でゴール。なお、ステージ終盤に大混乱となった影響で、この日のタイムはニュートラルとされ、全選手をトップと同タイムとする措置がとられた。しかし、落車の影響でトニー・マルティン(ドイツ、オメガファルマ・クイックステップ)は脳震盪と左肺などを負傷、そのほかにも救急搬送された選手が出た。第2ステージは中盤に3級2つ、2級1つ、ゴール前12kmに3級山岳が控えるが、スタートできない選手が出ることも予想される。

(文 福光俊介/写真 砂田弓弦)

 

第1ステージ結果
1 マルセル・キッテル(ドイツ、チーム アルゴス・シマノ) 4時間56分52秒
2 アレクサンドル・クリツォフ(ノルウェー、カチューシャ チーム) +0秒
3 ダニー・ファンポッペル(オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM) +0秒
4 デイヴィッド・ミラー(イギリス、ガーミン・シャープ) +0秒
5 マッテーオ・トレンティン(イタリア、オメガファルマ・クイックステップ) +0秒
6 サミュエル・デュムラン(フランス、アージェードゥーゼル ラモンディアル ) +0秒
7 グレゴリー・ヘンダーソン(ニュージーランド、ロット・ベリソル) +0秒
8 ユルヘン・ルーランス(ベルギー、ロット・ベリソル) +0秒
9 ホセホアキン・ロハス(スペイン、モビスター チーム) +0秒
10 クリス・ベックマン(ベルギー、ヴァカンソレイユ・DCM) +0秒
99 新城幸也(日本、チーム ヨーロッパカー) +0秒

個人総合(マイヨジョーヌ)
1 マルセル・キッテル(ドイツ、チーム アルゴス・シマノ) 4時間56分52秒
2 アレクサンドル・クリツォフ(ノルウェー、カチューシャ チーム) +0秒
3 ダニー・ファンポッペル(オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM) +0秒
4 デイヴィッド・ミラー(イギリス、ガーミン・シャープ) +0秒
5 マッテーオ・トレンティン(イタリア、オメガファルマ・クイックステップ) +0秒
6 サミュエル・デュムラン(フランス、アージェードゥーゼル ラモンディアル ) +0秒
7 グレゴリー・ヘンダーソン(ニュージーランド、ロット・ベリソル) +0秒
8 ユルヘン・ルーランス(ベルギー、ロット・ベリソル) +0秒
9 ホセホアキン・ロハス(スペイン、モビスター チーム) +0秒
10 クリス・ベックマン(ベルギー、ヴァカンソレイユ・DCM) +0秒
99 新城幸也(日本、チーム ヨーロッパカー) +0秒

ポイント賞(マイヨヴェール)
1 マルセル・キッテル(ドイツ、チーム アルゴス・シマノ) 45 pts
2 アレクサンドル・クリツォフ(ノルウェー、カチューシャ チーム) 35 pts
3 ダニー・ファンポッペル(オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM) 30 pts

山岳賞(マイヨアポワ)
1 フアンホセ・ロバト(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ) 1 pts

新人賞(マイヨブラン)
1 マルセル・キッテル(ドイツ、チーム アルゴス・シマノ) 4時間56分52秒
2 ダニー・ファンポッペル(オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM) +0秒
3 マッテーオ・トレンティン(イタリア、オメガファルマ・クイックステップ) +0秒

チーム総合
1 ヴァカンソレイユ・DCM 14時間50分36秒
2 オリカ・グリーンエッジ +0秒
3 ロット・ベリソル +0秒

敢闘賞
ジェローム・クザン(フランス、チーム ヨーロッパカー)

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