ビギナー主婦 「Rapha Woman’s 100」に挑戦<3>100kmを楽しんで走る自信が出てきました 全身を宝石のように輝かせてゴールします!

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トレーニングに励む毎日。「Rapha Woman’s 100」に向けて不安が募ります…トレーニングに励む毎日。「Rapha Woman’s 100」に向けて不安が募ります…

 東北地方の梅雨空のように、ロードバイクビギナーの私、佐野ひろみの心も、プレッシャーで落ち着かないどんよりした日々が続いていました。7月7日に開催される女性の100kmチャレンジライド「Rapha Woman’s 100」、その日が刻々と近づいてきます。アラフォーにもなってドキドキしている主婦が、世の中にどれほどいるのでしょうか。練習も思うように進まないように感じ、不安に押しつぶされそうなのですが、やると決めたからには…と思い直して踏ん張る毎日です。

 

ヒルクライム3本!?

 そんな時、「Cyclist」の上野編集長から連絡がありました。練習が順調かどうかの確認と、励ましを兼ねて、仙台を訪ねるので一緒に走ろうとのお誘いです。不安に苛まれていた私にとっては、頼もしい救世主のように感じられました。

 6月下旬の休日、私たち夫婦は編集長とJR仙台駅で合流しました。目的地は仙台市北西部にある泉ヶ岳。ハイキングコースやスキー場で市民に親しまれ、もちろん仙台近郊のサイクリストにも、トレーニングやヒルクライムの練習コースとして知られている山です。

 編集長は真っ先に泉ヶ岳のコースの獲得標高を質問されたので、夫が「400mくらい」と答えると…想像を超える答えが返ってきました。「3本行きましょう!」

 「エッ!無理、ムリ。絶対に無理」と心の中で叫びました。悪い冗談かと思いましたが、編集長の目は本気です。それに、「Rapha Woman’s 100」の本番のコースはもっとハードだと聞きました。泉ヶ岳を3回上ってもまだ足りないそうです。

ここから泉ヶ岳へ。チームskyのウェアを着たCyclist編集長、「僕がリッチー・ポートのようにアシストします」と気分はツール・ド・フランスここから泉ヶ岳へ。チームskyのウェアを着たCyclist編集長、「僕がリッチー・ポートのようにアシストします」と気分はツール・ド・フランス

 その後、編集長と夫が話し合った結果、獲得標高が約600mのコースを2本走ろうということになり、とにかく覚悟を決めました。

 山のふもとで知人のサイクリストご夫婦と合流し、いざスタート! この日は小雨が断続的に降っていましたが、気温は低く、快調に滑り出しました。

 でも、知人のご夫妻はベテランサイクリスト。すぐに引き離されてしまいます。ここで負けたくない…置いていかれて焦る気持ちと、苦しくてどうにもならない体の葛藤。自分の力のなさに気が滅入っていた時、編集長が声をかけてくださいました。

 「頑張らなくていいですよ。自分のペースで走ってくださいね」

 レースなら速く走る必要がありますが、完走が目的の大会なら、自分の力にあったペースを崩さないことが何より大切だとのお話でした。

 

「ウグイスが鳴いていますね」

 上り坂は続きます。苦しい、辛い。もうやめてしまおうか…。でも、もう少し…諦めたくない。そんな必死さが伝わったのか、編集長がこう話しかけてきました。

厳しい峠道を懸命に上っていた時、「ウグイスが鳴いていますね」とCyclist編集長厳しい峠道を懸命に上っていた時、「ウグイスが鳴いていますね」とCyclist編集長

 「自分が苦しい時は、必ず他の人も苦しい。ほら、前を走っている人も苦しいんですよ」

 そう考えると、確かに気持ちにゆとりができました。

 さらに、私が目の前の路面やサイクルコンピューターとにらめっこして懸命に走っていると、編集長がこんなことをささやきました。

 「いまウグイスが鳴いていますね」

 そういえば、美しい鳴き声が響いています。ヒルクライムに没頭していると、危うく聞き逃すところでした。周りに目を向けて自然を感じると、疲れで麻痺した様々な感覚がよみがえる気がしました。「苦しい時こそ、周りの景色をよく見て、楽しんでください」と編集長。

 そんな励ましを受けながら、何とかゴールにたどり着きました。あいにく雨が本降りとなったため、ずぶ濡れになって山を下り、結局、この日は1本だけで練習を終了。

 編集長からは、大会本番に向けて「最初の50㎞は自分のペースで走って体力を温存し、頑張るのは後半の50㎞。本気を出すのは最後の10kmでいいですよ」とレクチャーを頂きました。また、上りを楽に走るフォームや、補給のタイミングなど、ビギナーの私にとって実戦で役立ちそうなアドバイスをたくさん聞くことができました。

 「Rapha Woman’s 100」を走りきる自信が膨らんできました。そして、伊豆半島の自然や景色を体感することも、楽しみにしています。

いろいろアドバイスをいただき、楽しんで走る自信が少し出てきましたいろいろアドバイスをいただき、楽しんで走る自信が少し出てきました

 

苦しみの先にある栄光

このウェアを着て「Rapha Woman’s 100」に出場します!このウェアを着て「Rapha Woman’s 100」に出場します!

 そして編集長に最後に言われたことがあります。

 「『Rapha Woman’s 100』が目指しているものは何か? その根底にある考え方を知るために、ラファのサイモン・モットラムCEOのインタビュー記事を読んでおいてください」

 帰宅して、さっそく読んでみました。ラファが伝えようとしている「苦痛から得る栄光」について、私なりに少しずつわかってきたことがあります。ロードレーシングは、努力がそのまま栄光へと変わっていくスポーツである事。その栄光は、辛い苦しみの先にある非常に大きなものである事。その喜びは、努力するからこそ味わえるものだということです。

 私の栄光は、自分の中にあるような気がします。練習にどれだけ本気で取り組んで本番に臨めるか、それまでにつけた力と情熱をどれだけ出せるかどうかです。100㎞完走の目標を果たしたい。後悔はしたくありません。人より遅いことはもう関係ない。自分がいくら辛くても投げ出さずに、最後までやり遂げる事ができたら、その達成感が自信となり、私の栄光になると思います。

 体からあふれ出す汗はとても綺麗です。努力100%で出来たキラキラ光るダイヤモンドみたいです。汗がにじみ出て、粒になり、体を伝って流れ、雫となってはじけ飛ぶ…。そして、全身を宝石のように輝かせてゴール出来るように頑張ります。

(仙台市 佐野ひろみ)

 

※今回の佐野ひろみさんの挑戦について、「Rapha Woman’s 100」アンバサダーの青木陽子さん(編集者・ライター)から激励のメッセージを頂きました。青木さんは「Rapha Woman’s 100」が行なわれる7月7日、ツール・ド・フランスの一部コースを利用して開催される「エタップ・ドゥ・ツール」に参戦します。

■青木陽子さんからのメッセージ
 
青木陽子 ロードバイクを始められたばかりなのに、素晴らしい進歩をなさっているようですね! 写真を拝見すると、フォームも綺麗だし、あっという間に速くなる方のようにお見受けします。本番の南伊豆のコースは、アップダウンがしつこく続く、なかなか厳しい設定です。最初は抑えめに、力を前半で使い果たしてしまわないようコンスタントに走るといいと思います。当日は経験豊富な先輩ライダーも多いので、たくさんアドバイスをもらってください。わたしも同じ日にフランスアルプスで、初めての獲得標高に挑戦してきます。ドキドキしています。地球の反対側ですが、一緒に頑張りましょう!
青木さんのエタップ・ドゥ・ツール挑戦を伝える記事(シクロワイアード)

■編集長謹白
 
編集長 佐野さんご夫妻と初めてお会いしたのは、今年4月14日に仙台市・名取市で行なわれた被災地訪問のライドイベント「SUNRISE RIDE 3」でした。その時、紅一点ながらベテラン男性陣に交ざって懸命に走り、楽しそうに笑顔をふりまくひろみさんと、妻を温かく見守る夫、望さんの仲むつまじい姿がとても印象的でした。ひろみさんなら、ビギナーであっても「Rapha Woman’s 100」を完走できるかも知れない。そう思ってお声がけしたところ、大会に向けて私の想像以上に情熱を注ぎ、努力をしてくださいました。7月7日の「Rapha Woman’s 100」では、自信をもって、存分に楽しんできてくださることと確信しています。(上野嘉之)


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