ツール・ド・フランス2012 第12ステージ容認されたエスケープ ミラーが9年ぶりステージ優勝

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 ツール・ド・フランス第12ステージは、サン・ジャン・ド・モーリエンヌ~アノネ・ダベズィウまでの226kmで争われた。今大会最長で、しかも序盤に1級山岳が2つあるステージだ。レースはエスケープ(逃げ)が容認され、逃げ切った中でスプリント勝負を制したのは、デイヴィッド・ミラー(イギリス、ガーミン・シャープ・バラクーダ)だった。

メーン集団から容認されたエスケープグループ。先頭はデイヴィッド・ミラー(ガーミン・シャープ・バラクーダ) メーン集団から容認されたエスケープグループ。先頭はデイヴィッド・ミラー

 スタート直後から、逃げたい選手によるアタック合戦が繰り広げられ、最初に出来上がった逃げ集団は19人。序盤から1級山岳が2つ続く展開とあって、その逃げ集団も比較的早くから人数を減らしていく。メイン集団は総合首位のブラッドリー・ウィギンス(イギリス)を擁するスカイ プロサイクリングがコントロールし、無理には追わない。

 逃げ集団の中で元気の良いところを見せたのが、ロベルト・キセロウスキー(クロアチア、アスタナ プロチーム)。キセロウスキーは2つ続けて1級山岳の山頂をトップ通過していく。

このステージ2つ目の山岳で、観客をかき分けて走るエスケープグループこのステージ2つ目の山岳で、観客をかき分けて走るエスケープグループ
このステージでもマイヨ・ジョーヌを守ったブラッドリー・ウィギンスこのステージでもマイヨ・ジョーヌを守ったブラッドリー・ウィギンス
下りで落車し、リタイアしたダヴィド・モンクティエ(コフィディス ルクレディアンリーニュ)落車し、リタイアしたダヴィド・モンクティエ

 一方、メイン集団から飛び出して逃げ集団を追走していたダヴィド・モンクティエ(フランス、コフィディス ルクレディアンリーニュ)が、最初の1級山岳を越えた後の下りで2度も落車。結局モンクティエは、リタイアしてしまった。

 残り109kmで逃げ集団とメイン集団のタイム差は5分50秒。この段階で逃げているのは、ロベルト・キセロウスキーの他、エゴイ・マルティネス(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ)、ジャンクリストフ・ペロー(フランス、アージェードゥーゼル ラモンディアル )、シリル・ゴティエ(フランス、チーム ヨーロッパカー)、デイヴィッド・ミラー(イギリス、ガーミン・シャープ・バラクーダ)、合計5名。

この日はエスケープ・グループに入ったゴティエ(チーム ヨーロッパカー)のダウンヒルこの日はエスケープ・グループに入ったゴティエ(チーム ヨーロッパカー)のダウンヒル
イギリスから駆けつけたブラッドリー・ウィギンスのファンイギリスから駆けつけたブラッドリー・ウィギンスのファン

 残り73kmの中間スプリントは逃げ集団のミラーが争うこと無く先頭通過。そしてメイン集団ではマシュー・ゴス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)が先頭で通過する。このとき、逃げ集団とメイン集団のタイム差は既に11分。逃げは完全に容認されている。

 残り18.5kmの3級山岳山頂も、キセロウスキーが先頭で通過。後はやや下った後、ゴールである高台の街、アノネ・ダベズィウを目指すのみ。ラスト4kmはコーナーと登坂が続く。ここでエゴイ・マルティネスが様子見のアタック。そして残り3kmでキセロウスキーがアタックするも、ペローが、そしてミラーが追いかけていく。ペローとミラーの2人はそのまま他の3人を引き離してしまった。

ゴール直前、ミラーとペローがスプリント合戦に挑むゴール直前、ミラーとペローがスプリント合戦に挑む

 余裕があるように見えるのは、他の選手のアタックに対して冷静に対処できていたミラーだ。しかしペローもミラーの後につき、虎視眈々と狙っている。先に仕掛けたのはペロー。しかしミラーも瞬時に反応! 最後はミラーがペローを追い越し、ツールでは2003年以来のうれしいステージ勝利となった。

ゴールスプリントの結果、ミラーがステージ優勝を飾ったゴールスプリントの末、ミラーがステージ優勝を飾った

 メイン集団は8分弱遅れてゴールへ。ペテル・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール)とマシュー・ゴス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)が飛び出し、競り合ってゴスが先着したように見えたが、ゴスがサガンの進路を塞いだとして降格となった。チームメイトの鉄壁の守りの中で走ったウィギンスは、メイン集団でゴールし総合首位をキープしている。
 

第12ステージ結果
1 デイヴィッド・ミラー(イギリス、ガーミン・シャープ・バラクーダ) 5時間42分46秒
2 ジャンクリストフ・ペロー(フランス、アージェードゥーゼル ラモンディアル) +0秒
3 エゴイ・マルティネス(スペイン、エウスカルテル・エウスカディ) +5秒
4 シリル・ゴティエ(フランス、チーム ヨーロッパカー) +5秒
5 ロベルト・キセロウスキー(クロアチア、アスタナ プロチーム) +5秒
6 ペテル・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール) +7分53秒
7 マシュー・ゴス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) +7分53秒
8 セバスティアン・イノー(フランス、アージェードゥーゼル ラモンディアル) +7分54秒
9 カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム) +7分54秒
10 ルーカ・パオリーニ(イタリア、カチューシャ チーム) +7分54秒
100 新城幸也(日本、チーム ヨーロッパカー) +10分15秒

個人総合(マイヨジョーヌ)
1 ブラッドリー・ウィギンス(イギリス、スカイ プロサイクリング) 54時間34分33秒
2 クリストファー・フルーム(イギリス、スカイ プロサイクリング) +2分5秒
3 ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、リクイガス・キャノンデール) +2分23秒
4 カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム) +3分19秒
5 ユルヘン・ヴァンデンブロック(ベルギー、ロット・ベリソル チーム) +4分48秒
6 アイマル・スベルディア(スペイン、レイディオシャック・ニッサン) +6分15秒
7 ティージェイ・ヴァンガードレン(アメリカ、BMCレーシングチーム) +6分57秒
8 ヤネズ・ブライコヴィッチ(スロベニア、アスタナ プロチーム) +7分30秒
9 ピエール・ローラン(フランス、チーム ヨーロッパカー) +8分31秒
10 ティボー・ピノ(フランス、エフデジ・ビッグマット) +8分51秒
100 新城幸也(日本、チーム ヨーロッパカー) +1時間35分48秒

ポイント賞(マイヨヴェール)
1 ペテル・サガン(スロバキア、リクイガス・キャノンデール) 254 pts
2 マシュー・ゴス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ) 198 pts
3 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル チーム) 181 pts
4 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、スカイ プロサイクリング) 129 pts
5 カデル・エヴァンス(オーストラリア、BMCレーシングチーム) 100 pts
6 ブラッドリー・ウィギンス(イギリス、スカイ プロサイクリング) 96 pts

山岳賞(マイヨアポワ)
1 フレデリック・ケシアコフ(スウェーデン、アスタナ プロチーム) 66 pts
2 ピエール・ローラン(フランス、チーム ヨーロッパカー) 55 pts
3 クリスアンカー・ソレンセン(デンマーク、チーム サクソバンク・ティンコフバンク) 39 pts
4 ロベルト・キセロウスキー(クロアチア、アスタナ プロチーム) 37 pts
5 ミケーレ・スカルポーニ(イタリア、ランプレ・ISD) 33 pts
6 クリストファー・フルーム(イギリス、スカイ プロサイクリング) 32 pts

新人賞(マイヨブラン)
1 ティージェイ・ヴァンガードレン(アメリカ、BMCレーシングチーム) 54時間41分30秒
2 ティボー・ピノ(フランス、エフデジ・ビッグマット) +1分54秒
3 レイン・タラマエ(エストニア、コフィディス ルクレディアンリーニュ) +27分55秒

チーム総合
1 レイディオシャック・ニッサン 163時間56分13秒
2 スカイ プロサイクリング +12分38秒
3 アスタナ プロチーム +24分33秒

敢闘賞
1 ロベルト・キセロウスキー(クロアチア、アスタナ プロチーム)

 
(文 須賀川健一/写真 砂田弓弦)

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